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はみんぐ・ふれあ  作者: JING
第六章「崑崙と沈まない都」
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32/51

第32話「オレたちは崑崙の道士だった」

オープニングテーマ「HUMMING」

https://youtu.be/azhMg2sRa5g

 母さんとの家族会議は、背景が三つに分かれていた。


 画面の左には、吹雪。


 右には、真っ青な海。


 中央には、赤い髪の母さん。


「母さん。いま空にいるのか、海にいるのか、どっちだ」


『両方の境目』


「質問へ答えてない」


『いまからする話には、いちばん正確な答えよ』


 母さんは白衣の上へ救命胴衣を着ていた。背後を研究員が走り、吹雪側の窓を閉める。海側の窓には、下から上へ波が流れている。


 道場の板間には、昨日の全員が集まっていた。


 オレ、ハヨン、父さん、おっさん、藍羽、先輩、蓮、鈴華、紫苑、ひなた。


 ひなたが十枚の名札を並べ、時々、紫苑の札だけ読み直す。


「家族の話なら、私は外します」


 ひなたは一度そう言った。


「残ってくれ」


 オレが頼んだ。


「オレの家だけの秘密なら、外してもいい。でも、学校で教授がやってることにつながる。みんなに聞いてほしい」


「聞いたあと、普通の学校生活へ戻れる?」


「無理かもしれない」


「もう手遅れか」


 ひなたは自分で座り直した。


 母さんが画面から全員を見回す。


『先に謝ります。ハミン、ハヨン。私たちは、あなたたちへ家の役目を説明しなかった』


「お母さんまで?」


 ハヨンが眼鏡を押さえた。


『使命を子どもの肩へ載せないことが、自由を守ることだと思った。でも、知らないまま危険へ触れさせた。判断材料を渡さないのも、選択を狭める行為だった』


『何でも親が代わりにやれば、子どもは自分で考え、失敗し、選び直す機会を失う。だから答えを押しつけたくなかった。でも私たちは、「答えを奪わない」と「判断材料を隠す」を取り違えた』


「だからって、危ない外側まで子どもに任せるのは違うだろ」


『ええ。危険な外側を支え、判断材料を渡すのは大人の責任。最後の答えを奪わないのも、親の責任よ』


 父さんが隣で、昨日と同じ紙を上げる。


【紙面:私たちの間違い。】


「二人で決めたのか」


『ええ』


『それと、ハミンが女の身体になった日、私は家にはいませんでした。北側の共同研究施設へ出張し、その近くの観測節も回っていて、ハヨンから変化後の緊急記録が届くまで何も知らなかった』


「母さんでも、最初から知ってたわけじゃないんだな」


『ええ。知っていて遠くから眺めていた、とは思わないで。もっとも、知らずに済ませていた責任まで消えるわけではないけれど』


「ハヨンも知らなかった?」


「家に特殊な気脈と外部防御があることは知ってた。お父さんの服の設計も、お母さんの資料から一部見た。でも、昨日調べるまで、用途は気圧抑制とだけ書かれていた。天衡守(てんこうしゅ)、零頁、アトランティスとの接続は知らなかった」


「知ってたら言ったか?」


 ハヨンはすぐ答えなかった。


「前の私なら、お兄ちゃんに知らせず対策装置を作ったかもしれない」


「正直だな」


「いまなら聞く」


「じゃあ、あとで聞け」


「いま聞く話じゃないの?」


「まず母さんだ」


 話が進まない。


 おっさんが咳払いをした。


「難しい名を増やす前に、崑崙とは何かから話せ」


『天道王さんは、どこまでご存じですか』


「ハガンが山の向こうから来た。妙な歩法を使う。強い。食う。以上」


 父さんが紙へ書く。


【紙面:天道王も食う。】


「いま張り合うところか?」


 藍羽が額を押さえた。


 母さんは画面へ世界地図を出した。


 中央アジアの崑崙山脈へ、ひときわ大きな青い点が灯った。《主門》と表示される。そこから天山、ヒマラヤ、日本の山地、南米のアンデス、北極圏へ、小さな点と線が伸びた。


『崑崙の重なり谷は、中央アジアの崑崙山脈に重なる主門を核にしています。世界各地の高地にも、気の流れが現実と重なる小さな入口がある。決まった呼吸と歩法でそこへ入ると、どの入口からでも同じ谷へ着く』


