第十二話:死兆星のポラリス:
吸血公アスモデウス・ポラリスまたの名を
死兆星のポラリスと呼ばれるその名の由来は
死に瀕する程力を増し全ての敵を叩きのめす
その様から人は己の死期を悟り追い詰めた事を
後悔しながら圧倒的な力で滅っされるそうだ
「死に瀕する程強くなる理由も最初から
何故本気で倒さないのかも俺には分からない、
まさか本当は戦いたくないのだろうか?
だとしたら何故今だに彼は戦っているんだ?」
俺がそう聞くと店主は酒をさっと混ぜ
ぽつりぽつりと答えてくれる
「そうだなぁ、まぁ、謎の多い男でそもそも
どのような姿で、何故戦い続け何故負ける事なく
今日まで生き延びているか、わしが聞いた話では
幼子だと聞いてたのだが見てみれば妙齢の
紳士という噂が噂を呼び何者なのか全く分からん
知ってるのはヤツの住む城がありその
場所ぐらいなのだが敵がいかほどいるかすらなぁ…」
つまり簡単には攻め込ませず、中々の強さで
仲間もおり、どれほどの力を持つかも分からない、
厄介過ぎる敵じゃないか、どう倒すべきだろう
「近郊の街で情報を聞いた者もいたがソイツは
何故か街中で襲われて死んでしまったそうだ
おそらく街に手先の者が紛れているのだろう
そうなると他の街で聞き耳を立てるぐらいしか
出来ず、ろくな情報は入って来ないが、うぬぬ…」
結局は魔王城近郊で情報集めを気をつけて
危険ならまず引き返すしかないだろう
「私も調査に同行して良いだろうか?」
う〜んこのポンコツ勇者を?
「出来れば別々に行動して範囲を広げたい
だからその、勇者様とは別に動いた方が
街がどれ程の広さか分からないし、そうだろ?」
何やら腑に落ちないようだが、こちとら
敵の手下とやらに巻き込まれるリスクがあるんだ
出来れば無駄な荷物を増やしたくは無いんだ
「そうかでは途中で分かれるべきだな
魔王城近郊の街とやらに着くまでは諸君の
身は私が守らせてもらおう、旅の安全を約束する」
どうするかなぁ、この状況で断るの難しいなぁ、
申し訳ないが出来れば関わりたく無いぐらいだ
「勇者様の足を引っ張るのはいやだなぁ、
勇者様には精鋭達がいますでしょ?
その方達と行った方が安全だし無事着くのでは?」
そんな話し合いの結果俺達は大猫商店から出て
何故か分からないが勇者隊の皆さんと合流して
例の街まで向かっている、どうしてこうなった?
「勇者様はぐれてねぇですか?街が見えて来ました
もうすぐ着きますべ、腹括って気合い入れてくんさい
さぁ、みなさん、街できっちり情報集めて
魔王城に突入すんべ、気合い入れて張り込むべ」
訛りのすごい人だどうやらこの馬車の集まりは
あの商人のおじさんから、から借り出してるらしい
つまり勇者が魔王に勝ったらおじさんの名は
英雄の援助をした人として国中に広まる、しかし
だが勿論勇者が死ぬ場合もある、博打なのである
「複雑だなぁ、まったくもぉ…」
何だか他の隊員も楽観的というかいまから
死地に赴き死闘を広げるぞという感覚が無い
うっかり子供自慢、嫁自慢をしてるジンクス的
弱者の集まりこんな奴らで勝てるのだろうか?
