俺転生した?!
「ミッションは達成されました。」
ミッション達成。流れるエンディングは全て飛ばし、次のゲームを選択。
よーし、次の世界でもササッと新記録達成しちゃいますか。そう考えていたら、目の前が真っ暗になった。
「おい!動かないぞ!どうなって!」
この瞬間から全てがおかしくなった。
床が崩れて?!
燃えてる!燃えてる!
うわぁぁぁぁぁああ!
~ 神の間??? ~
こ、ここは一体。いつもならストーリーが終わると、自動で受付画面が表示されるはずなんだが、、、、何もない?
空も地も澄んだ秋空のように青く、宙に浮かぶ1艘のボート。俺はそのボートに横たわっていた。
(ロード中か、メンテナンスでも始まったのかな?)
船上の心地よい波の揺れ。
目をつむると心地よい眠気が、、、
「ぱああああああっ!てってれぇぇぇ!」
RPGのような音楽が流れる。
(眠気が、、、女神様???)
女性の形をしたまばゆい光が俺に語りかけてきた
私はエリゼ。個体名ユウキトモハルの意識を圧縮し、異世界の◯✕~▲に転送します
どうか、エリゼをお助け下さい
(え?ちょっと、何を勝手に!!)
ゲームは俺が選ぶんだZzz、、ふにゃぁ
機械のような片言の音声、俺の意識は深い闇に堕ちていった。
おいユーキ!目を覚ませ!
心地よい春の陽気、そよ風が温かい。うとうとしていると、誰かに名前を呼ばれ強く揺さぶられた。聞き覚えのある声が俺の名を呼ぶ。
(こ、ここは??)
目を覚ますと、移動する馬車の荷台で寝ていた。やはり、念じてもガイド音声や説明パネルが出てこない。
ここは一体??
なんだ寝ぼけてんのか?昨日、徴兵検査で俺は魔道歩兵科に、お前は知能試験で作戦立案科に配属されるんだろーが
存在しないはずの記憶を思い出す。
まじかよ!こんなゲームやりたかねぇよ!
俺は魔法適性がなかった。
魔法適正のないものは農奴として畑を耕し、一生を終えるのがこの世界の掟。
だが2年前、王都では少ない国軍を高度な戦略で動かし戦争時兵の摩耗を減らすことが求められた。
そこで異例の魔法適正が無くとも優れた知性と戦術さえあれば、軍師として徴兵する制度が導入された。
俺はその試験的な徴兵の2期生にあたる。
「なんだこの設定は??異世界ゲームが始まったのか?やだよ!やりたくないよ!史実のカッチョいい軍師や指揮官に!」
ごぶっ!
王都の城門前に差し掛かり馬車が止められ、勢いで前のめりになって頭を打った。号令がかかりその場で全員降車させられた。
「おい何だよ!俺たちはこの国の守り手だぞ!こんなとこで止めんじゃねぇよ!」
過去民間人に扮した敵国の騎兵が町に侵入し大暴れした事があり、それからは馬は城塞都市内には入れないらしい。
「んだよ、衛兵がヘッポコなだけじゃねぇか!!知るかんなこと!!」
「んだとコラァ!!」
初日から暴れるなユーキ!
ここからは徒歩で軍事省に向かう。
露店で賑わう大通りを抜け、突き当たりの噴水を右に曲がる。
「おおおお、、」
でけぇ建物だなユーキ
ああそうだな、カール
三階建て、壁は羽根のように白く、屋根は海のように青い軍事省庁舎。
俺たちは会議室に誘導され、そこで一通りの説明を会受けた。
説明が終わり、同郷のカールとはここで別れ
俺は配属される作戦立案科の部署に向かった。
えーっと???
一階に受付、経理課、会議室、食堂。
二階に魔道歩兵科、魔道騎兵科、物置。
三階は各兵科の参謀執務室と大会議場か
(あれ?どこをどう探しても作戦立案科が見当たらない、、え?ま、まさかな、、)
俺は物置きと書かれた部屋をノックした
「どうぞ!」
(え??やっぱりここなの?!?!)
「やあ、君が今日配属されるユーキ・アルバート曹長かな??」
「ハッ!ユーキ・アルバート曹長であります!」
「私が作戦立案科課長のエリゼ・マリーナ少佐だ」
大佐は身長170cmの俺と同じくらいの背丈で、顔は中性的(女性??)な顔立ちの人だ。
「うちの部署は、物置と表記されていて探すの大変だったろ。ま、よろしくな」
エリゼ少佐いわく、作戦立案科はあまり戦地に赴かないため物置小屋の小道具と揶揄されているらしい。そのため、現在は実動部隊を率い、戦争遂行に貢献し影響力を高める計画を進めているとのこと。
「は!はい!よろしくお願いします!」
俺は早速自分のデスクにつき仕事を始めた。
作戦立案科の主な業務は歩兵科と騎兵科から上がってきた作戦立案書を机上訓練で試し、次に模擬戦を行い、より正確なデータ収集、戦術をより高度化することが業務内容だ。
その他、武器の調達や改良等の雑務も行う。
幾つもの仮想世界で戦を征してきた俺にはまさに朝飯前だ。
「これは見事な作戦だ。川の水をせき止め、敵が川を渡り始めたらせきを破壊。押し寄せる濁流で敵兵は全滅。これは魔道歩兵の死傷者が大幅に減るぞ」
「この作戦は模擬戦なしで有効と判断する!いつか使うから覚えておけよ!」
エリゼ少佐の言葉通り、この作戦は後に使われることになる。
「流石、平民でありながら知能試験トップなだけはあるな」
「ありがとうございます。」
午後はエリゼ少佐の許可を貰い、仕事を早めに切り上げこの世界の情報収集をするため図書館へ向かうことにした。




