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LAST HERO JAPAN  作者: 悟
夏希編
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12/18

第12現象 現象体力測定

 1つ目は、これも巨大タコ関連だな。視線誘導を逆手に取って、街への被害と水上で戦う味方のサポートをしていたのか。


 2つ目はハイヴ戦。これも視線誘導でイベントにいた市民の視線を誘導。そのままイベントを盛り上げて終わりを迎える。


 3つ目は厨二病鎧男と現象決闘戦(フェノム・デュエル)で勝負した。持ち前の「ラブリー・ビート」をドローンの配信で視線を集めて出力を上げていくが、厨二病鎧男の浮遊で効果なし。


 かといって空中に波状攻撃を仕掛けてもすぐに視線を閉ざされて出力ダウン。視線をドローンだけにしていたのが敗因というわけか。


 4つ目は配信か。若いものはこういうネットで活動することが多くなったからな。大した活動をしていなくてもヒーローというだけで名が売れていくいい時代になったものだ。


 5つ目は…ヒーローになる前のことか。元々アイドルとして活動していたんだな。それで当時有名だったヒーローに憧れを抱いたと…


 汚れた内容がないことに残念でしかないが、ヒーローを全うしているいい奴だな。



 んで…次にシャイボーイか


ましろ:もしかして…ボクの事?


 1つ目は…


ましろ:ボクはいいから!!


 そうか?嫌なら止めるが。



 夏希視点に戻る

 それで、僕らの過去を暴露するだけの為に来たわけじゃないだろ?


九条:ダークヴェンダマイズやハイヴのアンチヒーローについての手掛かりを探している。


 確かにどれも最近の出来事だ。それまでは事件なんて起こったりすることが無い平和な県だったんだけどな。ダークヴェンダマイズをキッカケにどんどん事件が起こっていく。


九条:平和だから一番狙われやすいのだろうな。


 鹿児島は比較的平和だ。50年くらい前までは海外の人が観光に訪れては日本に被害を出すことが多かった。「有名T◯kTokerだからさぁ…」見たいな感じで何でもしていいってわけないだろ。


 今そんなことしたら強制帰国又は悪人認定で捕縛されるのがオチだ。


九条:まだ日本は甘いからいいけど、海外になれば刑が重たい。


 そうだ。海外はほぼ無法地帯が多い。そのせいで警察もお手上げ状態。だから海外の「非科学現象組合」はイタズラをしていた人を見かければ、即悪人認定して捕縛or射殺する。そう考えれば日本は安全だな。


九条:だが日本人の中にも、被害者ぶる輩も一定多数いるから安全とは程遠い。


 そこが難しいんだよな。


九条:だから俺が鹿児島に派遣された。アンチヒーローの調査と共に街の調査もするつもりだ。


 助かるよ、鹿児島の人は根が優しい人たちばかりだから、そんな事する人達は少ないだろうけど。


 そう言って九条朔は去っていった。



ましろ:海外だとやっぱり危険なの?


フミヤ:当たり屋とかいたら速攻ヒーローが当たり屋を吹っ飛ばすらしい。生死は問わないとか。


伊月:それに関してはヒーローは警察以上に需要があります。


 アンチヒーローになってくると生きたままの捕縛なのがよく分からない。ハイヴとかの洗脳系の現象は殺さないと被害が出るばかりだ。


 罪を犯して改心したとかいう人が居ても誰も信用はしない。罪という名の汚名は改心しても汚れは落ちないからな。また、罪を犯す危険性がある異分子だからちょっとの事件があったら、2度目だったら射殺される。


フミヤ:国公認だから仕方ないよ。


ましろ:ボクらも、そんな人たちと会ったらしないといけないの?


 最終的には殺らないといけないけど、したくなかったら僕やフミヤに言うといい。


伊月:経験があるんですか?


フミヤ:ヒーロー活動2年目の時に一回あった。


 思い出すだけで気分が悪くなる。



 あれは僕がヒーロー活動2年目の頃、フミヤと2人でラパンでドライブ似行っていた時に起こったこと。


フミヤ:道端で倒れている人が居たから助けようと2人で降りたら…


 後ろから来た人に車を奪われて逃走される。勿論倒れてる奴は演技で、奪った奴のグルだった事から悪人認定した。


ましろ:それで?