そうして俺達は街に着きばらけて調査に出た
「すみません宿を探していまして」
そう聞くとにこやかに道を教えてくれるのだが
「ついでに魔王様に着いてかけますかね?」
出たよ!ドブを見るような目!その後は皆が
同じようにそそくさと逃げてゆく、まるで魔王を
守っているかのようだその後俺達は街を歩き
「せめて、せめて宿を教えてくれぇええ!!」
と叫ぶ勇者隊員を何度も見かけた彼等は今日
野宿確定である先に聞いておけと言ったルルは
凄いと思うと同時に勇者隊は駄目だと思った
俺達は聞いた中から安全そうな宿を選び
夕食のバゲットに胡桃と鮭のディップと
ポトフスープをいただいた薄切りバゲットの硬さ
にディップの塩加減と胡桃の甘く香ばしい風味
ポトフスープも出汁に野菜が溶け出し複雑な旨味
これで金貨二枚と銀貨五枚あと数日は持ちそうだ
「お客さん、勇者の一団だったりする?」
口を拭い答える
「僕達は学術的な興味で魔王の調査に
同行してまして、ただのあしでまといですよ」
宿屋の夫妻が顔を見合わせた後話してくれた
魔王は皆が思う恐ろしいような男では無いと
そもそも魔王を倒せば抑えている魔物達が
周辺へ溢れたしこの街は終わるそしてさが最後に
「もし真の魔王がいて幼い何も知らない者なら
貴方達はどうしますか?いやもしかすると
すべてを知った上で止めれずにいるのなら、
誰が彼女を助けるというのだろう……」
彼女?魔王は女性なのか?それにこの話
お猫様の話と一部一致する魔王は誰かを
庇い隠している?何の為に?それにまるで
身近な人物のようだもしかすると魔王は
この街に来た事があるのかその時何かがあり
この街の民は恩かもしくは罪の意識がある?
「お姉さん魔王は男性だし多分逃げ無い
強い人なんじゃないですか?だから
多少何かあって怒る事なんて無いですよ」
しばしの沈黙のち宿屋の主人は話しだす
「貴方なら、悪用せず魔王様を解き放って
くれるかもしれない、この街ので起きた事を
聞いていただけますか?勿論他言無用で願います」
俺は目を見て無言で頷く
「あれは私がこの宿をまだ父と母が切盛りしてた頃
魔王様と側近の人造人間ロゼ・ホムンクルス
二人がこの街のに魔族と人間の共存権締結の為
領主と会い長く続いた魔王を中心とした兵団と
人間達の戦争は終わるかに見えたしかし
人間は戦争の平和な終結など望んで無かった
彼等は自分より優れた魔族を支配し力を他国を
打ち倒す為に使おうと画策していたそしてそれは
予想外の悲劇を起こした魔王の眼を抑える為に
仮面を砕き力を解放したその時魔王は思ってしまった
魔族と人間の違いが無ければ魔王の魔眼は
あらゆるものを惹きつけ自分の願いを叶えるモノ
この国の民や仮面を砕いた暴徒達は魔族へと変貌し
その時瀕死の傷を負ったロゼ・ホムンクルスは
死なないでという言葉が魔眼の呪いとなり
死ぬことのない怪物になったそして今なお
あの城で彼女を倒そうとする者達から守っている
これが魔王そして我々半魔族の秘密です
貴方達はこの話をどうしますか胸に秘めるか
人間の罪を裁くかそれとも彼を倒しますか?」
俺のすべき事魔王の秘密そしてリリスとの約束
すべて考え俺の出すべき決断
「少し待ってくれませんか、魔王にようが
有るのは俺だけじゃないんですそうだなリリス」
そう話しかけるとぼんやりとした煙のような
モノが壁に現れるやはり短時間なら仮の実体を
作り出せるようだなら早い何故魔王を倒せと
俺達に持ちかけたのかは分からないただ
「オマエのいう魔王はロゼ・ホムンクルス
彼の事を指すんじゃないか?そして魔王を
倒せっていうのはこの街の人達を呪いから
解き放てという事だ、でも一度も二人を倒せ
とは言わなかった、それは呪いを解き二人を
助ける方法があるからじゃないのか?」
モヤの中でリリスはうんと頷く
「オマエが考えたように呪い喰らいを使えば
殺さず魔王の呪いを解きこの街のを助ける事が
出来るだがロゼ・ホムンクルスを助けるには
あの珍妙な勇者の力がいるいざという時
魔王の死を望み見殺しにせぬとは限らない
それにまずヤツに近づき呪い喰らいを使うには
ヤツの力をオマエの中から解放し使いこなす
必要が出てくる己が心と向き合えるか?」
俺自身のヤツへの心分かったつもりだが
理解出来てすらない部分が有るだろう
それでも背負うと決めたそれで誰かを救えるなら
「かまわない、俺は自分自身から逃げない」
意識に微かにモヤがかかってゆく、
そして俺は自分奥底へ沈んでゆく
ばたりと地に倒れる、感覚そして
ゆっくりと目が閉じてゆく




