↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LAST HERO JAPAN  作者: 悟
夏希編
PR
8/18

第8現象 巻き込みアンチヒーロー

フミヤ:とあるアンチヒーローが檻を抜け出して鹿児島まで逃げてきた。


 何も聞いていない情報が飛んできた。アンチヒーローは悪人が悪人以上の悪い事をしたらアンチヒーロー(反英雄)にランクアップした呼び名。ダークヴェンダマイズもその1人だ。


伊月:抜け出したのはなんで名前のアンチヒーローなんですか?


フミヤ:あれ?組合の人なら知ってると思ってたんだけどな…。名前は「ハイヴ」スラングでミツバチの巣とも呼ばれている。


 

 そのアンチヒーローは聞いたことがある。正確にはテレビ番組でアンチヒーロー特集をしていた時、チラッと出てきた。


 ハイヴは元は建築関係の会社の代表取締役をしていた普通の一般人だったが、ある時を境にアンチヒーローの道に進んでしまった奴だ。


 奴の現象は…


 現象名:群星(ネスト)

 分類:生体型現象

 危険度:Ⅱ


 部下の数に応じて自身の身体性能が強化される。


 奴はアンチヒーローの道に進んでしまったのではなく、元からアンチヒーローになる為に会社を興して部下を集めていた姑息な野郎だよ。


 名前が蟻塚蓮司(ありづかれんじ)

 

フミヤ:なんでこんな所に呼んだかも分かるだろ?


伊月:まさか…


フミヤ:このイベントにハイヴの部下が紛れ込んでいる。それが何人紛れてるのか分からないけど…


 なぜ紛れていると分かるんだ?


フミヤ:奴等の組織には決定的な弱点があってな、項(うなじ)に六角形のハニカムが7個合体したような印がある。


 なるほど、組織を作るうえで一般人の区別をするのに印を使ったのか。だがそれが逆に弱点で一般人と紛れてもバレやすいってわけか。


フミヤ:だがな、首を隠してる者もいるから注意が必要だ。


伊月:でしたら、ここら一帯に警告を出せばいいのでは?一般人ならその場から逃げますよね?


 それだと一般人にさらに紛れ込んで逃げることができる。今、イベントで集まってるこの数よりも逃げる場所によっては分散して選択が多くなる。今はこの場所に留まらせる事が重要だ。


フミヤ:因みに、ハイヴの部下は忠誠心が高いあまり気づかれたら殺しに来る。それも陰湿で俺の場合はトイレの時に殺されそうになった。だから人間とは言え、ハイヴの部下だったら迷いなく殺せ。


 了解した。


伊月:でしたら、こちらも「非科学現象組合」の社員たちをイベントの中に紛れ込ませて起きます。


フミヤ:俺はここで奴らを探るから、お前らもイベントに参加したコスプレイヤーに紛れ込んでおけ。



 僕はイベントに来たコスプレイヤーに紛れ込む。できるだけでその人たちと行動して、こちらの居場所の特定をさせないようにする。


 伊月さんは社員を紛れ込まして、自身もイベントの買い食いをする一般人に紛れ込んだ。

 

 ただここで厄介な事に巻き込まれる。それは…


ラルニ:あれ?ナツキー!ラルニちゃんだよ♡


 なんでよりによって一番目立つラルニが、このイベントに来てるんだよ。いつものピンクピンクしい服を着ていて、他の人よりも明らかに目立つ格好をしている。


 本人の知名度的にもヒーローだって事は知られているだろうし、この状況で関わるのはやめよう。


ラルニ:もしかしてラルニちゃんを無視するの?


 なんでコイツは後ろに歩いてくるんだよ。仕方ない、LINEで状況を送るとしよう。大丈夫…ラルニはヒーローだ、ヒーローだったらこの状況をのみこんでくれるは…


ラルニ:アンチヒーローがいるの?!


 あぁ…終わった。

 すまん、フミヤと伊月さん。まずい状況になったかもしれない。


ラルニ:ラルニちゃんに任せてよ♡


 なんだ、方法でもあるのか?


ラルニ:こういうのは紛れ込むんじゃなくて、逆に目立つんだよ。



 そう言ったラルニはイベントのステージで自身の現象「視線」を使い、ゲリラライブをする。そこにいた人たちやイベント主催者はそれに注目するだろう。


 誰しも有名人が現れてゲリラライブしたら二度見してしまう。だが、ハイヴの部下だけは違う、どんなこと・どんな状況があっても振り向かない、使命を全うする。


 

 ラルニのゲリラライブに振り向かなかった奴らが複数人いた。恐らくラルニに興味がない人かハイヴの部下だ。あとは項の印を見たら分かる。


 とりあえずそいつらを伊月さんに写真で送る。伊月さんは社員たちをハイヴの部下であろう一般人の跡をつけるように指示する。



フミヤ:ただ厄介なのは…


 フミヤが来ていた。僕がたまたま木に寄りかかって休憩してるふりをしてる時、フミヤが反対側に寄りかかって話す。


フミヤ:ここにハイヴがいないことだけだ。


 部下だけ紛れ込ませて、本人は別の場所にいるのか?


