AIの専制
AIの専制
はじめに
先日書いた記事、くまなー そのに に登場した、熊も生きるのに必死なんだよ と発言した友人が来中し、青島ビールで乾杯をした。懲りずにクマの話をし、アルコールの入った勢いで 熊も生きるのに必死なんだ → からの、→ そもそも人間多すぎるんじゃね?的な?
自分たちも人間なくせに、人間に対して非常に失礼な短編のプロットが出来上がり、書けと言われたのでここに書くことにする。
但し、人間である皆様は 読んで 気分を害すると思うので、読まないでいただきたい。つまり、ここに書いて、ここに投稿するけど、誰も読まないであろう 孤高の短編である。我ながら、意味不明!
それでは はじまり、はじまり。
日本ではないどこぞの国の話である。高市さんの話ではないからね。
ある時、博士は首相に呼ばれた。呼ばれて首相の部屋のドアをこんこんたたき、無駄に重い扉を押す。
ギギギギギギ
オリンピックで鉄の球を投げているような人が開ければよろしいと思ってしまうぐらい、重い扉である。火事の時は逃げ遅れて死ぬに違いない。
「何か御用で?」
筋肉派ではない博士が扉を開き、閉じるのが面倒なので半開きのまま部屋にするりと入り、首相の座っている、これまた重そうなどっしりとしたデスクの前に立ち、徐にメガネを鼻の上のところでぐいとずり上げて声をかけた。
ところで、この首相、オンとオフがある。テレビカメラなんぞ向けたらシャキッとなるのだが、カメラがなければだらっとするし、相手によっては、ダラーっとする人である。そして、今は爪やすりで切ったばかりの爪の切断面をなめらかにするのに躍起になっていた。
実は、あまり知られてないが、首相は爪が命なのである!
首相、絶賛爪磨き中の状態で、博士に声をかける。
「くまとかさ」
「はい?」
「いや、だから、くまとかさ」
爪を磨きながら座ったまま、下から博士を上目づかいに見上げる首相。博士は生唾をごっくんとのむ。
「くまとか、くまとか、くまとか」
「はい、くまとカァー?」
幼稚園児か?首相。
「出てるじゃん」
「クマが出没する原因は分析中で」
「あ、いーの、そういうのは」
「いいといいますと?」
「しばらく車で通勤、通学すんの。落ち着くまで」
「あ……」
あの次は、い、なんて考えている暇はない。
「だから、ちゃちゃっと君んとこのAIにさ、どうすればいいか考えさせてよ」
「AIにですか」
「そ、今流行りのね」
半信半疑のまま博士が退出する。首相はまた爪磨きに邁進する。
博士は自室に戻り、開発中のAI 名付けて 魔法の鏡に尋ねてみる。
「鏡よ鏡、この世で一番美しいのはだあれ?」
「お前でないことだけは確かだ。早く用件を言え」
「クマが出て困ってるのだけどどうすればいいですか?」
「それはクマも困ってるのだ」
「それはわかるんだけど、解決方法を」
「わかった」
「え、わかったの?」
「わかった」
さすがAI、秒で回答が出たらしい。
「え、じゃ、教えて」
「とりあえず集められる国会議員を、とりあえず集めてこい」
AI、副詞 とりあえず を多用する。そんなことはどうでもいい。
「え、議員の先生を?」
「そうだ集めてこい」
よくわからないが議員会館へ出向き暇な議員を連れてくる。
「そこに並べろ」
「はい」
魔法の鏡の前に一列に椅子に座らして並べる。
「何が始まるんですか?」
「まぁまぁ」
まぁまぁですんだら警察はいらないのだが、まぁまぁ。
そして、その次の瞬間、鏡の中からふわさっと、何が出てきたと思います?わからない人いるのかしら?某宮崎大先生の代表作、な⚪︎し⚪︎の中には王蟲というダンゴムシのでっかいのがいて、彼奴等は視力はあまりなく、触手で様々なものの情報を取得し判断してる。
その触手が出てきて、一列に並んだ国会議員を撫で回す。
「いやん、くすぐったい。あっはっは」
椅子の上でくねくねする、残念な国会議員たち。アーメン。王蟲の触手は引っ込んでいった。その次の瞬間。
「しねえええええ」
「ぎやあああああ」
突然、鏡の中からレーザービームのようなものが発出され、真一文字に国会議員を真っ二つに切り裂いた!
