第十六話:美しき喧騒の街:
ついに調査を始めるべく依頼を出した俺達だが
街は広く簡単には目的の人物には当たらない
その結果俺達は二手に分かれて調査する事に
だが正直こちらには思い当たる場所など無い
これから俺達はどうするべきなんだろう?
「これ持っていけ、役立つハズだ」
その時渡されたのは鳩型疑似精霊と操作板
この操作板番号が登録されておりメッセージを
遅れる優れ物いざという時はこれで誰かに連絡
を取り情報交換すれば問題なく協力出来る寸法らしい
バーボン・ラブ=ロックに聞いてみる
「まぁ、この街でマフィアの事件なんか
日常的な事だ騒ぎが起きた場所を地図
アプリに送っておく報連相は忘れるなよ」
便利なのに使いにくいどうなってんだこれは
確か広いところでコレをぽんと押せば
「お!地図がズラッと出たないい感じだ
この調子で上手く調べていけば目的の人物も
すぐに見つかるハズだ宿に近いのは…ここだ!」
宿屋周辺の喫茶エスプレッソへと急ぐが
よくよく考えてみたら能力名以外不明の
よく裏切るカスを今から見に行って
それっぽいなら報連相かぁ…なんか…
何か嫌だが、報告しとかないと危険過ぎる
喫茶エスプレッソに着くと金髪でピアスに
黒の皮コートの男がダルそうに手をあげて
喪服の男二人に何か怒鳴られているが
報告すべきか?何か特別なモノは感じない
ただ何か手をあげぶつぶつと何かを
唱えるというかずっと呟いている
「はぁ…お前らは肩で風切って歩けて
いいよな、何で俺じゃなくオマエらなんだァ?
そうだよ、俺が持つべき力だろ!俺にくれよ!
その力も地位も俺に寄越せよクソやろぅ…!!」
そう言い終わると異常な力で喪服の男を殴り飛ばし
壁に叩きつける、そしてもう一人の男に近づき
ナイフで腹を刺しバリバリと切り開く間違いなく
コイツだこの皮コートの男がシトラス・レモ=ネード
だ男達を抱えて何処かに連れて行く、動けずにいると
自分達とは逆方向に歩いて行った報告しないと
俺は出来る限りそこから離れ喫茶エスプレッソ付近で
シトラス・レモ=ネードを見かけたと報告した
その後宿に帰り季節ハズレのパネットーネを
食べさせてもらった、何でこんなモノがあるか
知らないが何か生きてる感覚を取り戻したかった
「ごほッげほ、はぁ…」
やたら甘ったるいウインナーコーヒーを流し込む
何だアイツは微かに聞こえた賞金ゲットだぜ
という軽薄な言葉まるで子供だが力だけは
持っているそんな奇妙な空気を纏った男だった
「それは噂のスキルだろう相手の地位や力を
欲っし願う事で敵より強く力強くなり更に
それは人数がますごとに力を増して行くらしい
これまでヤツの起こした事件は数十件もはや
異常な強さを得てる可能性が有るどうしたものか?」
ぼんやりと浮かんだそれを押さえ込み
口から出ないようにする、この事件は俺一人じゃなく
みんなで調査しているんだ、それにヤツがどれ程
の人生を歩んできたか知らない、俺なら羨ま無い
なんて、おこがましい考えだ、事件を纏めていこう
「少し纏めたいので考えを聞いてください」
あの男がシトラス・レモ=ネードで合ってた
ようだ、そして絡んで来た男は、今頃賞金として
何処かの豚箱にぶち込まれたのだろう、そう考える
べきだと思う、もし違うならゲーム感覚で人を捕まえ
何処かに連れて行く危険な異常者なのだから
「なる程でも能力の対抗策ぐらいあった方が
安心出来るよね、みんなは何か策はない?」
俺は手をあげて予測程度だが言ってみた
「その、仮の情報で羨まないような人物を
装えばスキルの範囲外に出れませんかね?」
つまり嫉妬し力を得るのなら嫉妬出来ない
最悪の人生を作り出し語っていればいい
だが一つ問題があるつまり嘘をねじ込む為に
近づいて、関係者になる必要がある
それをどうするかという問題で有るが
「俺達の仲間にジタン・ハルトという
男がいてな、ソイツは結構裏稼業にも詳しい
新進気鋭の探偵でといっても探偵自体が
最近聞き始めた気もするが頼れる男だ
まぁ性格に難ありって感じで困った奴だが
あの操作板もアイツがサン国から聞いて
作ってくれって言ったものだ確か文録電板
とかいう黒い電気で文を国中に共有する
装置だった筈だがサン国はそれで国民の
思想を調べたり善悪の基礎的モノとしてるらしい
話が脱線して悪いがなくてはならない道具を
ヤツは他の事に利用できないかと考えたわけだ
知恵と好奇心は人よりある方で気に入られれ
仲良くなればよく飯に誘ってくれるいい奴だ」
イマイチぴんとこないがその探偵は信用できるのか?