 点から線が伸び、地図の中央ではない場所へ集まった。


 地図の上にない谷。


 オレは知っている。


 霧の濃い朝、父さんの足跡を踏んだ先に増える道。岩壁の向こうの道場。見たことのない星。


「地図の国境線で言えば、中国側なのか」


『主門の地上座標は中国側です。でも重なり谷は、どの国家の領土にも属していません』


「だからって、オレたちまで中国人ってことにはならないよな?」


『いいえ。中国人でも、韓国人でもない。外の国籍書類とは別に、私たちが自分を何者と考えるかという意味では、崑崙の道士です』


「そうだ。オレは崑崙の道士だ」


 先輩が首を傾げた。


「日本語は、来る前から普通に話してたよな」


「村の人間ならみんな日本語も英語もしゃべれたぞ?」


「それを普通だと思わないでください」と蓮。


『重なり谷には各地の入口から人と記録が集まります。言葉の呼吸を気で聞き分け、複数の言語を身につけるのも道士の基礎修行。ハミンは外へ出るまで、それが超人的だと知らなかっただけです』


「ただし、お兄ちゃんの英語の宿題は別問題」とハヨン。


「しゃべれるのと文法問題は別だ」


「日本からも行ける?」


『入口があれば』


 父さんが立ち上がった。


 道場の北側の襖を開ける。


 向こうは物置だ。雑巾、木桶、おっさんが買い溜めた米袋。


 父さんは一度閉め、右足、左足、右足を半歩。息を長く吐いてもう一度開けた。


 襖の向こうに、霧の谷があった。


 白い岩壁。


 風に揺れる細い旗。


 遠くで鐘が一つ鳴る。


「ちょっと待て!」


 おっさんが物置へ手を伸ばす。


 父さんが足を戻すと、米袋へ触れた。


「わしの物置を勝手に山へするな!」


【紙面:入口ではない。見せただけ。】


「充分おかしいわ!」


 ひなたが名札の裏へ何か書く。


「普通の学校生活へ戻れない理由、追加」


「何個目だ?」


「数えるのをやめた」


 先輩は楽しそうに襖を開け閉めしている。


「もう一回やってくれませんか、お父上」


 父さんは首を横へ振った。


【紙面:見るだけでも、文書に入口を覚えられる。】


 先輩がすぐ手を離した。


『崑崙の道士は、その重なり谷を使って世界各地の気脈を見てきました』


『外では仙人とも呼ばれます。寿命が尽きないという意味ではなく、仙脈へ気を通し、常人の限界を越えて動ける者という古い呼び名です。ハガンもハミンも、その崑崙の仙脈を持っている』


「だから、この身体でも体育なら人間を圧倒できるのか」


『ええ。ただし、身体相が変わって気の通り道と間合いがずれた今は、本来の半分も出ていません』


「やっぱり半分以下か。学年記録を出しても喜べないわけだ」


「普通は喜ぶところよ」と藍羽。


 母さんが地図を切り替える。


 青い点の近くへ、赤い線が増えている。


 星環学園の選塔と同じ色。


『未来を当てる占い師ではありません。強い装置、王、軍、研究者――誰かが多くの人の道を一つへ固定しようとした時、気脈には偏りが出る。その偏りを見つけ、道を増やすのが本来の仕事です』


