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異世界でエルフの帝都包囲戦

朝日が登り始め、進軍ラッパがけたたましく鳴り響く。第二軍団が都市の北から。ドワーフと東エルフの軍団が都市の南から。そして俺と団長の第一軍団が東から帝都を囲むように展開。北、東、南の三方向に10両ずつ戦車を分散配置した。

帝都の西側は都市から逃げる避難民のために開け、降伏の意思確認をする特使を送った。

一時間後都市に残っていた老人と女性、子供たちが西門から避難を始めた。本陣の敵に降伏の意思はないようだ。俺は合図を出し、西の空白地帯を騎兵と歩兵に埋めさせ、ガルマニア帝都の包囲を完了させる。


帝都は不気味なほど静まり返っていた。


再度幸福の意思確認を行うが黙殺された。

天高く日差しの強い昼過ぎ、300門の野戦砲が都市の城壁と市街地に砲撃を開始した。

城壁の上に配置された敵砲も応戦してきたが数は揃っていないようだ。


城壁には穴が空き、門は吹き飛んだ。

敵兵は爆風でなぎ倒され、市街地では各所で火災が起こった。前進開始!戦車隊が前進しその後ろを兵隊が続く。

戦車は敵の弾丸や魔法攻撃をものともせず、戦車砲と鉄砲で応戦した。


ド!ド!ド!ド!ド!ド!

城壁に近づくと、戦車砲を積んでいない戦車が活躍をみせる。特別で3両しか製造されていない本車には、小口径の砲身が五つ束ねられた強力な手回しガトリング砲が搭載されていた。ハンドルを回すと高度な加工技術がいる高額な薬莢式の小型砲弾を次々に打ち出される。

当然こんな画期的な新兵器があればあの人が興味を示さないはずもなく。エリゼ団長は俺の真横でガトリング砲のハンドルを全力で回し撃ちまくっていた。


(あぁ、金がドンドコ消える。戦費が、、)


新型砲弾がどんどんと撃ち出されていく。

瓦礫と化した城壁を越え、戦車に続き歩兵も市街地に突入する。近距離での魔法と銃の撃ちあいが街のいたるところで始まった。

先頭を行く戦車が爆発した!敵の野戦砲が側面から撃ってきたのだ。すかさず歩兵が敵の隠された砲兵陣に爆薬を投げ込み吹き飛ばす。

目の前に現れた野戦砲二門がこちらを狙っている。団長は砲を連射、気づいた後続の車両も戦車砲を発砲、敵の大砲を撃破した。

戦車の全面には無数の弾丸がめり込んだ。途中狙撃され、覗き窓から飛び込んだ弾丸で操縦手が負傷、団長は間一髪で軍帽を吹っ飛ばされた。俺が操縦を代わった。

狙撃手のいた民家は歩兵が蜂の巣にした。


だが、少し進むと曲がり角に大砲が設置されており交戦、民家に隠れた狙撃兵の抵抗を受け反撃、その繰り返し。

敵の防衛戦があまりにも複雑なことが判明。

最前線の歩兵は残し、戦車は城壁付近まで撤退した。


「まずいですね」

「予想の範囲内ではあるのだろ?」

確かに全体の兵の損耗率は10%にも満たない。ただ、軍事政権側の保有する空中戦艦3隻全てがドックにいないことが気掛かりだった。


(まさか、街ごと我々を焼く焦土作戦を計画してはいる可能性は、、、)

「そんな顔するな。なるようになる」ホレッ!


これは酒か。俺は小言を言いたくなるがこの時はありがたく頂いた。日が暮れ始めると後方からバケツに山盛りに詰められたパスタとスープが届けられた。食事中、故郷の歌を歌うものがあらわれ、戦場に一時の安らぎがながれた。

深夜の見張り交代の足音で目が覚めた。

団長は座席に持たれ、毛布にくるまり眠っている。戦場の夜は嘘のように静まり返っていた。


深夜二時過ぎ偵察兵が王宮前の大広場に出た。

「うっ!?あれは!」

「おい静かにしろっ?!?!」


それで声を出しバレて帰ってきたと。、。

仕方ないと言えば仕方ない。戦闘を拒否した若いエルフの男女数名が腕を切られ、切ったものを口に突っ込まれて裸で逆さ釣り。そんなもの見たら驚くわな。


エリゼ「エルフの少年兵か」

ユーキ「そー言えば団長、むかしエルフ戦で少年兵に脇腹ぶっ刺されましたよね」

エリゼ「嫌なこと思いださせんな」


死の淵を彷徨って奇跡の生還。この人も神に愛されるんだなぁ。


「おい、何か失礼なこと考えてないか?」

「いえ、全然」


戦車内に朝食が運び込まれ、会話はそこでストップした。朝食はパンに卵、薄味のコーヒーに氷砂糖か。高級品の砂糖を出すということは、今日で決着つけるつもりだなこの人。

俺はバリバリと氷砂糖を噛み砕き、コーヒーで流し込んだ。


パーパパパーーー!!


ラッパの合図で市街地に運び込まれた砲が一斉に火を吹いた。標的は王宮の周りにある建造物全てだ。砲弾が次々に着弾、潜伏していた敵兵は爆風と建物の崩壊に捲き込まれていく。


砲兵隊が射撃を開始すると、歩兵に随伴された戦車隊が再び前進を開始した。






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