フミヤ:遠くからここを見れる位置にいるだろうな。それに部下はどんどん補充されている。


 と言うと?


フミヤ:観光客に扮装している。


 部下だけ連れてきて、本人は別の所で安全に待機か…。自分では何もできないねちっこい奴だな。


フミヤ:あそこのラルニとかいう奴はナツキの知り合いか?だったら、あのまま注目を浴びさせてくれ…俺が扮装者を仕留めに回る。


 

 フミヤと別れたあと、群衆の中に紛れ込む。ここ全体を見れて状況を把握できる場所は限られてくる。


 ここはそんなに高いと呼べる建物がない。ならばできるだけで外からバレにくいように、窓のほんの隙間からコチラを見ているかもしれない。


 だけど、それを見つけるのは針の穴に低周波マッサージを手に付けながら糸を通すのと同じことだ。


 だがダークヴェンダマイズ同様に顔が割れてるから見たらすぐに分かる筈だが、いったいどこに。


 

伊月:こちら伊月。ナツキさん、状況が変わりました。ここのイベント全体がハイヴの囮に過ぎませんでした。


 最悪のことは考えていた。この状況を遠くから見ていたなら、この隙に移動することもできるだろう。


伊月:ハイヴ本人と思われる人物と部下多数が天文館付近で暴動を起こしています。


 「現象危険度Ⅲ認定・天文館全域・現象災害警告発令」


 奴にとってはこの警告も予定に入ってるのだろう。このイベントにヒーローを集中させておいて、現場に行くのを遅らせる罠だった。


 

 天文館にて


ハイヴ:さぁ…君達も、僕の理想像の世界のため…死んでくれ。


 ハイヴは部下を連れて、道路を占拠して交通網を閉ざす。警察の出動があったが、ハイヴは脳天を撃たれても平気だった。


ハイヴ:貴様らの攻撃など、僕には効かない。この…無数の部下がいる限りは無敵なのだからな!



 僕は伊月さんの参道で天文館に転移。念のためましろを電話で起こそうとしたけど、起きてくれない。今天文館にいるヒーローは僕だけ、フミヤは自身では戦えない現象だからここには向かえない。


 ハイヴの部下は黒スーツ黒サングラス。イベントと違って見た目が分かりやすい。だが逆に言えば、この中にハイヴも紛れ込んでいる。いくら顔が割れているとはいえ、大衆に同じ様にスーツとサングラスを付ければ、僕でも分からない。


 手っ取り早く部下たちから殺していこうかと思ったが、本人がわざわざ目の前に来てくれた。


ハイヴ:お前が、今のヒーローだな?ダークが敗北したって聞いたから知っている。あいつの観測は個人なら最弱、僕と一緒に組んでいたらよかったものを…


 わざわざ組織のボスが登場して、檻にでも戻りたくなったのか?まぁ…少なくともそうは見えないが。


ハイヴ:お前では僕を殺せない


 戯言を、それは弱いやつが言うセリフだ。僕はハイヴを「風鈴の籠」で囲み、強制的に一対一の状況を作る。

 

ハイヴ:こんな壁など、僕の身体性能で飛び越えれる。


 「風鈴の籠」の弱点は上下に壁がないこと。それをいち早く見抜かれてしまい、飛び越えられた。なら、普通に殴るまでだ。


 僕はハイヴの胸を貫いた。思ったよりも柔らかく身体強化してるとは思えない、あっさりとした決着の筈だった。


ハイヴ:うん…、この程度では僕を殺すなんて大事は嘘になるのかな?


 胸を貫かれたはずなのに、その胸は治っている。


 その時一通の連絡が入る。


フミヤ:ハイヴの現象は続きがあって、身体強化+部下を自身の致命的ダメージを肩代わりしてもらうことができる。


 ここに部下が大量にいるのはそういうことか。僕がいくらハイヴを殺しても、コイツは死なずに部下がかわりに死ぬ。無限ではないがストックがここまで多いと持久戦になりそうだ。


ハイヴ:さぁ…僕の民衆共、動き出せ!


