第十三話:怠惰な夢を:
先程まで俺は、宿屋で眠っていた筈だ
だが気がつくと俺はいや、僕は確かそう
ハン・リュウドウだグラディア家を襲撃し
地下にあると言われるリリスの封印を解き
我が身に宿る怠惰の大呪を消し去る為に来た
どれだけの犠牲を出したとしても運命からのがれ
平凡な武術家として残りの人生をいや今までの
人生全てを取り戻すこの任務が終われば
もう罪を重ね後悔しながら生きる必要は無い
俺はそう信じグラディア家の屋敷に客として
近づき部下を…この屋敷のドアを開け入れるだけだ
何故子供達を見てしまった、今までの敵にだって
家族はいた筈だ、そもそも家族など持った事のない
俺に他者の幸せなど理解出来ない、俺の母は
娼婦で俺を産んですぐ流行病でしに路上で暮らし
最終的に盗みに入った場所が深淵王の傘下の店で
店主を殺した技が気になる手駒として雇われた
ただ生きる為に何人何百の血が流れた罪悪感と
ともに生きている実感を感じていた生き延びた
他者に勝ったその時のみ自分は生きてるいや違う
他者に生かされているそうの瞬間のみ奇妙な
繋がりを他人と共有出来た本能的な捕食者と
喰われる者その繋がりだけが他者との繋がりだった
生かされる事に感謝していた、そうそのままで
良かった筈なのだこの家には他と違い咎な匂いが
しないのだ、他者は悪の下に生きているどれだけ
隠したとして悪の匂いが微かにするそれが当然だと
信じ行動して来たそれなのにドアノブから手が
離れない何故自分はこんな罪の意識に呑まれている
視線がふらつくそうだ逃げてしまえば良いんだ
「どうしたのお兄さんそこはトイレじゃないよ?
確かあっちに有るから連れてったげるね」
放せはなせ放せはなせ放せはなせ放せはなせ放せ
幸せそうにしてるんじゃない僕は僕はそれが
欲しくても手に入れられなかったんだぞ!!
気がつくと僕は剣を抜き彼を切っていた、そして
扉は開き複数の兵がぞろぞろと傾れ込んでくる
これで良いなのに心の飢えが満たされない
いつもなら捕食者として感謝し咀嚼し飲み込める
喉に臓腑に引っかかり飲み込めないこれが罪悪感
今日僕も被食者と同じ悪になったのだ自分が
見下し喰らって来た悪の匂いはもう取れない二度と
これは考える事をやめた怠惰の罪の結果なのだ
大呪でなく自分自らで作り出した罪の檻
もうこの檻は僕を逃さないだろういつかこの僕が
大罪が暴かれ血に塗れ呪いが終わるその日まで
自分という檻からは逃げる事をなど許されない
「許さない…オマエが…何処に逃げようと…
必ず家族達の分…剣を突き立て…復讐してやる…」
僕の罪を暴いてくれるのか?死人が?
僕は何を考えているんだ剣を振り上げ
微かに願った誰かこの罪を暴き罰を
与えたまへさして剣を振り下ろした
そして時は達森林峠にて呪いは終わり
微かな救済が与えられる彼の求めた繋がりは
君の中に有る罪と裁く者だったが確かな
繋がりが彼との中に確かにあったのだ
怠惰の罪と向き合い思考の意を知った者へ
背負うべき向き合うべき大罪を刻み込む
スキル【眠りの怠惰】を解き放った
そして悪夢は終わり君は君として眼を覚ます
さぁ、眼を覚まし仲間達を見るが良いルーク
目を覚ますとどうやら俺はベッドで寝かされてる
ようだ、そう、俺はルーク・グラディア=ハートだ
ハンから大呪の力を今日受け継いだ、そして
彼をを倒しこの国と魔王を解放する
必ずすべて救ってみせる何かを決めたのなら
考え動き続けないと駄目なんだこの力試させてもらう
「俺さ、ハンから力を受け継いだんだ、あいつが
どんな思いを抱えてたか、少しだけ理解出来た
その上で取り返しの付かない事をした罪人で
国や民と何か繋がってるように思えなかった、
多分、死を目前にしてやっと繋がりを感じ求め
あの結果に辿り着いたんだと思う奴は最期
怠惰なんかじゃ無かった気がするよ多分必死に
考えて答えを出してその答えに殉じたんだと思う」
二人は少し驚いた様子だそりゃ急に自分で
終わらせたヤツの事を語り出したんだもんな
仕方ないよな、それでも理解出来、救われた
「ハンの力を使えるようになったの?
