第二話:逃亡貴族は目立ちたく無い:
スキル怪力を使い馬車を街の近くまで運ぼうとするが
どうやら執事さんはアイテムボックス持ちで
大抵倉庫一つ分程なら運べるらしくそれを使い
街まで道具を運びその間俺はみんなを
護衛する事になったが今の所強敵もおらず
微妙にスキルを増やして街まで進んでゆく
「そろそろ街が見えてきます街まで着いたら
御礼を兼ねて食事にでもしましょう」
確かに遠くにぼんやりと壁が見える
アレはおそらく街の防壁だろう
レンガの壁を木で挟む形で出来ており
見た感じ木の表面にゴム樹脂が使われてるようだ
「安全そうな村だ、食事処を探さないと」
辺りを見渡して気づいたのだが村の店には
少しだが硝子が使われておりそこに俺の姿が
映り込みわかったのだが茶髪から黒髪に
そして目が赤か変化しているリリスなりに
正体がバレないよう変装させてくれたのか?
俺が硝子ばりの展示場の前でうろたえてると
「その店がどうかなさいましたか?」
と聞かれたので俺は
「いやマントが買い替え時かなと思いまして」
執事さんはポンと手を打ち
「そうですね、後でこちらで新しいマントを
用意させていただきましょう恩人に服の一つぐらい
返さねばなりませんからね、どのような品が
良いか考えておいてください、食事後に来ましょう」
酒場が有る名前は妖精の水場確か良い酒を表す
エルフやドワーフの言葉だった筈だ
3人に合うか微妙だが美味い酒の店は飯も悪く無い
「ここにしましょう、美味しい予感がしますので」
フリット盛りエルフ豆のソースと
辛擦りを添えてと書かれたモノが目立つ、
エルフ料理はヘルシーで野菜を中心に少量の
ジビエや小麦料理が多かった筈だよってみよう
カランカランと小型ノベルが鳴り店員が反応する
「らっしゃいゆっくりしてってね、何処でも好きな席
に座ってご注文決まりましたらテーブルのベルで
呼んでくださいね、今日はフリットが美味しいよ」
メニューを受け取り読み俺はフリットを頼む
辛擦りは少なめに頼んだ鼻に抜けるが多いと辛い
3人は東のオムライスというのを頼んだようだ
キノコや鶏に米を海藻とエルフ豆のソースでまとめて
玉子に出汁を加えて焼いて包んでる
俺のフリットは少し時間がかかる料理のようだ
「大変熱くなってますのでお気をつけて
食べてくださいサクッとした食感を楽しんで
ください今日は油も素材もいいものが取れました」
やっとフリットが来たがこれは嬉しい誤算だ
チーズソースが付いて来たエルフ豆のソースとコレで
食べるわけだなうん小エビがサクッとぷりぷり
エルフ豆のソースを付けると薄口のソースが
辛擦りで引き締まりツンとした刺激が有る
次はチーズソースで小芋だろうか?
サックリしたころもにチーズと芋の濃厚な旨みと
粘りの強いほっくりした食感普通の芋じゃない
美味しいこの赤さと形タコだ最近流行り出してる
食材をもうすでに使っているとはやるなエルフ
「変わってるけど美味しいでしょ、近所のエルフから
習ってこんな所まで上がって来たが王都の兄さん所
ならもっと色々出せるんだけどねエルフ食材って
変わってて扱いが難しいから、うちはシンプルにね」
炒めパスタに焼飯、うどん、蕎麦、ステーキ色々ある
どれも美味しそうだが王都の店ってそんなにいいか?
ここも味があって良い店だと俺は思うが
会計を払ってもらい御礼を言い次はマントか
何処の店に有るんだろうか?取り敢えず辺りを見て
それっぽい店を探す盾と剣が飾られてる店がある
おそらくここだろう扉を開き入るとガタイが良く
ぼんやりした感じの店員が武具の手入れをしている
「らっしゃぁせ〜何かお探しの品有りますか?」
何処か気の抜けたかんじだがこたえないと
「あの、マントを探してまして目立たない色で
軽く丈夫なヤツがあると助かります」
店員は「少々お待ちください」と言い
奥に入っていく倉庫があるのだろうか?
そう思っていると店員が帰ってくる
「コチラの品ととのえれば色合いも丈夫さも
丁度良いかなと思います、どうでしょう?」
俺が受け取ろうとした時執事さんが止める
「失礼、言い忘れが数点有りました
魔法耐性と耐寒性対衝撃も高いものコチラで
大丈夫でしょうか?安全性は考慮したいので」
店員は少し考えてから話しだす
「そうなるとコレでは駄目なので奥にある
色は同じもので幾つか複合して作りましょう、
それが一番安全だと思いますよ、旅行ですか?
お気をつけくださいね、大体明日の早朝頃に
出来上がって販売できる筈です」
明日の早朝頃かとなると宿に泊まる事になる
宿まで払ってもらってマントまで買わすのは
少し申し訳ないな、何かバイトが有れば良いんだが
ブッた切り道場バイトをしながらメキメキ
技が身につくと書かれたチラシが貼られてる
怪しいが一時間予定金貨3枚と書いてある
これってどうなのだろうか?
