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LAST HERO JAPAN  作者: 悟
夏希編
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11/18

第11現象 直属の探偵

 フミヤのブルーワークのお陰で4層になった。触手は相変わらず挑発しているラルニに飛んでいくが、僕とましろが回避させる。


 カンカンに怒った巨大タコは次の水流を発動させる。先ほどブルーワークの衝撃で1層破壊されたことで、貯めていた水流が残っていた。


 フミヤと伊月さんはまだ…上にいる。止めれるのは僕しかいない。


 僕は「風喰」で水流に耐えようとする。だが…巨大タコは水流を出しながら衝撃で攻撃しようとしてくる。「風喰」は竜巻のような物だが、風喰の右回転を水流を左回転にすることで止めに来た。


 「風喰」が止められた直後フミヤのプテラが間に合った。


フミヤ:ナツキ、よく耐えた。伊月さん!


伊月:分かってる!


 「風喰」が切れた直後の水流を伊月さんがまた跳ね返す。だが鳥居にヒビが入っていて、何度も使えそうではなかった。もってあと数回が限度だった。


ラルニ:ラルニちゃんの特大波状いけるよ〜。


 ラルニは視線で貯めに貯めた力を波状の出力にすべて注ぎ込む。タコが察知してラルニを攻撃しようとするが…


ラルニ:これも…ラルニは読んでたよ♡


 ラルニの乗っていたプテラの羽にスピーカーが埋め込まれて波状で速さを増して触手を避け始めた。波状の響かせる力で推進力を生んだのだ。


ラルニ:これが現象界最強かわいいヒーロー、ラルニちゃんの「超ラブリー・ビート」だよ♡


 ラルニの放つ「ラブリー・ビート」はビームの様な音波を放ち、タコの動きを鈍らせると共に1層破壊する。


 先ほどの「風喰」後の水流反射とラルニの「ラブリー・ビート」で1層づつ壊れたので、あと2層になった。


 

フミヤ:ナツキ!ましろ!


 そう呼ばれた時、空でグランドオーダーをしていたフミヤ。僕とましろはその場所に飛んでいく。


フミヤ:グランドオーダー…「パラディン」


 パラディンはハイヴ戦で少しだけ登場した下半身が馬の形をした突撃特化重装騎士人形である。剣士×3と盾兵×2の構成で、剣士の剣を束ねて大きな槍を形成している。


 僕とましろはパラディンの背に乗る。ましろが乗っていたプテラが馬の部分にくっつくことにより、落下から滑空に切り替わる。


 フミヤはパラディンを操縦する。自動操縦よりも精度がぐんと上がるからだ。だがフミヤ自身もプテラの上に乗り、不安定な状態で操作する。


 伊月さんがフミヤの体をプテラに固定させるよう立ち回る。フミヤはパラディンに全神経を尖らせて巨体のパラディンを触手に邪魔されることなく水晶の目の前まで到達。


 パラディンの槍が水晶に突き刺さると1層砕け散る。僕とましろはその槍に乗る。パラディンはそのままの勢いで水晶に突き刺し、僕とましろが水晶に向かって殴りかかる。


 ましろは連打で、僕は風の力で拳に纏わせ2人で最後の層を殴り合う。パラディンの追加の押しで層が敗れそうになった時、ましろと僕は構える。


 層が割れた途端、ましろと僕は水晶に向かって一点集中でタコごと貫く。


ましろ:いっけー!!


フミヤ:2人とも…そのまま貫け!


 

 巨大タコの核を通り抜けるまで貫いた僕ら。巨大タコは核を潰されたことにより爆散、街への被害も最小限に抑えてフェラム初戦を乗り切った。


 爆散したあとは「非科学現象組合」の社員がタコの一部を回収した。このフェラムが人工的に発生したものであれば、厄介だからだ。


 その後僕らはフミヤの「ARK」で帰る。今の僕らは体力がない。あの一戦の後だと、一対一でましろに100%負けると確信するくらい疲れていた。


 家に着くと荷物をまとめる為、「ARK」を解体して騎士人形にするフミヤ。本人は横に寝ながら自動操縦で家の中に運ばれる。僕とましろは部屋に、ラルニと伊月さんは仮部屋のベッドに。


 今日は何もできる気がしない。久しぶりの大きな戦いだった。ダークヴェンダマイズ戦やハイヴ戦と違う体力の消耗、今動けるのはフミヤの人形だけ。


 騎士人形は小回りがいいから料理も洗濯もお風呂掃除もできる。当の本人も1体だけ操縦(放置)しとけば勝手に動いてくれるから



伊月:皆さんに言わないといけないことがあります。


ましろ:こんな時に何?