 「非科学現象組合」から連絡が届いて、コイツらは常習犯だということが分かった。1度目だったら捕縛ですんだけど、常習犯だから殺ることにした。


フミヤ:僕は車を盗んだやつを追いかけ、夏希は倒れたフリのやつを始末することになる。


 僕は怒りというよりも、悲しみが大きかった。こんな事をするのが惨めすぎて地元民として恥ずかしいと感じたから、楽には殺させないと思って浮遊で空に向けて飛ばした。


 そこから自由落下で地面スレスレまで落として、地面に触れそうなところで浮遊させる。この工程を繰り返して体の内部から破壊していき、助けを請われた時に風で首チョンパ。


フミヤ:残虐に思われるかもしれないが、こういう奴は生きることは許されないから当然なんだ。


 それで殺したらとある医者に持っていく。


ましろ:医者?


 この鹿児島には裏で有名なヒーロー医師が存在する。そこに持っていって提供するってわけだ。


フミヤ:その医師は腕は確かなんだが、悪人には容赦なくてな。提供した悪人を実験に使って有効活用してるらしい。


伊月:「非科学現象組合」に捕まるのでは?


 それが捕まらないんだな。2度目の悪人には生死問わないから人権も存在しない。表では普通に生活できてるんだけど、裏では人間の籍を外されて射殺対象にされているから見つけ次第警察やヒーローが殺っていいことになっている。


 だから実験されようがキメラにされようが、そいつに人権や憲法が無いから捕まらない。


フミヤ:ヒーローだから市民を傷つけたりしないっていうアニメ見たいな考え方を持つ奴がいるからな。


 僕たちヒーローは、あくまでアンチヒーローや悪人の処理をすることであって人助けは二の次。


フミヤ:まぁ、そんなとこだ。今言ったことは気にしなくていい。



ラルニ:気分転換にラルニちゃんの企画しない?


ましろ:企画?


ラルニ:今みんながメディアで有名になってきているから〜、多くの人に知ってもらえるいい機会だとおもうんだよねー。


 どっちにしろ僕らは地元さえ守れればどっちでもいいがな。


伊月:ですが他方のヒーローと連携をする上で、現象の能力をある程度知っていたら現場の選定もしやすそうですね。


フミヤ:それじゃ…現象ありでの何かってやつか?


ラルニ:ヒーロー体力測定!!


 体力測定か、学生以来だな。それなら種目で現象を使って僕らの能力を知ってくれるいい機会になる。


フミヤ:現象ありなら、種目も並じゃないのでは?


 ラルニが手渡した紙にはこう書いてあった。



 500m走…障害物(壁や瓦礫や水場)を避けたり壊しながら進む。


 圧力測定…特殊測定機に圧力をかける。握力測定の現象バージョン。


 長距離跳躍…ジャンプしてどこまで跳べるか競い合う。


 超重量投擲…かなり重いボールを遠くまで飛ばす。


 サバイバルラン…いわゆるシャトルラン。


 高速回避跳び…センサーやレーザーを避けまくる。


ラルニ:当日は安全のためにお医者さんを呼ぶから安心してね♡



 当日…


 僕らは広場に来た。街中だと被害が出かねないから少し山の広場に来た。送り迎えは勿論フミヤの「ARK」で向かった。


ましろ:ん…、まだ眠いよ。


 今の時間は午前7時、今から体力測定をする。朝ご飯は食べていない。


???:お前らクズの為に俺も出勤してるんだから文句言うなよ。


 あぁ…もしかしてラルニが呼んだ医者って「神崎」のことか。


ラルニ:神崎さんってヒーローのお医者さんなんだって、スゴーイよね♡


神崎:俺様の時間を割いてるんだから、きっと良いものを見せてくれるんだろうな。



 コイツの名前は神崎仁(かんざきじん)

ヒーロー名はペインキラー、いつもは街の医者をしているが休診してヒーロー活動もしている。


 現象名:疼痛管理(ペインマネジメント)

 分類:生体型現象

 危険度:Ⅱ


 痛覚および生体反応へ干渉する


 コイツの特徴として回復系の現象じゃないということ。ゲームとかであるポーションやヒールとは違い、傷を治すんじゃなくて痛みを消すだけ。


 だから僕とフミヤはコイツの事をヤブ医者と言っている。


神崎:誰がヤブ医者だこら…、怪我を治すなんて神じゃねぇんだから。


 神崎仁は見た目ひ弱な医者だが、現場では前線に出る武闘派の医者だ。ゲームではヒーラーが前線に出るのはタブーとなっている行動だが、コイツの場合は味方の痛みを無くすから治しながら戦える。


 自身を強化する過負荷投与(オーバードーズ)を使用して短時間の間、痛み・疲労・恐怖を抑制する。


 医者がオーバードーズって少しヤバいけどコイツならやりかねん。ヒーローに法があるならコイツを早く捕まえてくれ。



ラルニ:最初は500m走からね♡


ましろ:いいとこ見せてやるぞ!