これ以上関係者を増やして依頼料は大丈夫か、
聞いてみた方がいいかもしれない
「問題無いあと二、三人増えた所で気にはせん
この事件解決に伴い得られるモノはそれ以上だ」
探偵の名前ジタン・ハルト偽名のようだ
仲間にも名前を明かしてない男が信用足る者か?
だがその探偵の関係者はシトラス・レモ=ネードに
かなりの確率で関わってるらしくつまり潜入捜査
をする事になったのだ、相手はまだこず不安である
「てかなんで俺なんだよ、その人で良いだろ?」
その時扉が開き帽子を深くかぶり髭を蓄え
筋骨隆々の大男がコート脱ぎながら入ってくる
ノースリーブの黒ジャケット黒のネクタイ
シャツにズボンも黒一色この夏らしからぬ服装
「誰かキンキンの炭酸水をいれてくれ!
暑いし小悪党の長話が不快でしゃあない、
証拠は出たから、おかげでコートがクリーニングだ」
コートをべしゃっと地面に投げるがよく見ると
返り血らしきモノがついている、中々はっちゃけた
人物のようだがこの人と行動して大丈夫か?
スー・シュ=ロールが冷蔵装置から炭酸水を出し
瓶ごとジタン・ハルトに渡すとそれを喉に流し込む
一心地ついたようでテーブルに書類を幾つか出し
場所を整えてから彼は話だす
「今回ヤツが世話になってるのは通称マッチポンプ
マッチ・ラケットだ名前の通り派手な揉み消しに
小さな心のまぁ小悪党だがプライドは高く厄介だ、
まぁこちとら、クズに頭を下げて尻尾を掴む仕事だ、
まんまと口車にのって気づいた時にはそらおしまい
今回も順調だがシトラス・レモ=ネードは
どうやら警戒してるようだ、というわけで
ここでそちらのお貴族様よ今まで一人で動いた分
誰かが入って来てもただの助手だのなんだので
騙せちゃうんだなぁ、ま、仲良くしようぜ!」
仲良く出来る気がしないがどちらにしら
長く関わる事になる、どこかで慣れないと
これからやってけない仲良くってどうすんだろ?
「その…頼りにしてますね、探偵さん」
炭酸水を飲み干し、おう!と返事を返す探偵
まぁ悪い人ではないよな?いやコートの血痕をみるに
一人二人ではない相手をのしてきた感じだ
本当に悪人ではないと言えるのか?
「取り敢えずなんか腹へったな飯にしようぜ」
カートン・スモークさんがキッチンに入り
何かを作っているジューという音と肉の焼ける匂い
俺達の予想とは全く違う料理が出て来た
「ペリメニとかいうのを焼いて作れないか
試した結果今回出来た焼きギョウザだ!
確かサン国の料理をヒノイデクニで改良した料理
ちゃんと味は見てる、美味いから食すといい!」
皮は表面がパリッとしながらモチモチとしており
肉汁がしみだし香辛料の風味がしっかりしている
ビネガーと胡椒のタレも絶妙に合う少し火傷
しそうな熱さで炭酸水が喉をピリピリと流れてゆく
これは合う、俺達は腹がいっぱいになるまで食べた
「明日からの潜入捜査頑張れそうです」
皆は焼きギョウザに夢中のようだ、俺は部屋に
帰りそろそろ風呂に入ってから寝よう
その日夢を見た何処かの路地裏刃物を持った
少年が血に塗れ僅かな食糧に喰らいつく
傍にはおそらく血のぬしであろう女性が倒れてる
やけに現実感のある悍しく悲しい夢を……




