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強奪のグラディア  作者: 七枝選考
愛と大罪編
14/23

第十四話:侵略か、救済か、:

全てを勇者に話すと決め呼び出すが全てを聞いた

彼女は何というか想像したより冷静だった

魔王が別に居るという話も魔王本人が幼い子供で

彼に守られているという話も冷静に聞き証拠や

俺達が聞いた情報を基に話を纏めていった


「なんていうか普通にちゃんと勇者なんだな」


すまないもっと乱暴でトンチキでポンコツだと

誤解してしまっていた、ひとまず話はまとまったが

彼は倒さず魔王の力は俺が何とかするそう決まった

あとは魔王城近辺にテントを張り突入準備を済ませる


「杭打ち甘いよ、しっかりしないと吹き飛んじゃうよ

みんな頼りにしてるから、切り込みは任せて

チョコパテとスープあるの食事が楽しみだね!」


彼女が次々に隊員達に声をかけて士気を上げる

中々勇者らしい活躍もするんだな、そう考えると

尾行の時のポンコツ加減が何故か可愛く思える


「さ、俺達もテント張って突入準備しないと

これが終わったら突入か下手するととうぶん

皆とは話せなくなりそうだ、話してみるか?」


まず勇者隊、隊員達に聞いてみた話は


「その我々は騎士団の傍らバイトのような感じで

魔王討伐の為隊員に志願しここまで来ましたが

生きて帰れる保証はありません、分かり易く言うと

大金の為に危険な仕事に志願した訳アリの集団で、

家族に金が残るならと志願した者が殆どです、

果たして俺達に魔王や魔物達を倒し民の平和を

守る事などできるのか、ただ勇者様は魔王に

立ち向かう力を持っている、あの人を担げば

この戦争に終止符を打ってくれる筈だと信じてます」


他の隊員に聞いてみたが皆勇者を勝たす事しか

考えておらず、自分が魔王の首を取るという隊員

は一人としておらず、コチラとしては足を引っ張る

者達がおらず動き易いがコイツらの精神性で

魔王に勝てる筈が無い皆俺達は金の為に死ぬと

恥ずかしげもなく声を上げ残される者の苦痛すら

分かって無いような奴らだ少し前なら理解出来たが

こんな思想を持って立ち向かえる程魔王は

優しく無いし簡単な敵でもない何故コイツらは

皆勝つ事生きて帰る事を諦めているんだ


「そりゃあ帰りたいけどよぉ、魔王なんて化け物

選ばれた者でもないと倒せねぇし、不死身で

会ったが最期の死兆星なんて通り名があるんだ

俺達はなるべく仲間の邪魔にならず敵の邪魔して

死んでいければ上出来だ、あんたや勇者は別の

世界ややり方が見えているんだろうが、俺は違う」


そうかこれが持つ者と持たざる者の違い

ただの心根の問題でなく圧倒的な格差、

何故勇者があんなに前に出て最前線で戦う

必要が有るか、考えてすらなかったコイツらに

失望しその上で帰るべき場所に帰す為に戦っている


「俺達が戦う以外に皆が生き延びる道はない」


俺の言葉に一瞬白んだ目を向けテントへと入っていく

恥ずべき事ではない彼等には帰る場所が待っている

勇者が声を掛け皆が注目する、偵察兵がロープで

壁を登り内部から開けようとするが次の瞬間

城の城壁付近から死体が降ってくるそして門が

入ってみろと言わんばかりに開くコレは罠だ

だが隊員達は立ち止まらず城内へと駆けてゆく

門の付近は低位の魔物達ぐらいで簡単に通れる

そのまま隊員達は散らばり魔物を倒しながら進む

隊に死者は出ていない、このまま進めれば

側近の彼と一騎打ちに持ち込めるだろうだが

違和感を感じるあまりに弱いし動きが隊員に

似ているのだ躊躇し逃げ惑いまるで人間だ

まさかこの魔物達は魔王の力で変貌した人なのか?


