軍人女王戦場へ 2
エリゼ「ふふふ、ここは私しか適任はおるまいて」
アルト「何を?!そんな事を考えて?!」
サルマト「いけません女王!ここは私が!」
ユーキ(駄目だこの人は一度いったら聞かない)
一時間時を戻す。
ユーキが発案した作戦はこうだ。
第一、第二要塞の二基が動くようになったら王都から運んできた強装薬をどちらかの砲で撃ちまくる。強装薬は現在の砲弾の最大飛距離20キロを30キロに延ばす強力な弾薬だ。
最悪、砲が発射圧に耐えられず丘ごと吹っ飛ぶ可能性がある。だが、これを使うことで30キロ地点ギリギリにある敵司令部、本陣まで砲弾が届く。
あとは混乱する敵軍にたいして、誰が軍を率いて突撃し敵の司令官たちを討ち取るか。
そこで、エリゼが名乗りを上げたわけだ。
ユーキ「まて、お前が死んだら女王は誰がやんだよ。最悪俺の首が跳ぶ」
エリゼ「そんときは、エリカが二代目をつぐさ」
俺がエリゼの出撃を却下し、誰か他に適任者がいないか検討していた時、会議室の扉が勢いよく開いた。
エリカ「私にやらせてください!」
隣にいたエルトはまさかエリカが乗り込むとは思っておらず、足を小鹿のようにガクガクと震わせていた。
アルト司令「おいエルト。君はそこで何をやっているんだい」
アルトの柔らかい表情が、鬼のように険しくなっていく。
エリザ「おお、生きてたかエリカ!わかった!お前に任せるぞ!女王命令だ!作戦は二日後に発動する!」
ユーキ(ファッ!?)
エリカ「言質取りましたよ。お父さん!お願いします♪」
ユーキ(徴兵の時もそうだが、可愛く言えばどこ行っても許されると思ってるなこいつ。許しますけど。)
エリゼ「そーと決まれば前祝いだ。サルマト、アルト、酒を用意しろ!前祝いだ!エルトとか言ったな!お前に娘をまかせるぞ!」
エリゼは上機嫌になり、エルトの肩をバシバシ叩いている。あれ?エルト気絶してね?
それはともかく、人類の存亡を掛けた戦いの段取りが流れるようにあっさりと決まってしまった。
アルト「参謀、嫁には叶わんっすよね」
ユーキ「あぁ、全くその通り」
エリゼは退室し、軍服を着替え、早速アルトの嫁マリンを誘い酒場に繰り出していった。
ユーキ(ほんと、この人本国から離れたとたん自由に振る舞うよな、、、)
この日の夕方、市街地では非番の兵にも酒が振る舞われた。前線には砂糖菓子と厚切り肉のスープが支給された。
~ 翌日、議事堂広場前にて ~
ドワーフ「どうだい旦那!」
ユーキ「まさか一晩で修理と砲の取り付けを終わらせるとは畏れ入ったよ」
サルマト首相は仕事中の飲酒を禁止させていたが、やはりドワーフは酒飲ましておけば仕事はかどるんだな。朝陽を浴びて輝く二基の砲塔を見てユーキは思った。
何はともあれ、明日が娘の晴れ舞台だ。
最高の御膳立てをしてやろう。
どうせエリゼみたいに人の話聞かないからな!




