重大な秘密 過去の遺恨と大量破壊兵器
~読者への伝令~
過去作品から伏線回収多数あり
魔力持ちの兵が交替し戦車を動かす。
エリゼ団長はよほどガトリング砲を偉く気に入ったご様子で、砲座から放れようとしない。
歩兵が先行して、戦車がその後に続く。
ド!ド!ド!ド!ド!
「弾だ!弾持ってこい!急げ!」
「エリゼ中将!装填完了です!」
「よし!」
昨夜の偵察情報で敵の大砲陣地は割れているので敵陣を各個撃破することができた。
ズドドーーーン!!
途中砲兵隊の掩護射撃助けもあり、部隊は順調に進んだ。
目の前に王宮前の広場が広がる。
「なんとむごいことを。」
「下ろしてやれ!」
裏切り者に制裁を!そう書かれたプラカードのかかる遺体があった。俺は兵に命じ遺体をおろさせ、遺体安置用の麻袋を被せさせた。
キュルキュルキュルキュル
戦車でつっこみ、門を破壊。だが王宮は既にもぬけの殻になっていた。軍団兵の調査によれば地下通路らしきものが王宮を西に十キロほど、中級河川の近くにまでのびていたとのこと。
「ふむ。ここではないな」
何か調べものをしていたエリゼ団長。
古エルフ語で書かれた歴史書を読み、独り言をしていた。
(ああ、疲れた)
大規模な戦闘が起こると予想していた俺は完全に肩透かしを食らい、巨大なソファーに横たわった。
「我が軍師よ。わかったぞここではない!」
何がわかったのか。俺は敵の大将首ならもうとっくに逃げおおせ今頃は味方と合流するため南下してるに違いない。
「前に説明しただろう?!これを見ろ」
古エルフ語なら俺も少しはわかる。旧エルゼ帝国、、。そうだ。前に説明されたエリゼの名前の由来。
「思い出してくれたか」
エリゼは語る。どうやら今読んだ本はかなり古いもので、旧エルゼ帝国崩壊後の暗黒時代の歴史が書かれていた。
「なるほどわかったんですね。本当の場所が」
エリゼは頷いた。
~ 古エルフ文献『民族の軌跡』250ページ ~
ーーーーーー。我々は彗星から力を得た。
魔力を待って人間に裁きを、、ーーーー。
かの国は王都より北、エーレ湖の湖底深く
70ガレオン(約140メートル)に眠る。
旧エリゼ帝国はここガルマニア帝都ではなく、ここからさらに北に位置していた事が判明した。
「いいっすね、ロマンがあって。戦争が終わったらバカンスついでに湖探索にいきますか?」
「いや、そうも言ってられない」
エリゼ団長は伝書鳩用の小さな手紙を俺に手渡した。『王国宝物庫から禁書が盗まれる』
「お前は昔の聖典を読んだ事があるか?」
「はい、破壊紳がいたとかなんとか」
エリゼ団長の説明によると、古代エルゼ国には古代兵器と呼ばれる超兵器が存在していた。
その兵器は聖典に乗る破壊紳で、巨大なヒト型で強力な炎をはくらしい。初代エリゼ女王はこの兵器を従えて帝国を築いた。
エルゼ国から盗まれた禁書は、古代兵器を動かすための魔術がかかれているらしい。
「そしてここからか問題だ。」
今から3000年前、大彗星が接近した年エルフの子供が覚醒しこれを起動、たった一夜で広大な湖ができるほどの大爆発を起こした。
「ちょ、待ってください古代兵器は確かエルゼ女王の血統にしか反応しないのでは?」
エルゼ団長はエルフの歴史書を見つめ、エルゼ女王の子孫がエルフを孕ませ、その子に力が宿ったのだと説明した。
そして、そのエルフの子孫が帝都を追い出された王族たちだという。
なんと言うことだ?!今現在、北部にはエルフ王家の王国があり、湖は臨時首都の真横ではないか?!
「人魚討伐の時のことを覚えているか?」
まさか、人魚討伐を行ったあの湾も古代兵器による傷跡だったとは誰が想像できるだろうか??あの場所には山があり、エルフの住む都があり、それが吹き飛ばされたなんて、、、。
ひとまず、王族たちがヒト型兵器を起動する前にそれを阻止しなければならない。
俺はすぐに軍を動かそうと考えたが、それは不可能だった。俺は子供エルフの肖像画がかけられた大広間を後にした。
~戦争指導計画書(改訂版)より~
最高司令官 エリゼ・マリーナ
作戦参謀 ユーキ・ハルバート
エルゼ国軍統括バドゥー
東エルフ司令 アルト・ユーベルマン
ドワーフ司令 クイントス・ドルドン
エルゼ国軍
第一エリゼ軍団 7800名 ⇒ 7500名
第二エリゼ軍団15000名 ⇒13650名
魔道歩兵 20000名 ⇒ 19600名
魔道騎兵 6000騎 ⇒ 5850名
砲兵大隊 3000名 ⇒ 消耗なし 計46600名
東エルフ義勇軍
歩兵 10000名 ⇒ 7500名
ドワーフ軍団 26000名 ⇒ 23500名
計31000名
総員84805名 ⇒ 残存兵力77605名
死傷者名 7200名
砲弾、銃弾数(重要機密 記載不可)
新兵器 戦車30両 ⇒ 残23両
エリゼ団長に早急にまとめた被害報告書を提出した。人員の被害は10%未満。戦車は残り23両。また、我々が来る前に空中戦艦3隻と10万人近い兵団が南に動いた形跡があったことを報告した。
敵兵の遺体の多くは無理やり動員されたエルフたちだったようで正規兵は半分にも満たなかった。
どうやら敵は我々を消耗させるつもりで市街戦に挑んだようだった。
~ 南都市に降りた空中戦艦 ~
「カーリナ様。こちらを」
「あら~、以外と早かったじゃない!」
帝都の陥落を知ったカーリナはニヤニヤしながら応援要請を求める手紙を燃やした。
「カーリナ様。帝都を脱出した軍事政権の閣僚たちを如何なさいます?」
「そうね、全員処分させなさい。ばれないようにね。頼んだわ。」
カーリナは南部諸都市で徴兵を開始し、北部に樹立した王国の打倒を画策していた。
~ ガルマニア帝都 ~
俺は後方からの支援物資が遅延し、一週間近くガルマニア帝都に釘付けとなっていた。早くしなければ、もうそろそろ北部の王族たちが何かしらの動きを取ってくるかもしれない。北部の王国は我々が進行してから、不気味な程に沈黙していた。
後続の支援部隊が到着した頃を見計らい、古代兵器を使って一網打尽にするつもりなのだろうか??悪い想像をすればするほど気が気ではなくなる。
幸いエルフたちの残した武器弾薬は使えそうなものが多く、何かあった際はすぐ使用できる状態にした。
そー言えば、俺はこの世界に来て結構必要とされる人間になったんだなぁ。
ふと昔の自分を思い出した。