 ハイヴは大量の部下を僕に向かうように指示を出した。ここで「風喰」をしたら余裕なのだが、ここは観光客が多い天文館、こんな所で「風喰」をしてしまえば一般人を巻き込んでしまう。


 一般人を巻き込んでまで、ヒーローに勝とうとしてるのがマジで嫌らしい。


ハイヴ:ヒーローってのは市民に手を出せないんだろ?だったら利用するしかないだろ、アホか?


 一体一体倒そうものなら、時間もかかるしハイヴ本人の攻撃も受けてしまうだろう。


伊月:私含めて11人、「非科学現象組合」の社員を連れてきました。


 ナイスタイミング伊月さん。敵の数は恐らく1,000を超えている。現象者が僕を含めて12人いるならなんとかなりそうだな。


ハイヴ:余裕だな、ヒーロー共。


 ハイヴは「非科学現象組合」の社員をいとも簡単に蹴り飛ばす。動かせる前に攻撃をした、その速さ…尋常じゃない。部下が1,000を超えたらここまで身体性能に影響が出るのか。


 この状況、この現象能力。コイツはねちっこいがアンチヒーローと呼ばれるのも納得がいく。計算し尽くされている…そう感じた。

そしたらまた一通のメッセージがきた。


フミヤ:ハイヴは確かに部下がいれば無敵だが、部下を減らせばストックもなくなる。つまり、1,000を超える部下を全員殺さないと奴は死なない。


 ストックも無くなるし、身体性能も落ちるってことか。技に制限がかけられてるのが難点だが、一般人に被害が出ないために早くやらないとな。


 伊月さんが急いで最寄りのアミュプラザまでの鳥居を展開して、一般人を逃がす。その間に襲ってくるハイヴの部下を僕らで止める。だが、人手が全く足りない。


 いくら伊月さんが連れてきた「非科学現象組合」の社員が10人いても相手は1,000人、街中じゃ、技も使えない…



フミヤ:よぅ、ナツキ


 来るの遅いぞ、何してたんだよ。


フミヤ:こっちも「コレ」のメンテナンスがあるから忙しいんだ。


 またその人形か、そろそろ業者に頼んだらどうなんだ?


フミヤ:他の人にメンテされると、余計なパーツや欠陥が出てくるから嫌なんだよ。



 そこに現れたのはフミヤ本人ではなく、灰色を基調として、鎧をまとい、どこかのファンタジーな剣士(ソードマン)。


 その剣士より一回り体格が良く、耐久力もあり大盾を構えて攻撃を防ぐ盾兵(シールダー)。


 遠くから狙いを定めて、確実に相手を仕留める。音も超越して、あらゆる暗殺も可能とするスナイパー。


 これらはフミヤの現象である。


 現象名:操糸(パペッティア)

 分類:法則型現象

 危険度:Ⅰ


 現象者の出す糸で物を動かすことができる。それは物体ならなんでも可能。

※生物を操ることはできない。


 フミヤはこの人形に糸を通して動かしてる状態。遠くから人形を動かすことができるのは「神視点」と言うのがある。


 ゲームとかで三人称ってのがあるらしい。この人形が場に出た時、フミヤは意識を失い、その人形の三人称視点へと移行される。


 今のところ剣士(ソードマン)が3体、盾兵(シールダー)が2体、スナイパーが1体。


 これら全部をフミヤが操作してるわけではない。1体操作しながら命令を出すことができる。他の人形はそれに従って行動して、命令を完了すると自動防御モードに入る。


 

 盾兵がハイヴの部下に向かって突進。その大盾で一般人側からハイヴ側に押し出していく。盾兵の後ろから剣士が斬っていく。


 人形とはいえ、動きもそこらのヒーローより動けている。これは人形の可動域を人間以上にした結果であり、フミヤが業者に頼まず自分でメンテナンスしたからである。


 さっきまでハイヴの部下に押されていたが一気に形勢逆転。盾兵が攻撃を防いで一般人から遠ざけさせて、敵を一点に集める。


 盾兵が遠ざけ損ねた敵を盾兵の後ろから剣士が斬り、3体の連携で確実に仕留めていく。



ハイヴ:どこの誰か知らんが、1,000人以上いるこの場で一瞬動きが制限されるだけだ。このくらい何にも影響ない。


フミヤ:そう言ってられるのも今のうちかもね。


 

 フミヤが現地に到着した。


 フミヤ、もう来てよかったのか。まだスナイパー人形使ってないが。


フミヤ:スナイパーはハイヴの部下が1人もいなくなった時の保険として残してある。


ハイヴ:何をごちゃごちゃと話してるんだね。打開策でも見つかったのかな?


 フミヤが現地に来るってことは「アレ」をするってこと。

 

 

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。