アザミ
途中、破れて読めないページはたくさんあったけれど、
(読み取れた場所からの推測ではあるが、そこには彼女たちのかつての日常が書かれていた。)
これがノートに書かれていた最後の1ページ。
(この後にも続きはあったと思われる。ただし全て破れていたため、内容は確認できず。)
おかしいな。
確認、もう一度確認しよう。
やっぱりおかしいな。
なんで?
なんでこの肉塊からマミの髪かけが取れるんだ?
おかしいな。
どういうことだろう。
マミは連れて行かれたはずだからここにはいないはずなのに。
私が間違えてる?
そんなことはない。
今まで毎日のように触ってきた髪の毛だから。
そんな私が間違えるわけ、ない。
え?
じゃあ、これは?
これは一体?
わからない。
とにかく早く、綺麗にしてしまおう。
包丁を見つけた。でもおかしい。なんかこの包丁見覚えがある。使った感じがある。何に?
落ち着こう。一旦落ち着こう。
マミが連れて行かれた時を思い出そう。
私が書くのをやめたばっかりにマミが拷問されることになって
違う。
私を拷問するためにマミを移動させて
違う。そもそも誰がマミを連れて行った?
クルクマ?
違う。
ケイ?
違う。
アサイ?
違う。
名前も知らない奴?
違う。
じゃあマミは一人で出て行った?いやそんなことはない。それだとまるで裏切り者じゃないか。
でもそういえばケイは、マミのことをまるで裏切り者のように喋っていた。つまりマミがここにいないということは、マミが裏切り者だった?てこと?
いやおかしい。アサイからちゃんと言質はとった。マミは裏切り者じゃないと。否定したんだちゃんと。
だとしたらマミはずっとここに、いた?じゃああれは何?あの肉塊は、何?
マミのはずがない。
じゃあここにはマミはいない。
だとしたら裏切り者?
違う。アサイが否定した。
マミが裏切り者じゃないことを。
そう、マミが裏切り物じゃないこと、を?否定した?
あれ?
違う。違う。違う!
マミは裏切り者じゃない。裏切り者なんかじゃない。マミからしたらきっと、私が裏切り者に見えていたんだ。だって、私が、私が、私、が?
おかしいな。包丁が離れてくれない。手が開いてくれない。この包丁を持っていると、何か嫌な感触を思い出してしまいそうになる。嫌な感触。なんだっけ、それ。確か、ああ、ダメだ。手が震えてる。水?どこから?あの時私は、何をしていたっけ。ああ、嫌だな。ありえないはずの光景が頭に浮かんでくる。マミごめん。なんで私謝ってるんだろう。ごめん。なんで、なんで、なんで。ごめん。本当にごめん。なんで私は。
今、この包丁を突き立てれば、私は。
あはは。その前に、早く綺麗にしてあげよう。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい、ごめんなさい。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
マミ レン トキ アビー キキ エク
来ないで。近づかないで。ついてこないで。
綺麗にしたら私はすぐに地獄に行くから。
だからお願い。
私に触れないで。
裏切り者じゃないと考え、殺したことを思い出していく
自分
殺したことを受け入れられず、裏切り者だと決めつける
自分
次話は現実世界での内容。




