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新兵は最前線の女神 5

~ 東エルフ共和国 総司令部 ~


アルト「ついに、あれを使うときが来たか」

アルト司令官は、町の地下にあるボイラー室に命令を出した。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

囲っていた横断幕が外され、小高い丘のような黒い半円の形状をした鉄の物体が蒸気駆動で回転し始めた。そう、海軍の巨砲を転用した新造の陸上要塞砲だ。


機密保持のため、カモフラージュされ隠されていたものが今初めて動き出したのだ。


兵士A「司令!要塞砲の正常な動作を確認しました!蒸気ボイラー室も異常無しです!」


第一ポセイドン砲台

30cm2連装砲。射程は20キロ。

最大爆薬量は150キログラム。

分間計6発発射可能。砲塔総重量850トン


この突然のサプライズに兵や市民たちが沸き立つが、裏を返せばこれが最後の切り札だ


ドワーフ指揮官「お主らの国では海軍と陸軍は仲が悪いと聞いてたが、まさかあんなもんが陸にあるとはな、、、」


アルト司令「ええ、私が旧エリゼ大隊にいた頃、負傷したエディンと言う友人がいまして、そいつは頭がよく、負傷してからは海軍の技術部にいるので」


サルマト首相「司令の尽力で、フリードベルク市内は安全ですが、共和国の領地は、、」


アルト司令「いえ、ここもあの大砲が死んだら他と同じです。五年で三基の計画が未だにあれ一基しかありませんから。」



~ フリードベルク市内 要塞砲内 ~

翌午前10:27、防空気球隊が敵の侵攻を確認。


気球隊「友軍の撤退が首都フリードベルク15キロ圏内に完了!敵軍はそれを猛追してくる!」


要塞側「了解!」

伝令管が気球から遠くの様子を肉声で伝える。


砲術長「砲戦!ひだ~りほ~戦!榴弾!」

ガコン、ガコン、ガタン

砲弾が装填され、海軍の技術武官が砲戦の開始時刻をいまかいまかと待ち望んだ。


アルト司令「午前10:30、予定どおり始め!」

砲術長「了解!左砲、撃ち~方はじめっ!」

警報音がビーっ、ビーッと二回なった。


"ズドオォォォォオン!"


爆音は市内の窓ガラスを激しく揺らした。

気球隊から敵軍の左端で猛烈な火柱と爆炎を確認。右2度距離そのまま。と連絡が入る。

2発目が放たれ、敵軍の中央で砲弾が炸裂。

敵軍の粉砕を確認した。


兵達が勝利の雄叫びをあげていたが、アルト司令官の表情は険しい。


アルト「敵の艦隊が来る、間違いなく。あとはどれだけ海軍が敵の艦隊を引き付け、やってくれるかだな」

司令はボソッとみなに聞こえない小声で言うと、自身の待機室に戻っていった。


この日、ポセイドン砲台から30発の砲弾が発射された。

敵の二個軍団は文字通り粉砕されたが、砲塔の蒸気バルブが一部破裂。吹き出した高温蒸気で10名が蒸し焼きに。砲台は二日ほど砲撃不能に陥った。

敵軍はこの砲台をおそれ、30キロ地点で進軍の停止を確認した。




~ エルゼ王国 王の間 ~


海軍大臣「現時刻、予定では遠征中の艦隊五隻と第二艦隊の三隻が西方で合流し、敵帝国首都近くにある空中戦艦のドックに砲撃を開始する予定です」


ユーキ参謀「海軍大臣。敵を何隻やれる」

海軍大臣「半数近くをやれれば。」


エリゼ女王「こちらの損失予想は」

海軍大臣「半分近くと予想しております」





~ 西方沖のエルゼ連合艦隊 ~


司令官「敵の空中船艦は魔力で飛行している!そのため我が軍のような重砲は積めぬが、空襲を受けぬよう先手必勝の精神で取り組め!」

艦隊はエルフの南部小都市の海域から大陸を周り、西方の帝都近郊の空中戦艦のドックを目指し進路をとった。


「報告!艦隊はこれよりハリケーンの暴風に入ります!」


ハリケーンの真っ只中に艦隊が入ったその時、二番艦が大爆発を起こし轟沈した。


「何が起こった?!ま、まさか!」


そう、敵の空中戦艦の艦隊はエルゼの艦隊のまうえにいた。しかも、魔力探知をレーダー代わりに使いエルゼ艦隊の位置を特定していた。


「こ、高射砲!見えなくていい!撃ちまくれ!」

艦隊は敵の策略にまんまと嵌まり、ハリケーンの海域を抜ける数時間にわたる爆撃を受けた。





~ フリードベルク市街 軍病院 ~


砲台が停止し、艦隊が交戦を始めていた頃。

新兵たちは軍病院にいた。


友人A「エルトは勇敢だなぁ。もう軍曹様に出世かよ!流石司令の息子だな!」

友人B「おれもバウンデンに配属されてたら今頃英雄だったなぁ~」

友人C「Bよ、お前は戦死の間違いだろ!」


エルト「はははは(本当の事は口が裂けても言えないもし、言ってしまったら)」


エリカ「やぁ諸君楽しそうだね!」

エリカは退出を促し、部屋の中は二人だけになった。


エリカ「おいおい。美人の個室で二人きりとは贅沢だなぉエルト軍曹様よぉ~」


エリカはまた何か企んでいる。エルトは逃げられないことを悟り、エリカに要件を聞いた。


エリカ「いいかよく聞けエルト」


エリカはエルトの耳元で囁くように話し始めた。今現在、ポセイドン砲台の絶大な破壊力で敵の進軍はピタリと止まった。しかし、砲台は蒸気の配管故障で機能停止。未完成の第二砲台は二連装の片方しか砲がついてないが、明日から急遽運用開始する事を話した。


エルト「おまえ、それ軍の最高機密だろ」


エリカは司令部で資料を盗み見していたらしい。バレたら俺たち軍法裁判ものだとエルトは溜め息をもらす。


エリカ「ま、何が言いたいかと言うと。砲台の故障で動くのは未完成の砲のみ、そのうちの首都に敵が雪崩れ込んでくるって話だ」


ようするに、エリカの要件はその怪我を何とかしろ。戦線に復帰しやがれとのことだった。

わーったよ。どうせ後には退けないんだ。あとで医者からたらふく麻酔貰っていく。エリカにはそう伝えたが、やっぱり怖いなぁ。


エルト(つか普通に見舞いに来た、早くよくなれで済ませてくれればいいのに)


エリカは嬉しそうに病室をあとにした。

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