大猫商店で聞いたけど確か魔王やそれを
倒した者には一つの力と一つの呪いが
付き纏うって聞いてたんだけど大丈夫なの?」
俺は頷きリリスの力原罪ついて語った
「俺にはリリスって悪魔だか神だかが宿っていて
ソイツとの契約で、様々な力を奪って使える
これが多分一つの力そして契約から消して
逃れることが出来ないそれが一つの呪い
何を望んでこんな力を貸し、魔王やその力を
回収するのかは分からないが、俺はこの力が
必要だ、だから今は協力し力を利用させてもらう」
「私が遊撃隊にいた頃、治療魔法を施しに来た
シスター様が言ってたのですがこの世界
が出来る前、人には罪の思想が無く無垢で
神に与えられる必要な食事と平和な園
そして危険が無く不死性も併せ持っていた
しかし、園に侵入者が現れたそれは蛇に化けた
悪魔だったそれによら始人類たるイブは嫉妬と強欲
を身に宿しアダムと共に知恵の実を食し暴食を宿し
知恵を得ると互いが恥ずかしくなり色欲を宿し
神への不信から傲慢になり世界樹への水やりを止め
怠惰な暮らしを始めたそしてその様は神の責とされ
神はそれを恐れて二人を追放する事にしたのだが
一部の天使達は憤怒しルシュファウルの堕天戦争
へと発展したそうして全ては人の原型たる罪とされ
ルシファーとなった兄を悪神、天に残った弟
ミカエルを善神とし見守る為の世界を分け作った
イブとアダムを他の世界へ侵入者であり
アダムの前妻であるリリスをこの世界に封じ
二度と交わること無きように隔てられたそうです
長くなりましたがリリスは楽園を破壊した
堕天使ですよ?そんな者を信じて良いのですか?」
俺は圧に少し躊躇するが多分大丈夫なんだ
「過去に何があったとしてもそれだけで
悪人だと決まり変わらない事は無いんだ
リリスは何度も俺達の旅を助けてくれてる
どんな理由が有るかは分からないが今彼女の
力を失ったら、俺は死者に戻るかもしれない
それに訳アリの仲間が一人ぐらいいても大丈夫だ
ちゃんと話し合って理由を聞けば分かるかも
しれないし、どっちにしろ俺の中から逃げれない
そう考えてみると今の方が安全そうだし
俺は案外コイツを頼りにしてるんだ」
ただ今の話だとまるで世界が二つ以上あるように
聞こえたがリリスはそのもう一つの世界を
知っているのだろうか?とてもそんな風には
思えない何故なら、出会って間もないが
まるでつい最近眠りから起きたようなもの言いで
自分が何をしてるかすら、あまり分かって無い
様子なのだつまり楽園追放後彼女は
ずっと眠っていた?それなら何故我が家の
地下に封じられ眠っていたんだ教会や遺跡に
いるのが普通な気がするのだが考え過ぎか?
「兎に角、彼をどう封じて魔王に会うかを
考えておかないといけないんじゃないか?
一応【眠りの怠惰】なる力で彼は一時的に
抑えられるんだが魔王を如何見つけるかが
問題だ見つけさえ出来れば俺のこの剣の
呪い喰らいを使って魔王から大呪を取り除く
そうすれば魔王も彼も街の人達も救う事が
出来る筈なんだが如何なんだろう?
勇者の力が必要になるって聞いたが如何も
倒す為じゃなく彼を助ける為にいるみたいなんだ
彼女はちゃんと協力してくれるだろうか?」
レオは少し考えたが
「全て話すしかないでしょうね、彼女達
勇者は魔王を倒す為に居るような者ですからね
非常に難しい説得になるでしょうねぇ……」




