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10 敗北感の水底

『ギーンゴーン』


チャイムがなり、モニターが映し出される。

皆の目線がモニターに注目する。

そんな中で伊藤が静かに立ち上がった。


「三日目」

「…」

「間違った数」

『ピコーン!」


きた。

視界の端で、鈴木が立ち上がり、麻琴も注目するのが映った。


『レ **コンテナの色が赤**あるいは**間違った数**が三つの参加者のみが三日目に参加とし、このルールが二日目にでた場合は、その時点で二日目は終了し、対象者は脱落する』

「なっ!」


海斗は絶句(ぜっく)した。

確認の為に振り返った自分のコンテナは白。

あまりにも早すぎる無情のチャイムが鳴り響き、赤以外のコンテナが黒く染め上がった。

コンテナの奥から鎖が海斗に向かってくる。

抵抗する間もなく体に絡みつき、引力のまま黒い空間へと放り込まれた。


 * * *


落下していく中、今更になって焦りが心を埋め尽くす。

どこで間違えた?

いや、もっと、あらかじめ、読めたはずだったのに、なぜ(おこた)った?

見下していた人たちよりも、自分が下だった可能性だってあるのに、なぜ?

何のために奥の手を大事においていたのか。意味が無いじゃないか。

これで、死ぬのか。


「いや…」


奥の手を思い出す。

ルールを見ていたときの違和感。

――脱落と敗北は同じ意味じゃない。

もしこの違和感が正しければ。


『ボチャン!』


いきなりの水中。

冷たい水が鼻の奥に入ってきて、一気に目が覚める。

焦っているはずなのに、思考回路は高速回転を始める。

重力をあてに水面を目指して手足を動かす。


「ぷはっ!」


水面で一気に息を吸う。

目の奥が痛い。

頭も痛い。

それ以上にどこかすっきりした気持ちになる。

周りを見渡すと、ほとんどは暗闇。

遠くに光が見える。

予想が正しければ、あそこまで行けば次のステージがあるだろう。

覚悟を決めて、光に向かって泳ぎ始めた。

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