もとい、切り裂きそうになり、みんなビビって横へ前へ後ろへすっ転んだ。
シャキイイイイイン
床にそれぞれ無様に転がっている国会議員をよそに、何かの兵器が音を立てて、とりあえず静止した。
シュウウうううううう
後ろの壁に真一文字の線が残されている。
「いや、いや、何?」
博士が腰を抜かしながら、我がAIに聞く。
「生きる価値のない屍めっ!」
「いや、どっから覚えたんだよ。その言葉」
学習させておりませんが。そんなことはどうでもいい。
結局薬局、AIの出した答えはこうである。熊をどうにかしろと言われた。熊が里におりてくるのは急激な気候変動のために山の中の餌が激減したからで、熊も必死なんだよ。しかし、気候変動の原因は人間にあるからして、人間減らせばいいんじゃね?みたいな。
「いや、いかんやろ。人を殺しちゃいかんやろ」
「全部殺すとはゆうてない。環境に優しい人間は残してやる。しねええええ」
「ぎゃあああああ」
この小説は死人を出したくないので、それでも、攻撃はかろうじて避けたことにしておこう。
それから、大胆に真ん中の話をカット!想像力の欠乏と時間の不足と、おそらくかなりどうでもいい話だし、尚且つ、人間は読むなと言っている以上、これは誰も読んでいないはずなので、カット!
世の中は、成獣となった動物にも参政権が与えられるようになった。
「⚪︎⚪︎、⚪︎⚪︎でございます。皆様の清き1票、清き1票をよろしくお願いします」
そして、人間がなかなか選挙で当選しなくなってきた。代わりにたとえば、くまとか猪が議席に座るのかというと、そうはいかない。彼らは言葉を話せないのだ。だから、どうなったかというと、
一方で動物と会話ができ、もう一方で言葉が話せる、AIが当選する確率が増えてきた。AIは人間ではなく動物の代弁者となった!
「それでは次は少子化対策についてですが」
「それはつまり、人間の子供を減らすための対策ですよね?」
「え、違います」
「でも、人間の居住地を減らし、交通利用を減らし、活動を減らすためには、人間に減ってもらわないと」
「そうだそうだ」
「つうか、子供はまだいい。老人がいらんやろ」
「そうだそうだ」
「死ねええええ」
「なんてこというんですか!」
議会は常に紛糾する。野党は堂々とこんな政策を掲げる。
人・間・削・減・計・画!
かろうじてボツになる。こんな法案が通ったら、どないすんねんって話である。しかし、掲げられるようになっただけでも、地球としては進歩している。
「いや!増えてんのは、くまやろ」
「ちゃう!」
「いや、鹿も増えてる!」
「違いないっ。あれは神様の御使だからな!」
「一番増えてるのは人間だ!」
「いや、ヒアリも増えてる!」
「人間を一割減らせ!」
「何言ってんじゃー」
議会は常に紛糾する。そんな中で、この紛糾する議会をとりもとうとする議員が現れる。
「そんな、いくら地球の環境が目一杯だとしても、一足飛びに死ねなんて法を無視して進むわけにはいきませんよ。我が国は法治国家ですよ?」
もう一度断っておきますが、ここは日本ではありません。空想上のどこかってことでお願いします。
「じゃ、どうしろっていうんだ」
「これで、どうでしょー」
「おおー」
新しい法案が提示された。なんだと思います?
国家冬眠法
「これなら、命を奪うわけではない。ただ、冬の間だけ人間には眠っててもらいましょー」
「おおー」
「反対、ハンターイ!」
この法案、出た当初はやはりとんでも法案として皆を唖然とさせたし、こんなもの通るわけないと皆が思った。
しかし、動物よりのAI議員に促されたどこぞの民間企業が、完璧安全な冬眠ボックスを開発し、尚且つどこぞの大学病院がコラボって冬眠前の栄養補給方法と、冬眠中眠りながら注入できる栄養液を開発したあたりから、風向きを異としてきたのである。
皆さんもね、想像してみてくださいよ。特に疲れた大人の皆さん。何も考えずに、生活の心配もせずに、ぐっすり眠れたら、幸せじゃありませんか?
それからである。優秀な動物寄りのAI議員は、某人気有名女優を登用して、国家予算からギャラを支払い、試験的冬眠を実施した。そして、女優が寝る前から起きるまでを一連のドキュメンタリとしてテレビやネットで大々的に発信した。
今日はいよいよその起きる日である。
ぷしゅうううううう
未来的な、なんかあの、カプセルみたいのが、開く様子を想像していただきたい。そこから、あの某人気有名女優が出てきた。国家予算から 寝ているだけの仕事で 大金をせしめた某人気有名女優である。
「ご気分はいかがですか?」
「うーん、そうねぇ」
たゆたい顔で、少しあくびをした後、近くの付き人にいう。
「ちょっと鏡持ってきて」
「はい」
スタタと付き人さる。すぐに鏡を見つけてタタタと戻る。
「どうぞ」
「うーん」
鏡を覗きながら、色々な顔を作ってみる。
「あら……」
「どうしました?」
近くのインタビュアーがすかさず、マイクを向ける。カメラ、さらにアップになる。
「なんだか、お肌の調子がいいみたい」
ちなみに種明かしをすると、もちろんこの瞬間に女優が起きたわけでなく前日に起きているのだ。しばらく流石に朦朧としていて、一日たっぷりとエステとマッサージに費やした挙句、コテコテに化粧はしなかったがうっすらと化粧してテレビの前に立っているのだ。これも、冬眠ボックスを開発したスポンサーの要望を入れている。
しかし、我が愛すべき視聴者の皆さんは、この発言にさらに心を掴まれた。特に疲れた大人がな。
も一回、言います。皆さん、生活の心配をするのからちょっと離れて、ぐっすり眠りたくありませんか?