「増やすって、どうやって」


 藍羽が聞いた。


『助言する。安全な場所を作る。装置を止める。時には戦う。ただし、本人の代わりに最後の一歩を選んではいけない』


 父さんが昨日の言葉を掲げる。


【紙面:道は示せ。足は奪うな。】


「じゃあ母さんが、いつも海とか氷山のそばにいたのも仕事だったのか」


 画面の吹雪が、質問を聞いたみたいに強くなった。


『ええ。でも、あれが私の仕事の全部ではないわ。普段は海外の研究施設や調査船から依頼を受けて、薬剤や観測機器を設計し、現地で修理する普通の研究職もある。道士の任務がなくても、出張は多いの』


「二つともやってるのか」


『普通の仕事先の近くに節があれば、そちらも見る。移動が一度で済むでしょう』


「忙しさは二倍だろ」


『ええ。昔のアトランティスが地上へ置いた観測節は、星環学園だけではありません。海底ケーブルの近く、氷床の下、砂漠の井戸、使われなくなった天文台。補完原典(ほかんげんてん)が動き始めてから、一つずつ過負荷が出ている』


 母さんは地図の青い点へ、修理済みの印を付けた。


 オレが通信した時、いつも背景がおかしかった。


 氷山。


 海上施設。


 雷の落ちる研究船。


 母さんが世界を飛び回る理由は一つではなかった。普通の研究者として各国の施設と調査船を巡り、その行き先の近くで、世界へ開いた古い継ぎ目も順番に閉じていた。二つの仕事を重ねているから、いつも忙しい。