伊月:「非科学現象組合」直属の探偵ヒーローが明日この事務所に来ます。


 聞いたことある、どんな事件もそいつの前では無力だと。どんなにすごい罠や仕掛けを施してもどんなに頭がいい方法でも、逃げることができないと言われる探偵。 


 確か現象は「コマ送り(ストーリーボード)」

 分類は法則型現象

 危険度はⅠだったはず。


フミヤ:事件解決率ほぼ100%って言われてる人だろ?


 現象の内容は対象の行動履歴を5コマにして逆再生できる。


 この中に犯人がいる!っていう探偵系のアニメやドラマがあるだろう。こいつがいればとりあえず全員触れて確認するだけで、犯人が分かって事件解決っていう探偵ではチート級の能力。


ましろ:でも探偵が来るような悪いことしてないよね?


伊月:最近、鹿児島の方でアンチヒーローや先ほどのフェラム事件があったので、この先も何かが起こりうるとして話し合いに来るそうです。


 大方…僕らが怪しまれてるだろうな。つっても、そいつの現象を使ったとて僕らが白なのは潔白してる。


 5コマ戻るって言うけど現場での話、事件が起こった後に発動しないと、事件が起こってからそれこそ一日とか経てばコマ送り制限で使えないからね。時間が経った後は断片的でしか情報を得れないと言われている。


 とりま動けないからフミヤ、後頼んだ。


ましろ:お風呂連れて行って…


ラルニ:メイクしたいから2階にお願い♡


伊月:報告書提出するので2体ほどお借りいたします。


フミヤ:好きにしてくれ…


 

 夜

 体力が戻ってきたのでパトロールをすることになった。付き添いでフミヤがついていくことに。


 しかし…最近事件が多いよな。5年間ヒーロー活動やってきて、ここまで大変な月日は中々なかったよ。


フミヤ:鹿児島だけじゃなく、他の県もそんなもんらしいよ。


 でもさ、鹿児島のヒーローって僕ら以外いなくね?巨大タコのフェラム事件の時もさ、与次郎付近に誰もヒーローいないし。


フミヤ:現象者だけどヒーローにならない人って実は…多いんだよね。


 んまぁ、そうだね。

 現象発現しても使える現象と使えない現象ってあるもんね。それに誰しもが現象を持ってるわけじゃなくて、変異で発現するってとこもヒーローがいない理由になるのかな。


フミヤ:あと単純に稼ぎが安定しないからだと思う。


 ヒーロー組合とか組織、事務所なんかが都会と違ってあまり無いのがデカいかもね。せっかくヒーローになっても1ヶ月、2ヶ月とかで辞める人が多いってのが現状。


フミヤ:「非科学現象組合」もヒーローとしての活動を認めるだけであって、その後のヒーローを育てるってのは無いからね。


 あとは18歳以上で高校卒業した人しかヒーロー登録できないってとこがネックになってくる。僕からしたら高校生入学からヒーロー登録したほうが、若い人も増えるしヒーロー数も増えると思うんだよね。


フミヤ:年齢の引き下げは良くも悪くも、ヒーロー全体の評判を大きく変えるからね。


 それは大人でもそうだよ。ノリでヒーロー登録してすぐ辞めてしまう輩が多い。そんでヒーロー活動もしないで登録解除された後でも現象を無断で使うから「非科学現象組合」に捕まるって人もいるから。



フミヤ:この仕事をやってきて良さそうな人材はいた?


 うん、一人いたよ。まだ中学1年生なんだけど自分の現象と向き合って生きてる強い子がいる。


フミヤ:名前は?


 雨宮奏(あまみやかなで)。少し前に「非科学現象組合」の依頼で現象発現者の現象に慣れるための保護をしていたんだ。その時に出会ったのが彼だ。


 あの時は僕の「風鈴の籠」を使用した道具で彼の現象:反響(レゾナンス)を抑えていたけど、自転車の補助輪を外す様に僕の道具を外しても普通に話せるようになってた。


 今は「非科学現象組合」の保護下にあるとはいえ普通の生活をしていると聞いている。それに、彼は僕のチーム「LAST HERO JAPAN」に入りたいと行ってくれた。


フミヤ:こっちも人手が足りないからありがたい話だな。


 うん、その時まで待とう。


 僕らはパトロールを終えて家に帰る。今日も平和で何もなかった。

 


 次の日

 僕らは事務所のリビングに集め出されていた。内容は「非科学現象組合」の直属探偵ヒーローが家にやってくるからだ。


ましろ:どんな人なんだろう。


ラルニ:ラルニちゃんは実際に会った事あるけど〜、いい人そうだったよ♡


伊月:来ますよ。


 玄関から現れたのは僕よりも大きい男だった。彼の名前は九条朔(くじょうさく)。自身の現象:コマ送りを駆使して数々の事件を解決してきたプロフェッショナルだ。


九条:ふむ、鎧男に男の娘、アイドルに人形使いと伊月か。劇団でもするのか?


