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強奪のグラディア  作者: 七枝選考
大罪の枝と嫉妬する翼膜編
17/23

第十七話:探偵は眠らない:

マッチ・ラケットの組織に入り込み調査する為に

古着のコートの内側にシャツとサスペンダー

に安布のズボンに黒の革靴で髪を雑にまとめている


「よし違和感無いよな?大丈夫そうだ」


俺がそういうとカメラがパチンと音が鳴り

紹介用の写真がフイルムに焼け付く


大人で写真が必要な仕事はここか

騎士団の一部ぐらいで、みんな辞めたり

転職したりで一生同じ職場にいたり

関わっていく事など無いに等しいもっとも

シトラス・レモ=ネードはそんな職なのに

特異な能力と経歴で残れているのが不思議な

ぐらいだ普通なら行き場が無くなり死ぬ筈

彼は何故無事なのだろうか能力に秘密が有る?


「考えてみたが思いつかないそもそも

シトラス・レモ=ネードって何者なんです?

何か風体と名前が合わない感じだし本名を

誰も知らないなんて事有りますかね?」


俺がそう聞くと椅子で新聞を読み待っていた

ジタン・ハルトが話してくれる


「アイツの名前は死んだおふくろさんの名で

まぁもう確かめようが無いがどうやらヤツは

何処かの偉い教会関係者との間に生まれた

所謂不義の子ってヤツらしくアイツがガキの頃

倒れて何とか盗みで生計を立ててたようだが

丁度アイツがムショに入った日に亡くなって

それから何人かヤツの秘密を嗅ぎつけた者達が

集まって来たが上手くいかず今では裏稼業を

転々と彷徨ってるわけだがどうもマッチは

その偉いさんと関係があるようでな?」


俺が驚き近づくと彼は手で止め


「同情や一時の感情で動いてるわけじゃ無い

おそらく貴重な能力を持った部下を得て尚且つ

誰ぞの秘密をもみ消すチャンスの為においてる、

そう考えると危険な蝙蝠を置いとくのも普通だ

だがそうなると当の本人シトラス・レモ=ネードは

何故ヤツから逃げないかが不思議なんだなぁ、

流石に気づきそうなもんだが、不思議なもんだ」


結果彼の目的も何者かも僅かな手掛かりしか

無いわけかどうすれば彼の情報は得られるのだろう?


「まぁヤツに関わって信頼されるなり

する他無いな、ヤツもアレでそこそこ考えがある

期待も信頼もないヤツにアレコレ話さないだろうさ

重たいだろうがオマエがダチにでもなればヤツは

ボロボロと口を滑らすだろうさ頼りにしてるぜ」


騙すのは気が引けるが仕方ない

ヤツの関心を惹いて何とか情報を聞き出す

そうすれば多分彼の過去も知る事になるだろう

果たしてその先で俺はヤツを倒せるのか?


「まぁ時間は有限だ頭だけじゃ無く身体も

動かして、出来る事からやってみようぜ?

その方が必ず一歩は前に進めるんだからさ」


確かにそうだそろそろ時間だし目的地に

行って待ってないと、おかしな所はないな、

ヨシがんばっていこう、調査開始だ!


俺達は南イタルティア自然公園に向かった

公園内を歩き中央付近に時計がある

ひとまず長椅子に座り相手を待つ

静かに時間が過ぎていく陽射しが暖かく

欠伸が出そうだ、そろそろだが何かあったのか?


「すみません貴方達は主人様の取引相手の

ジタン・ハルト様とその助手であってますか?」


茶色のスーツの男が話しかけて来るが

誰だろうか使いの部下だろうか?


「仲介人しっかり挨拶しておけよ、いざって時は

この人がボスを宥めてくれるからな、お疲れ様です

それじゃあ案内お願いいたしますすみませんね

うちの助手緊張してるようで挨拶もちゃんと出来ず」


茶色のスーツの男はいえいえと言い

自己紹介してくれた彼はアルケ・ダンテ

裏稼業専門の仲介屋マッチが雇った人物だ


「挨拶遅れてすみませんルーク・グラディア=ハート

本日はお世話になります、不注意なきよう

気を引き締めて気をつけてまいります」


俺が頭を下げると彼方も軽く頭を下げ

荷物などが無いかを聞かれる特に無いな


「いえ大丈夫です案内の方お願いします

師匠も何も忘れ物無いですか?無ければ

すぐに移動しましょうあまり人目につくと

面倒ですから、早めに案内の準備してくださって

ますよ、忘れ物お土産などもないですか」


ジタン・ハルトは両手をパッと広げてみせる

荷物は兎も角、土産も無いのか大丈夫か?