「最初から教授の計画を知ってた?」


『アトランティス系の装置が動いているとは分かった。管理者が教授で、ハミンの帰還枝まで狙うと特定できたのは星見島の後』


「なら、どうして日本へ来ない」


 子どもみたいな問いだと思った。


 それでも聞きたかった。


 母さんなら難題をほとんど解く。ハヨンより速く機械を作り、学校の先生が諦めた書類も遠くから通す。


 近くにいれば、もっと早く何か変わったかもしれない。


『いま私が北側の節を離せば、そちらへ流れる観測圧が増えます』


「仕事だから?」


『それだけではない』


 母さんは、いつもの即答をしなかった。


『私は、技術で守るほうが得意だった。隣で説明し、あなたたちが怒るのを聞くより、遠くの壊れた装置を直すほうが簡単だった。仕事を理由に、その簡単なほうも選んだ』


 父さんが画面へ向け、紙を上げる。


【紙面:二人の間違い。】


『ええ。ハガンだけの責任にはしません』


 ハヨンが聞く。


「いま来られないなら、何ができる?」


『節の外圧を抑える。あなたの位相校正器へ安全値を送る。必要な時に、分からないと言う』


「お母さんが?」


『私にも分からないことはあるわ。奪われた選択を外から戻す方法と、アトランティスを誰も犠牲にせず解く方法。そこは現場を見たあなたたちと一緒に考える』


「母さんが着いたら全部解決、じゃないんだな」


『残念?』


「少し」


『正直でよろしい』


「でも、勝手に答えを決められるよりいい」


 母さんは画面越しに笑った。


『それも正直でよろしい』


「父さんは、その道士の一番強いやつ?」


『各地の大きな気脈を守る者を、天衡守と呼びます。あなたのお父さんは、いまの天衡守の中で最強』


 先輩が拳を握る。


「やっぱり一度、稽古を」


「話を聞け、先輩」


「聞いてる。聞いたから戦いたい」


 父さんは先輩へ小さな紙を出した。


【紙面:あとで。】


「約束ですよ!」


「父さんの『あとで』は半年後かもしれないぞ」


 藍羽が手を上げた。


「父さんは、崑崙の道士なんですか」


 空気が少し変わる。


 おっさんが腕を組んだ。


「違う」


 自分で答えた。


「わしは天道宗の開祖、天道王じゃ。他所の門弟になった覚えはない」


『そのとおりです』


 母さんがうなずく。


『天道宗は崑崙の外門でも、アトランティスの封印守でもありません。天道王さんが、この土地の共鳴を聞いて独自に作った宗派です』


「じゃあ、どうして床の円が同じなんだ」


「気そのものは、若い頃にインドで修業して学んだ。現地でオーラとも呼ばれておった、身体と世界を巡る力じゃ」


 おっさんは床の円を指でなぞった。


「だが、この十三の円は地面が鳴ったから描いた」


 おっさんは簡単に言った。


「道場を建てる前、この土地で座っておった。夜になると、地面の下から低い音がする。音に合わせて足を置くと、十三の円と八つの道が一番よく気を巡らせた。だから修行図にした」


「選塔も同じ音を読んだ?」


 ハヨンが端末へ二つの図を重ねる。


「魔械文書は機械と文字で。天道王さんは身体と呼吸で。同じ地下の運命相(うんめいそう)を、別の方法で観測した」


「わしのほうが先か?」


「選塔の基礎は学校創設前。天道宗は十数年前」


「なら、わしのほうが正確じゃ」


「時期の話を聞いてた?」


 藍羽がため息をつく。


「父さんとハガンさんが会ったのは?」


「インドでの修業を終え、各地の武術を巡っておった頃じゃ。山道で、朝の気脈を調べる白熊に会うた」


 若い頃から、父さんは白熊だったらしい。


「怪しい白熊が土地を調べておったから、殴った」


【紙面:先に殴ったのは天道王。】


「勝ったのは?」


 先輩とオレが同時に聞いた。


「ハガンじゃ」


 おっさんは、今度こそごまかさなかった。


「わしは一手も届かず負けた。翌朝、再戦を申し込んだが断られた。その代わり、短い間だけ朝ごと隣へ座り、呼吸だけを共にした。教えたとも、教わったとも言わぬ。それだけじゃ」


 父さんが紙を一枚足す。


【紙面:鍋は天道王が勝った。】


「料理の勝敗はいま要らない!」


 藍羽が父親と白熊をまとめてにらんだ。


 既知なのは互いの拳と呼吸。


 アトランティスも、零頁も、十三番目の門も知らない。


 おっさんが何も隠していないことは、藍羽の顔を見れば分かった。


「偶然だったんだ」


 藍羽が床の円へ触れる。


「父さんは、門を守る役目をもらって道場を建てたんじゃない。この場所を選んで、毎日掃除して、子どもへ受け身を教えて。それで門になった」


「不満か」


「逆」


 藍羽は笑った。


「父さんらしい。命令されたからじゃなく、自分で始めたんだから」


 おっさんは髭を撫で、すごく偉そうにうなずいた。


「なら今日の掃除は三倍じゃ」


「それは関係ない」


「すべて修行に関係する」


「嬉しそうな顔で増やさないで」


 重い話の中でも、道場は道場だった。


     *


『次は、ハミンのこと』


 母さんが画面へ二つの人影を出した。


 男のオレと、女のオレ。


 黒い輪郭と赤い輪郭が、胸の中心で重なっている。


『崑崙には、ごく稀に二つ以上の身体相を同時に保つ仙脈が生まれます。双相仙脈(そうそうせんみゃく)。ハミンがそう』


「薬でできたんじゃないのか」


『薬は扉を間違えて開いただけ。女の身体相を無から作ったのではないわ。あなた自身に成立し得た二つの相があり、ハヨンの薬が表へ出す相を切り替えた』


『神経の指向へ向かうはずだった作用を、双相仙脈が身体相の切替側へ逃がしたの。元の設計は、留学中ずっと恋愛指向への効果を維持する長期式だった』


 ハヨンの画面に、文化祭で見つけた第三の金色波が出る。


「これが双相仙脈?」


『二つを一つへ潰さず、同じ人間として巡らせる気の波。あなたが薬を設計した時には式へ入っていなかった。身体相へ誤作動した時点で、留学終了に合わせて薬効を切る予定式は使えなくなった。いつ自然に戻るかは、私にもまだ計算できない』