「例の道場ですか実際に金は出ますし
ごく稀に技が身につくらしいですが
かなりの重労働で臭い汚い危険と
あまりオススメ出来ない所ですが
現場のボスは強いんですよねたまに魔物退治
やダンジョンの清掃作業などをしますね
まさかご興味があるのですか?」
やけに詳しい気がするが何かあったのだろうか?
「いや、少し興味がありましね、
いつまでも皆さんに頼ってる訳には
いかないので何とかお金を稼いで
旅の足しにしないとなと思いまして」
執事さんは顎を揉みながら考えている
「分かりました多分兄の名を言えば入れるでしょう
私のちょっとした老婆心です、話してみましょう」
そして俺は道場と書かれた特殊な鉄細工の
部屋まで来ていたのだが道場には
サンダース・ベイクド=モチョチョ組と書いてる
これは執事さんの親戚か誰かなのかな?
執事さんが部屋に入り数分後白髪で巨体の男が
ツナギを腰で巻き薄手の服で出てくる
「よく来たなぼうず街の外に出るが安全には
気をつけてるからついて来な、
まずは丸太切りからださほど大変じゃ無いが
コツがいるから、一旦手本を見てからだな!」
丸太切りの場所に着くと複数人が丸太の山から
カゴに積み込みそれを置いてパカンと斧で切る
「歩幅と腰と振り下ろし全部繋げてしっかり
ガツンと切らないとな一個切るから見とけよ」
そう言いボスは大斧でパカンとブッた切る
「今日の丸太は乾いててしなりもあり
良い丸太だなぼうずもやってみろ武器選びは
大事だから無理にデカイのじゃなくても良い」
自分に合った武器か借りれるみたいだが
リングソードが使えそうだ手首から外れ
別の武器になるイメージをする二つの線が
交わり大斧になってゆくヨシ使えそうだ
「聞いてはいたが使いこなせてるみたいだな、
ゆっくり傾け持ち上げてから振り下ろすだ
歩幅と踏み込み足にぶつからないように」
少し離れた場所でボスが声がけしてくれる
「グッと上げて構え踏み込みブッた切る!」
パカコンと音を出し丸太が切れる
「切れました」
ボスはうんうんと頷き微笑む
「まずあと50本出来たら次に行こう」
それからひたすら50本を切り次の仕事に
行くことになったがぼんやりと基礎みたいなものが
身に付いた気がする基本技【ブッた切り】を得た
【ダッシュステップ】により【縮地切り】を得た
【怪力】により【超ブッた切り】を得た
うわ!技が溢れてくる力は付いてるみたいだ
「何か掴んだ感じだな?オマエは結構早いが
早熟型とも違うしもしかすると天賦の才が
あるのかもな?まぁおごりすぎず自信を持て」
次は投擲落としという棍術の特訓で
防具をつけ投げてくる意志を叩き落とし
投擲者に追いつき手を触れれば終わり
それを10回繰り返す事で次にいける
最初は避けるのがやっとだったが何とか近づき
打ち落とし何度か繰り返すようになった時
「よし終わりだ10回よくやったな
今日は日も落ちて来たしここまでだ、
みんな食堂で飯が待ってるぞ!!」
皆が喜び食堂に向かって歩いてゆく
どうやら投擲者達は別の場所に行くようだ
「あの人達って何者なんですか防具はつけてたが
中々の威力だったし慣れてるというか何というか」
ボスは首をぽきりと鳴らし答える
「ありゃ騎士団の候補生さん達だこんな田舎まで
わざわざ来てくれてるありがたいが何故って
聞かれると答え辛いな、まぁ名前は使ったほうが
腐らせとくよりは良いんだよ俺達の場合」
大きな食堂が見えてくる大体全部で3〜4部屋ぐらいの
二階建ての食堂サンダース食堂と書いてる
「嫁さんの趣味なんだよ新入りが入ると
連れてこいっていうからいっそ話し合って
嫁さんの夢だった大衆食堂を作ったんだ
木材も家具も集めるの大変で最初は苦労したぜ」
ガラガラと木の引き戸を開けて入る
「ただいま!新入り入ったから何か美味いの
食わせてやってくれ!新入りのルークだ」
わいわいと賑やかな食卓おかみさんが調理し
数人の店員がいそいそとはこんでくれる
ざく切りチキンのミルクパスタ、
胡桃とチーズのフレッシュサラダ、
そしてデザートのプリンパイ珍しい料理ばかりで
他の店では中々食べれない夜遅くまで皆で騒ぎ
自分の夢や家族について話した俺は聞くだけだったが
少しだけ胸の奥のものが軽くなった気がする
それでもいつか奴に会って決着を付けないといけない
ヤツはこの大切な平和を壊すかもしれないのだから