冬眠するのは美容と健康にいいのではないかという都市伝説が生まれ、まことしやかにあちらこちらを直走るようになった。
そんな中で、地球の環境を守るために人間を冬眠させよう(そう、当初の目的を忘れてました。人間のためではなかったこの政策は)計画は次の段階に進み、希望者には冬眠中、最低限の生活費が補助金で出るようになった。また、冬眠に関わる経費も国庫負担である。
企業として排出する二酸化炭素やその他環境を汚染する因子を目標値に対して削減するか、あるいは社員を適当数、冬眠させること、という嘘のような本当の規約が新たに発効し、大企業からまず適用されていく。
困った企業は、ほとんど働かないけど、労働法上解雇できない社員に試しに
「寝るか?」
と言ってみた。給与は基本給は支払われる上、補助金が上乗せされる。寝てるだけで、金がもらえる。もともと自分は起きてても寝てるようなものだったし。しかしかといって、安請け合いしては、人間としてプライドがどうなのであろうか……
「寝るな?」
上司、確認する。
「……」
部下、俯く。上司、しばらくその様子を眺める。それからため息をつく。
「寝ないか。じゃあ、別の人に頼むか」
「いや、寝ます」
「いいのか?」
「はい、寝ます」
空前の少子化の上に、更に社員に寝られては困るんですけど、ただ、この社員の場合、寝ても起きてても会社の業務に支障はなかった。
徐々に、ひたひたと人間の冬眠がこの世に浸透し始める。やがて、本格的に一律で人間を眠らせるぞの段階へこの政策は進んでゆく。
しかしだな、もちろん冬眠にデメリットはある。クリスマスどうすんだよ。お正月は?スキーもできねえやん。冬季オリンピックどうすんだよ。ああだこうだ。
するとここで、AI大臣がしゃしゃりでる。いつの間にかちゃっかり大臣になっていた。
「皆さーん」
別にテレビに映ってるのに、なぜか遠くへ声をかけるAI大臣。
「ちゃんと歯を磨いていますかー?」
とっても関係ない話から話を始めるAI大臣。
「ところで、冬眠の件ですが、こほん」
ここでしばらく尺を取る。沈黙のAI大臣にややカメラ寄る、寄る、寄るーーーーー!
「最初はみんな一律に。でも信じてください。環境が少しマシになってきたら……」
どうなったと思います?
4年に一回、冬を交代交代で過ごせる権利を与えられた。国民が4分割されて交代交代で起きるということだ。
クーリースーマスキャロルがーなーがーれーる頃にはー
「え、ちょっとやだ。今年、うちの彼氏寝てるじゃん」
「いやん」
「じゃ、起きてるので間に合わすしかないな」
「あはん」
このために、冬眠彼氏 や 冬眠彼女 というものがこの世に生まれた。つまりは、本命の彼氏彼女が寝ている間、一緒に遊ぶ相手ということだ。
「俺が寝ていた間もいい子にしてたか?」
「もちろんよーん」
それが嘘ではないか、どうやって調べるのだ?彼氏よ。
こんなAIによる大胆な政策のおかげで、地球の温暖化は食い止められたという、嘘のような本当の話である。
ちなみに、4分の1しか起きていないとき、公共サービスはどうやって回していくのだろう?全てのポイントを解明しないまま、物語は終わってしまったぞよ!
ちなみに、青島ビールを飲んで思いついたプロットを、昨日、バドワイザー飲みながら原稿にしました。そして、朝、コーヒーを飲みながら修正。
目が覚めました。
3ヶ月も眠り続けるのは医学的に言って、多分 心身の健康に悪いと思いますので、くれぐれも真似しないように。また、多分、人間が一斉に一年の四分の一を眠ってしまえば地球環境にはいいと思うんだけど、闘病中の方とか眠れないし、会社の経営活動も壊滅的なダメージを受け、復興不可能となると思います。世界のGDPマイナス成長になるし、何より、GDPの統計する人も眠っちゃうわけだからね。
昨日との調整で少し遅く出勤しております。それではこれで、出勤いたします。
汪海妹
2025.10.30