 テレビで見るよりも迫力が伝わってくる。テレビで見る姿と今の姿を比較すると、今の姿はテレビに露出しないような悪人を見る目と等しかった。


九条:別にお前らを捕まえに来たんじゃない。最近鹿児島の方でアンチヒーローが多発してるのが気になったんだ。


 それはそう、本来アンチヒーローもとい反英雄は「非科学現象組合」の特殊監獄に収監されてるはずだが、本部でもない辺境の鹿児島に出現するのはおかしい。


 ダークヴェンダマイズも17年前に本部に収監されたきり情報がなかったのに、いきなり鹿児島に現れた。なぜそこにダークヴェンダマイズを乗せた輸送バスがいたのか未だに不明だ。


九条:お前らの記憶を少し辿らせてもらうぞ。


 そう言って僕の頭から触り始めた。



 九条視点に入る

 直近で起こった事を5コマ、5エピソードにして開示する。


 1つ目はフェラム事件。鹿児島の与次郎付近の錦江湾から突如として現れた巨大タコ。自身の現象…、ここは俺でも見えないな。現象者の中でも特殊な現象だから鎧男の現象が分からんが「風」としておこう。


 その風て浮遊して他の仲間とともに街の被害も無く倒すことに成功。これは…自然発生だがそこまで目立ったことはない。このタコの一部を調べたときも人工だと疑われていたが、自然だった。


 

 2つ目はハイヴだ。大勢の人を自分の配下にするハイヴ。元は建設業をしていたが、それは人を集めるためだけで裏では他のアンチヒーローと繋がっていた。


 その前準備として行ったが鎧男たちに邪魔をされて特殊監獄にぶち込まれることになる。初犯ではあるものの、ハイヴの家からいつくもの爆薬が見つかったことから終身刑に指定された。



 3つ目はダークヴェンダマイズ。こいつは特殊監獄に幽閉されていたはずだがどう脱獄したのか不明だ。未来視ができることから看守の目を見て脱走した…そう言いたいところだが牢屋から脱走することはほぼ不可能だ。


 だが現れた。どういうわけか輸送車から出てきて、アンチヒーロー復活と言わんばかりにメディアに露出してきた。


 鎧男の「風」を駆使して未来視を防ぎ、最小限のフィールドで仕留めることに成功する。


 4つ目は…


ナツキ:4つ目?


 4つ目はパシリ。


ナツキ以外の全員:パシリ?


 パトロール中に偶然知り合った「永」という市民の送り迎えをしていた。大学の授業に遅れないようにしたいし、タクシーでお金を使いたくない事から寝坊した日はいつも鎧男を呼んでいたそうだな。

 

 5つ目はヒーローなりたての頃、大人になったのにも関わらず厨二病が抜けていなかったのかデザインして出来上がったファンタジー風の鎧。機能性よりもカッコよさを求めたせいか、動きにくいし蒸し暑いと思ってるらしいな。


ナツキ:これってさ…要らん情報まで暴露されてるよね。


ましろ:ボクのあれこれがバレちゃうってこと?!


フミヤ:疚しいことしてなければ、その発言は出ないと思うのだが…



 なら次は人形使いにしよう。

 1つ目は巨大タコ関連だな。内容としては自身の人形を駆使して水上でも戦える空間を作り出したこと。上限を解放させて倒すのに大いに貢献したこと。


 2つ目は伊月が大人びているなと思ったこと。


フミヤ:あっ、ちょ…


 歳も1つしか変わらないのに人形使いと厨二病鎧男よりもしっかりしている所。冷静なまとめ役としてこれからもチーム「LAST HERO JAPAN」を支えていってほしいこと。


伊月:そんな風に思ってくださっていたんですね。


 3つ目はハイヴ戦。中央公園にて待っていた人形使いは厨二病鎧男と伊月に会う時、どんなカッコいい待ち方をするか考えていた。


厨二病鎧男:はぁ?


 普通のベンチに座るとカッコよさをが出ないから、少し斜めに座ると…


フミヤ:そこまで!!


 なら4つ目は人形使いは人形で遊ぶのが好きなこと。家では普段から自動操縦で喋れもしない人形と話しており、コミュ障なのかそういう性格なのか、自身の現象を友達として見ている。


ましろ:えぇ…


ラルニ:かわいそうな人


 5つ目は友達の厨二病鎧男がヒーローになりたいと相談している所。場所は学校だろうか、ヒーロー特集を見ている人形使いと厨二病鎧男が2人で教室の隅で話している姿が見えるな。


 なぜ周りの人と混ざって話さないのかは不明だが、学生は仲が良ければ人数なんて関係ないのだろう。


フミヤ:もぅ…止めてくれ。


ナツキ:メンタル折れた。


 さて…次はピンク人間


ラルニ:ラルニのこと?


 お前のエピソードをみてみよう。

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