「大丈夫ですよ、土産などは足がつくので

持たせるなと聞いておりますので問題ございません

貴方も不要なモノお持ちで無いですね

それでは案内させていただきます先に歩きますので

ついて来てください、失礼いたしますね」


アルケ・ダンテが前方を歩いてゆくなるほど

彼について行けば組織の使ってるアジトまで

行けるのか、だが普通に直行するわけでは

無さそうだ、気をつけてついて行こう

と思ったのだが途中一度カフェに寄ったぐらいで

組織のアジトにはわりとすぐついた


「失礼いたします」


扉の金具をコンコンと鳴らすと扉が開く

なるほど俺達が入ってからまた閉めるのか


扉を開き中に入ると背の高い黒服が代わりに

案内してくれるようだわりと広い作りだ

階段を幾つか上とすぐに派手な扉がある


「失礼します客人お連れしました」


扉がコンコンと鳴り開く中に入ると

マッチとか言うボスと護衛二人といる、

シトラス・レモ=ネードはいないようだ

流石にヤツと護衛一人の部屋には入らないか、


「オマエにも世話係をつけないとな

オマエは礼儀も身体能力もある程度ある

だから、シトラスをつけようと思うのだが、

ヤツで良いな、それじゃあまず会ってもらおう

心配しなくも噂ほど危険では無い人物だ、入れ!」


扉が開くと背の高い男が入ってくる

扉が小さいので少ししゃがんでるぐらいだ


「どうも…シトラスです…」


なんか思っていたのと違うどういう事だ?


「案外無口なんだよ、オマエこのぼうずの

世話係に決まったから仲良くしろよ?」


予想してたよりシトラスはマシそうだが

マッチの張り付いたような笑顔が気になった

俺達はひとまず親睦を深める為に近くの

飲食店に入ったバゲットサンドの店で味は良いが

わりと高い店観光客用だったのだろう最悪だ


「高ぇ店だなぁ、親父の方が美味いサンド作るよ

さっさと払って出ようぜそこの雑貨商店で

コーラかレモネード買おうぜ安いからさ」


近くの雑貨商店に入ると店内自販機が有る

銅貨二枚と小銅貨三枚を入れボタンを押しレバーを

下すとガシャカンとジュースが出てくる

小銀貨をくずし銅貨と四枚小銅貨六枚でそれぞれ

買いたいドリンクを買ったオレンジサイダーを買った

ジタンはポーションスパークと書かれた飲み物


「結構金持ってるけど探偵て儲かるのか?

親が金残してくれただけか?あんま聞かれたく

無いなら良いんだけど、俺もあんま金の出所

話して気分良くなった事ねぇから、自由に

使える金が有ると楽だよなぁ、奪ったり

命賭けたりしなくて良いんだからさ、楽しいよ」


そうかコイツは親が死んで仕方なくマフィアなんか

やってるんだ他を知らないから罪悪感など分からず

繰り返し組織から逃げその度に偶然組織が潰れた

誰も何も教えてくれなかったんだその結果

弱り果てた能力者から殺して力を奪った

あの時何処の誰かも知らず飯の為に殺したんだ

それから力の在りかを探し幾つかの組織が関わった

コイツが望もうと望むまいと力を求め雇ったんだ


「最近家族がみんな死んでさ偶然生き延びて

家長は別の人になってそこから金受け取って

この国まで来たんだ、信頼出来る人を探しに

馬鹿馬鹿しいだろ?どれだけ危険かも知らず

ただ流れてきて運良くジタンと出会い助けられた

俺達は多分ちゃんと家族を守らないと

駄目だと思うよ、ちゃんと親分を大事にしよう」


シトラスは自分の手を見て呟く


「大事にか…恩義は感じてるつもりだぜ?

ただどうすりゃ良いのか知らねぇんだよな

親父は良い人?なのかな?まぁあんま一般人

は巻き込まないし組織同士のいざこざがなきゃ

誰ともぶつからねぇ筈の人なんだ見えねえよな?

それでも逃げた俺を拾って、おいてくれてる、

だから俺は今ここにいれるんだ、分かるかな?」


何でコイツはこんな哀しい目をするんだろう?

俺達はアジトに向かい歩いて帰った









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