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処罰は行わなければならない  作者: クバラ サツキ
2/7

アスター

 私たちは家族。私、マミ、レン、トキ、アビー、キキ、エク、スーの八人姉妹。親も子もいなかった八人の、より深い絆で結ばれることを望んだ新しい関係。そしてその日、八人で誓いを立てた。共に生き、共に繋がり、共に助け合い、共に分かち合い、個々を尊重し、個々を守り、最後までみんなで一緒にいこう、と。

 そして私は長女。七人の妹を持つ姉として、何とかして三人を生きたまま国へ帰す。スーを一人にはさせない。

 アビー、キキ、エク。ごめんね。昨日までの私はどうかしてた。どうせ死ぬとしか考えてなかった。スーは今生きているのに。あなたたち三人が希望を託したスーが、待っているというのに。本当にごめん。そしてありがとう。私はもう大丈夫。大丈夫だから、見てて。必ず生きて、帰って、生き抜くから。もう絶望したりしない。希望を見続けるから。

 

<<拷問2日目>>

 昨日と同じ場所に連れてこられた。部屋の中を見ると、そこにはすでにトキがいた。昨日と同じ様相で。そしてかすかに声が聞こえた。「私は大丈夫。」と。大丈夫なわけがない。そんなのは見ればわかる。必ず助けるから。私はそう心に、強く誓った。


 私は三人が助かる方法を探るため、アサイと話すことにした。そしてそれを、アサイは了承した。

 まずはじめは昨日と同じ旨を。しかし結果同じだった。まだ信じてはもらえない。だから次は素直に聞いてみた。「情報を持たない私たちが助かるにはどうすればいいのか。」と。それに対してはただ一言。「情報を吐けばいい。」信じていないのだからこれが当然の返し。分かっていた一言ではあった。

 少し悩んだ末に、一度素直にお願いしてみようと思った。三人を助けてほしいと。無理なことは分かっている。けど、もしも、があるなら。そう思って。

 それが功を奏したのか、意外な返事が返ってきた。いや、最悪の返事だった。

 「お前たち四人の中に、裏切り者がいる。そいつを見つけ出せたのなら、残りの二人は解放しよう。その後は好きにするといい。」


 今になっても一言一句覚えている。忘れられない。頭にこびりついている。「嘘だっ!」そう叫びたい。私は妹たちを信じている。そんなことあるはずがない。だというのに、今、私の思考は光に群がる羽虫のように、ぐるぐると彷徨い続けている。そしてその中には、仲間を疑う羽虫がいる。それが考えれば考えるほどに増えていく。

 疑念はずっとあった。触らないようにしているだけで。その疑念が強くなったのは昨日。私たちが監視対象になっていたと聞いた時。組織がそんな前から情報を流していた?いやそれはない。一つ足がつけば、そこから伸びる手にも、連鎖的に足がつく。種は蒔けど芽吹きは任意に。組織内にある言葉だ。初めから芽吹かせては組織の中枢、根の部分まで追ってくださいと言っているようなもの。私たちの組織は種が自然に芽吹くようなへまはしない。囮は絶好のタイミングで使ってこそ意味がある。その点でいえば、私たちは信頼されていた。囮ではあったけど、逃げ切れるだけの算段はできたから。


 あの時、囮としては最高のタイミングで通達が来ていた。私たち以外は、もしかしたら私たちも、逃げきれていたかもしれない。なのに結果はあっけなく捕まるというもの。そして他にも私たちだけじゃなく、私たちの手の届く範囲にいた者たちが少数、捕まっていた。殺されていた。

 私たちの中の近くに、裏切り者がいる。その考えに至る情報は、十分に揃っていた。

 

 二日目の拷問が終わった。その間、私はずっと考えていた。裏切り者のことを。

 裏切り者は、おそらくいる。ただ家族のことは信頼している。妹たちの中に裏切り者なんているはずがない。だから疑う。いないことを証明するために。そう。アサイが本当のことを言っているとは限らない。これは私を貶めるための策略なのかもしれない。だから。

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