俺は魔物達を掻い潜り勇者と奥へと進んでゆく

そして魔王城中腹といった所だろうか魔王の側近

ホムンクルス・ワンに会う服装はピッタリとした

白いスーツ姿で所々返り血で赤く染まっている


「お初にお目にかかる、私は魔王城防衛機構

デミ・クローンズの最終作品、我が主人には

指一本、傷一つ付けさせない、覚悟しろ!」


勇者が前に出て先に行くよう目配せをする

かなりの強敵だが任せるしかないだろう

俺達が駆け出すと同時に勇者がワンに切りかかる

剣が衝突しワンは片手で剣を捉え勇者を睨む


一瞬の隙をつき【眠りの怠惰】で一瞬眠らせ

俺達は奥の通路へと駆け込むしかし通路の先には

魔物達が複数おり攻撃を避けながら切り付ける、

魔王すら、こんな事は望んでない筈だ階段を登り

魔王城中心部へとたどり着くおそらくあの塔だ

塔の下部にある窓から中に入れそうだ、

鉄鞭を壁に突き刺し上り入る、後はただ

此処を登るだけで魔王の部屋に着けるだろう


扉を開けると少女が椅子に座り

外を気にしている様子だおそらく彼女が

魔王アスモデウス・ポラリスなのだろう


「君を呪から解放しに来た俺を信じて

今だけ大呪の力を解放するんだ、そうすれば

君はもう呪いに呑まれる事なく生きる事ができる

勿論ホムンクルス・ワンを助ける準備もしている

恐ろしいかもしれないが俺をいや自身を信じてくれ」


仮面の少女が椅子からおり画面越しに俺を

しっかりと見で語りかけてくる


「私が近郊の街や人間達に何をしたか知った上で

言っているのですか?私は決して許されぬ事を

しました、人間達の摂理を捻じ曲げ家族を

怪物に変えた、そして今日も私を守る為だけに

家族が血を流し多くの人間を殺めた私が

許される筈がない誰も、私自身も許せない」


俺は呼吸を整え怒りを散らす


「いつまで被害者として閉じこもる気だ、

魔王としてワンが死ぬまでか!それともずっと

誰かが何かを変えてくれるまで神が許すまで

嘆くのか、他の誰が何を言っても俺は許す

そして今戦っているワンもだ他者が許し

家族が許す今本当にオマエを許すべきなのは

オマエ自身だ呪いが何だ今立ち向かえる小さな障害だ

オマエは解き放たれもっと大きな壁にぶち当たる

それは一人じゃ無く皆で乗り越えるべき壁だ

俺を信じて自分自身を許し信じるんだ」


俺の両手から黒い雷線が腕に広がり

ガントレットになる呪い喰らいの力を

彼女の為に前に進む未来の為に使おう

彼女の手を取り呪いを取り込む


「暖かい、強い力…」


魔王から生じた黒い靄が俺の身体に入り込んでくる

目は開いていただが夢を見たワンが刺され

無力な自分を呪い力を暴走させ目に映る全てを

恐れ繋がりを求め魔物に変えた彼女の悪夢

そして蘇った冷たい手を取り罪を背負うと

決めた悲痛な決意だが彼女は全てを振り払い

今を生きる事を選択したのだきっと二人は

大丈夫だ後は彼女はもう一人じゃない

スキル【色欲の魔眼】を得た


魔王城中腹ホムンクルス・ワンの戦闘が

呪いが消えた事により終局を迎えていた


「傷が治らない、何故だ彼女のもとへ

帰らねばならないのに何故俺は戦えない!!」


勇者は首を振りワンを見る


「それはもう戦う必要がないからだ

今魔王の呪いは解かれ消え去った

勿論魔王は生きているコレから君は

今以上に多くの者を守る事になるだろう何故なら、

彼女はもう呪いを恐れず遠く遠く外へと

向かってゆく様々な困難が有るだろう君はそれを

側で見守っていかなければならない家族なんだから」


ワンは目を瞑り自分が生まれた日の事

父と母を守れず失った事、そして呪いに関わらず

生きて守りたいと願った事全てを思い出し

己が血に汚れた手を見つめるコレからはもう

死に塗れた日々を送らなくていい彼女とともに

この国の民として生きていくのだいつまでも


「世界は眩しいな…勇者よ…」


勇者は剣を鞘に納め語りかける


「そうだな、素晴らしき世界だ」


俺はその後勇者と合流し魔王城近郊の街を見たが

何故か魔物化の影響を残した民が大多数いるのを見た

どうやら皆魔物化の恩恵を受けており人としての

精神性と魔物や魔族の優れた身体能力を持ち合わせた

特殊な民族としてやり直す事にしたらしい

そしてその為魔物や魔族に詳しい人物が必要で

魔王と側近は相談役魔王城に残る事になった

呪いがなくなったとは言い切れない状況だが

勇者と勇者隊に皆は家族のもとに帰り大金も得た

今後どうなるかは彼等次第だが被害は最小限で

旅は終えたそして俺達は


大猫商店で情報を得るべく向かい聞いたのだが

何故か答えを聞く前に馬車に乗せられ更に船で

情熱の都イタルティアに向かっている船の中

で聞いてみると俺達はイタルティアのマフィアを

見つけ出し倒すべく向かっているらしい

次なる大呪は嫉妬の力だマフィアの誰かが持ち

複数有る組織をまるで蝙蝠の如く飛び回り

移り変わりただ優れた力があるので殺されず

重宝されているらしい、なんとも厄介相手だ


「さぁ諸君そろそろ我が商店の力を見せる時だ」






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