「最初から、すぐ戻る薬じゃなかったのか」


「うん」とハヨン。「留学が終わるまで効かせるつもりだった。でも、今の身体相がいつ戻るかは予定にも式にもない」


「学校の補完圧が女の相を固定して、満月だけ出生相が照合し直した」


『ええ。教授はその周期を、外の世界と閉じた都市をつなぐ時計にした』


 オレの男の影が、赤い枠へ移される。


 胸の奥が冷えた。


「この双相仙脈があるから狙われた」


『そう』


「崑崙の道士だから、止める役目もある?」


 母さんは答えを急がなかった。


『家の役目はある。でも、それをあなたの答えにしてはいけない。私たちが隠して失敗した次に、血筋で命令すれば同じことを繰り返す』


 父さんも何も書かない。


 全員がオレを見る。


 空白の紙が、懐に入っている。


「オレは、道士だからやるんじゃない」


 口へ出すと、思ったより簡単だった。


「教授に負けた。月を取られた。先輩たちの法宝も、紫苑の名前も、生徒の選択も使われた。腹が立つ。取り戻したい。止まってるやつがいるなら、そいつらも見てから決めたい」


「見たあと、助けない選択もある」と紫苑。


「ある」


「道士に失格と言われても?」


「道士の修行はしてきた。でも、誰かに合格をもらうためじゃない。そうしたいからやる。嫌になったら嫌だと言う」


 父さんが紙へ大きな丸を描いた。


「父さんに合格をもらうためでもないぞ」


 丸の紙を伏せる。


 代わりに、熊の拳が差し出された。


 オレも拳を当てる。


 女の小さな拳は、白熊の手の中へ半分埋まった。


 それでも押されない。


 父さんは、そこに置くだけだった。


     *


 家族会議が終わる頃、道場の十三重円に変化が起きた。


 最初は、ハヨンの投影だと思った。


 板間へ引かれた八本の線の間に、細い線が増えていく。


 九本。


 十六本。


 三十二本。


 最後は四十八。


「装置は切ってる」


 ハヨンが端末を上げる。


「自然発生。昨日、選塔が観測できない空白を埋めようとして、道場へかけた圧で節が起きた」


 鈴華の台帳が勝手に開いた。


 六つの区分。各欄に八つの小印。


 床の四十八線と、一つずつ重なる。


「わたくしの台帳が、この図を写していたのですか」


 鈴華は鈴へ触れた。


 鳴らしていないのに、床下から声が返る。


〈開く〉


〈開かなかった〉


〈入る〉


〈残る〉


 選ばれなかった言葉が重なった。


 おっさんが中央へ立つ。


「地面の音が変わった」


 父さんは円の外へ下がった。


 衣服型法宝・白沢衣の縫い目が、逆に光を消す。


【紙面:自然節が門になろうとしている。】


「十三番目?」


 丸。


 床の中心へ、水滴が一つ浮かんだ。


 下から上へ落ちる。


 板間に触れた瞬間、木の床の奥へ青空が映った。


 空の中を、逆さの塔がゆっくり横切る。


 おっさんが初めて、笑わなかった。


「わしの道場の下に、何を建てた」


 母さんが画面の向こうで首を振る。


『誰も建てていません。あなたたちが毎日巡らせた気で、閉じていた自然節へ道ができた』


「偶然?」


 藍羽が聞く。


『始まりは。でも、門にしたのは毎日の選択よ』


 青空の下で、長い黒髪が揺れた。


 まだ顔は見えない。


 水面の向こうから、手のひらが床へ重なる。


『見つけた』


 キャリーの声がした。


『十三番目の、帰されていない門』

エンディングテーマ「たいようは約束」

https://youtu.be/vCsi3UhBpp8

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