伊月:私の場合は現象が使えない競技ばかりですね。素の体力勝負になりそうです。


フミヤ:未来視できないけど、どうなるか大体分かる気がする。


神崎:そんじゃ…、クズどもサッサと位置につけ!


 僕ら(夏希・ましろ・伊月・フミヤ)は位置につく。ラルニは一人一人にドローンを付けて録音を開始する。



ラルニ:位置について…よぉーい、ドン♡


 ラルニの合図とともに僕は浮遊で障害物を無効化していく。壁も飛びながら殴って壊していく。


 フミヤはパラディンの背に乗り進んでいく。パラディンが巨体すぎて障害物をすべて踏んでいく。壁も豆腐のように砕けていく。


フミヤ:現象を使うと途端に暇になる。


 伊月さんは素の運動力が高いのでスイスイ進んでいく。壁があれば破壊せずに、軽々登って進み瓦礫や水場があれば勢いでジャンプしていく。


 ましろは…お察しの通り開始100m時点で見なくなった。最初は勢いよく走っている姿を見たけど段々スピードが落ちていって、僕とフミヤが同着でゴールする中、まだ300m地点にいた。


 ヘトヘトになったましろを待つこと数分後、やっとゴールした。


ましろ:うへぇ…、もう動けない。


 最初のやる気はどこに行ったのやら。


 結果はこんな感じ


 1位夏希・フミヤ(10秒)

 3位伊月(33秒)

 4位ましろ(4分26秒)


 500m10秒は秒速50mで速さは180kmになり、新幹線やf1カーと同じ速さになる。


 

 次は圧力測定だ。特殊測定機にパワーをぶつける…パンチングマシンの様な物に近い。それぞれ3回行い、いい方を選ぶ方式となっている。


ましろ:これなら…いい結果出せると思うよ。


 ましろが何やらやる気満々である。さっきまで500m走で疲れていた人間とは思えないほど活き活きしていた。


 パンチングマシンでは「kgf(キログラムフォース)」と呼ばれる物理の単位を使用しているが、ここでは「kgp(キログラムフェノム)」という独自の単位になっている。


 この「kgp」に一般人が圧力をかけても0と表記される。これは非現象者に起こることで、現象者ならどんな能力でも1以上に該当する。


 例え、非現象者がボクシングの世界チャンピオンでも、野生を生きた猛獣の牙や突進であろうと「0」になる。


 現象者が「1」という最低数を出したとしても非現象者の猛獣よりも強いかと言われるとそうでもないのが難しいところだ。


 

 ただ言えるのが、100kgpは非現象者の300kgfは同じくらい。プロのボクサーがパンチングマシンをした300から400kgfと言われているので、現象者で最低限の力を持っていると保証される。


 まぁ、戦闘系のヒーローだったら最低100kgpは欲しいところ。そうでないヒーローでも70はあったほうが良い。


 

 自信満々なましろは先ず、一発測定機に拳をぶつける。現象者なら現象を使わなくても数値は出る。


 ましろの1回目の記録は「42kgp」


ましろ:普通に殴ればこんなもんか。


 例として、ラルニの記録は「110kgp」

      神崎の記録は「175kgp」

     

 普通に殴れば華奢なましろだったら出たほうだろう。



 次にフミヤが1回目をする。ましろが1回目を普通に殴ったので、フミヤ・伊月さん・僕も1回目は現象を使わないことにした。


 フミヤは普段人形を使って、自身は動くことがないから引きこもりだと勘違いされがちだが、巨大タコのフェラム戦でも見せたが、常人以上の精神力と判断力を持つ。


 フミヤの1回目は「87kgp」


 現象を使わず70超えは、現象を使ったら100超えるのが確定している。


神崎:服のせいで痩せてるように見えるが、スポーツマンよりも体脂肪率が低く、筋肉質である。


ラルニ:よくそんな事知ってるね♡


神崎:俺様の診療所の客だから、患者の容態くらい覚えているさ。



 次は伊月さんの1回目だが、伊月さんは500m走でも見せたが自身の身体能力のみで走っていたことから、今回もそうだろう。


 伊月さんの現象が戦闘系とサポート系の間の位置にあるのと、自身を強化する現象じゃないので本人の力量次第になるが…


 伊月さんの記録はなんと「140kgp」


伊月以外の全員:え…。


 現象者とはいえ、普通のパンチで100超えしてくるとは思わなかった。


神崎:俺様も加減して175kgpだったけど、普通の体の何処にそんな力が…


フミヤ:ゴリラやん(小言)


 僕の記録はササッと「110kgp」


 さてと…問題はここから。

 2回目は現象を使ってでの50%の力でパンチして記録する。


 この後…化け物が生まれることは誰も知らない。

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