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異世界に召喚された俺たちですが、どうやら仲間を殺さないと帰れないようです   作者: 高野
【2章】坂口討伐への道

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【30話】新たな能力

「あぁー、よく寝た……」


俺は大きく伸びをした。


昨日はベッドに入った瞬間、意識を失うように眠ってしまったらしい。身体の疲れも、昨日に比べればかなりマシになっている。


「よし……行くか」


俺は荷物をまとめると、回収した宝石を持って依頼主の男性のもとへ向かった。


王国の広場に着くと、昨日の男性がこちらに気づき、駆け寄ってくる。


「おはようございます! 体調はもう大丈夫ですか?」


「ああ。ところで、これで合ってますよね?」


俺はそう言って、回収した宝石を取り出した。


すると、男性は目を輝かせながら宝石を受け取る。


「そう! これです! 本当にありがとうございます!」


男性は何度も頭を下げた。


その直後、目の前にウィンドウが表示される。


【ワテラキ王国での頼み事① 達成】

【報酬:称号「剣豪」】


「おっ……」


ようやく報酬を受け取れたようだ。


俺はさっそく、称号の詳細を確認する。


【称号:剣豪】

【効果:自動的に相手の攻撃を弾くことができる】


(自動で……?)


これは、かなり使えるんじゃないか?


攻撃を受ける前に、自動で弾いてくれるということだろうか。もしそうなら、今後の戦闘で大きな助けになるはずだ。


そもそも、称号というものが何なのかも気になる。


俺はウィンドウにある称号の項目を押してみた。すると、別の表示が現れる。


【称号レベル:1】

【レベルアップ:100000ゴールド】


「10万!?」


思わず声が出た。


称号にもレベルがあるのか。プレイヤーレベルという概念はないのに、称号には成長要素が用意されているらしい。


とはいえ、十万ゴールドはさすがに高すぎる。今はレベルアップを諦めるしかないだろう。


それにしても、この能力は強力だ。


実際に使ってみないと分からないが、相手の攻撃を自動で弾けるのなら、かなり有利に戦える。


もしかすると、坂口が持っているあの剣の攻撃だって防げるかもしれない。


「……試してみるか」


俺はさっそく、王国の外へ出ることにした。


称号の効果がどこまで通用するのか、自分の目で確かめておきたい。


しばらく歩いていると――。


ガサッ。


近くの草むらが揺れた。


「ん?」


次の瞬間、一匹のボアが飛び出してくる。


「お、ボアか……。ちょうどいい。早速試してみるとしよう」


相手としては申し分ない。


まあ、仮に称号が発動しなくても、俺には【不動】がある。多少攻撃を受けたところで、致命傷にはならないはずだ。


俺は両手を広げ、ボアの突進を待ち構える。


「ドントコーイ!」


俺の声に反応したかのように、ボアは勢いよく地面を蹴った。その巨体が、一直線に迫ってくる。


(さあ、どうなる……?)


ボアは速度を落とすことなく、俺の身体へと突っ込んでくる。


そして、接触する寸前――。


カキンッ!!


「……え?」


俺は何もしていない。


それなのに、ボアの身体が見えない壁にぶつかったかのように弾き飛ばされた。


地面を転がったボアは、慌てて起き上がると、そのまま森の奥へ逃げていった。


「おお! これが【剣豪】の能力か!」


思わず声が弾む。


本当に自動で攻撃を弾いてくれるらしい。


これなら、敵の攻撃をいちいち見極める必要もなくなる。


もちろん、どんな攻撃でも防げるとは限らない。だが、少なくとも普通の突進程度なら問題なさそうだ。


そして、俺は一つの可能性に気づく。


(剣による攻撃も対象になるんじゃないか……?)


もしそうなら、坂口の持つ【九命の剣】にも対抗できるかもしれない。


今まで、あの剣は俺にとって最大の脅威だった。


だが、この称号があれば状況は変わる。


「……決まったな」


俺は拳を天高く突き上げた。


「次の目的は坂口を殺す! これで決まりだ!」


時間の影響で、次回は15時に投稿することになりました。

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