軍人女王戦場へ
敵の空襲を減らすため、海軍の艦隊が敵空中戦艦と母港の破壊を行う海戦が勃発してから一週間後。
伝令「アルト司令官!海軍からです!」
アルト「やっときたか。報告書をくれ」
海軍軍令部より
我が艦隊8隻のうち5隻小破3隻爆沈。
敵艦隊12隻のうち6隻を撃墜。6隻の損害不明
敵帝都のドック襲撃できず本国へ帰還。
アルト「・・・・・・・」
ドワーフ指揮官「これはまずいな」
サルマト首相「ええ、敵艦の修理用ドックが破壊できなければ、一週間も立たずに都市爆撃が始まりますね。」
ドワーフ指揮官「第一砲台の機能停止後、未完成の第二砲台で敵を威圧しているが、一門の砲ではな、、、」
アルト司令「ああ、砲台の予備パーツは本国から列車で輸送してもらっている。明日の午後にはつくだろうが、、、」
~ タンネンバウム平野 ~
フリードベルク市街地から16キロ地点。
小川を挟み、両軍の塹壕陣地が張り巡らされていた。
ドガガガガガガガッ、カチッ
エリカ「ヤッハァァァア!!お!弾切れた!おい生きてるかエルト!」
エルト「ああ、ヘルメットに助けられたぜ」
エリカ「ならガトリング砲に弾込めろ!急げ!」
肉薄してくる敵兵に対して、エリカは手回し式のガトリングガンを撃ちまくっていた。後方の都市には弾薬工場があるため、撃ちまくってもすぐ新しい弾が届く。素晴らしい。
エリカ「おい!見ろエルト敵が退いてくぞ!」
エリカがそう叫ぶやいなや、頭の上を轟音で要塞砲の弾が通過。近くの友軍陣地からも合わせてロケット弾が発射された。
我々も地に伏せると、ドンと重い爆発音が辺りに鳴り響き、内蔵をグッと押される感覚がした。
顔を上げると近くにクレーターができていた。
エリカ「おいおい、我々ごと吹き飛ばす気か!?後で文句いってやる!」
エルト(なんでそんな楽しそうなんだよ。あんなの横に落ちたら木っ端微塵だぞ!)
掩護射撃が終わると敵兵はまた突っ込んでくる
ドガガガガガガガガ
エリカ「そういや、お前麻酔打ったか?」
エルト「そーいや、イテテテテテッッ!!」
エリカ「打ったなら早く弾込めろ!」カチッカチッ
~ 輸送機関車内 ~
ユーキ「何でついてきたんすか?」
エリゼ「旦那様が行くんだ。私も行くのが妻のつとめだろ」
ユーキ「本音は?」
エリゼ「ガトリング砲撃ちまくって、新兵器の威力を見て指揮を取りたい」
参謀総長のユーキは二日前に、前線と兵器輸送の視察と称して帝都を出発。エリゼは替え玉を立てこっそり王都を脱出。おそらく今ごろ王宮は大混乱だろう。
ユーキ「死ぬかもしれませんぜ」
エリゼ「命短し戦え乙女だろ」
ユーキ「おまえもうババッ、ギャァァッッ!」
ユーキはつま先をハイヒールで踏まれた。
俺は昨日までの情報でエリカの生存を確認。
エリゼの耳にもその情報が入っているので、今日は機嫌が良いらしい。
まったくこの人は単純だよな。
現地についたら要塞砲の予備パーツと砲弾を下ろさせ、司令部のアルトに謝って、第二砲台の完成を目標とする感じかな。
エリゼ「雪景色を見るとあの頃を思い出すな」
ユーキ「あぁ。冬山を越えるのはもう沢山だ」
列車は渓谷沿いを通り、翌日の午後過ぎにフリードベルク市街のターミナル駅についた。
ユーキ「アルト司令!ひさしぶりだな!」
アルト「中佐、、いやユーキ参謀総長!」
俺たちは抱き合い久しぶりの再開に感動した。
エリゼ「して、アルトよこれはなんだ??」
下車した瞬間から軍楽隊が演奏を開始していた。アルト曰く、エリゼ女王もひっそりついてくるだろうと思い待機させていたとのことだ。
軍楽隊の演奏に送られ、我々は馬車に乗り市街地の総司令部へ向かった。街並みはあまり変わっておらず、旧フリードベルク領市街戦を思い出した。
エリゼ「ほほう、あれが噂の」
ユーキ「まったく凄いな」
小高い人工の丘の上に確認できる、二基の要塞砲。未完成の一基が先程から数分おきに発砲している。
エリゼ「あれとは戦いたくないな」
ユーキ「俺もお手上げだな」
俺は馬車の中で今回の戦争が起こった経緯と軍の暴走をアルトに謝罪した。俺より五つ下なのに大分更けて見える。苦労を掛けた。
列車から砲一門と砲弾、予備パーツが要塞に運ばれた。第一砲台の修理が完了したら、第二砲台を停止させる。残りの一門を取り付け砲台を完成させる手はずとなっていた。
我々が司令部につくとサルマト首相が出迎えてくれた。
サルマト「お久しぶりであります。最後にあったのは15年前でしたね。エリゼ様は相変わらずお美しい」
エリゼ「ありがとう。その後どうだ?」
サルマト「ええ、エリゼ様とエルゼ国のお力添えで何とか。ささ、どうぞ」
エリゼ「ありがとう。では、始めようぞ」
こうして、第一回西方戦線三国協議会が開かれる事になった。
エルゼ国、ドワーフ、東エルフの最高責任指導者が集い、戦況改善案が練られた。
ユーキ(今のうちに女王が勝手にこっちに来てる事を謝罪する文章を本国に送らねば、、)




