【Lv.1の童貞探偵】異世界で俺の性魔術解析が世界の穢れの記録を暴くが、魔王に童貞を独占予約されました 第二十六章 中編5
第二十六章 中編5:真実の観測者と、穢れなき共犯者
解析と「清浄な拒絶」
その瞬間、奏太の脳内に流れ込んできたのは、あまりに凄惨な「穢れの記録」だった。
純粋な少女であったルクセリアが、卑劣な男たちに弄ばれ、母と共に尊厳を奪われた地獄の風景。彼女の頭上に刻まれた【Lv. ∞】という数字は、その癒えることのない傷を隠すために、絶望の果てに纏った悲しい鎧に過ぎなかったのだ。
奏太は、解析の衝撃で激しい過呼吸に陥りながらも、握りしめた魔王の巨乳から手を離さなかった。その掌に伝わる熱だけが、彼女がまだ「心」を持つ一人の女性であることを教えていたからだ。
奏太は魂を振り絞り、真実を叫んだ。
「魔王……ルクセリアッ! あんたのレベルは、人間への恨みと自衛のための鎧だったんだな! あんたは……あんたはただ、あの日からずっと、誰かに本当の意味で救ってほしかっただけなんだろッ!!」
「や、やめろ……っ!」
ルクセリアの瞳から、Lv.∞の魔力すら押し潰せないほどの涙が溢れ出した。Lv.1の清浄な童貞によって、最も深いトラウマを、しかしこの上ない「慈しみ」を込めて抉り出されたのだ。
彼女の精神は、奏太の「理解」という名の光に貫かれ、ついに崩壊した。魔王は最後の屈辱として、そして唯一の救いを求めるように、肉体的な降伏を選んだ。
彼女は神聖なローブを脱ぎ捨て、全裸の巨乳を震わせながら、奏太の前に膝を突いた。
「いいでしょう……。私の無限の穢れを、貴方の清浄な童貞で汚すがいいわ! さあ、私に最悪の経験を与えて、この地獄を終わらせなさい……ッ!」
絶望的な誘惑。しかし、奏太は、死んでいった仲間たちの想いと、たった今観測した彼女の悲しみを背負い、静かに、だが断固として首を振った。
「断る。……僕にとってそれは、単なる経験の有無じゃない。好きな人としたいし、そもそも……子供を作るための、神聖な行為だと思ってるんだ。」
奏太の声は、震えていたが真っ直ぐだった。
「命を繋ぐための想いを、あんたを道具にするための免罪符にはしたくない。……あんたを救うのは快感じゃない。この、あんたの絶望すら受け付けない『清浄な拒絶』だ!」
「…………ふぁっ!?」
Lv.∞の人生で、これほどの理不尽な拒絶を経験したことはなかった。
空間の温度がふっと和らぐ。魔王ルクセリアは、毒気を抜かれたように目を丸くし、それからこらえきれないといった様子で肩を震わせた。
「クスクス……あははははッ!」
彼女は刺々しいオーラを脱ぎ捨て、一人の少女のような幼い表情で奏太を見つめた。
「面白い男。本当に、どこまでも私の想像の外側を行くのね。この世界では、交わりもただの『魔力の交換』でしかなかった。でも、あなたの世界では、それが『愛』と『命』を紡ぐための儀式だというの?」
ルクセリアは、奏太が握りしめている自らの胸に、愛おしそうに自分の手を重ねた。
「素敵だわ。その頑ななまでの『童貞』、ますます欲しくなった。いい? 覚えておきなさい。あなたが『愛する人としたい』と言うなら、私がその座を奪い取るまでよ。……予約完了、といったところかしら」
浄化の絶頂
魔王は自ら奏太の手を、己の柔肉へとさらに深く押し当てた。
「そういえば、解析の続きがまだだったわね」
その瞬間、魔王の肉体が発する波動が激変した。「穢れ」が、奏太の「清浄」に触れることで、なぜか「純粋な快感」へと変質して逆流を始めたのだ。
「んっ……! ち、違うッ! 私の無限の経験値が、貴様の『穢れなき童貞』によって、強制的に浄化されているッ……!」
奏太の手から放たれる清浄な光が、魔王の心の闇を一瞬で貫き、白銀の閃光となって弾けた。
「あ、ああああああッッ!! やめなさいッ! この、清浄な童貞の力で、私を……! イく……! イってしまうッッッ!!」
魔王ルクセリアは、Lv.∞の絶望の果てで、初めて知る「浄化という名の絶頂」を迎え、全身の力が抜け落ちて奏太の腕の中へ崩れ落ちた。ドス黒いオーラは霧散し、ただの恋する乙女のような熱い吐息だけが残る。
ルクセリアは、羞恥に顔を赤く染めながら、奏太の顔を覗き込んだ。
「フン。この私を童貞の力でイかせるとは……貴様、やはり私の独占物よ。浮気は許さないわ。他の女とイチャイチャさせないから」
そして彼女は、暗い輝きを放つブレスレットを奏太の手に握らせた。
「これを持っていきなさい。……婚約指輪の代わりよ。あなたが他の女に触れようとしたら、私は地の果てからでも、このLv.∞の穢れを撒き散らして邪魔しに行ってあげる。私が、貴方の『清浄な貞操』を、Lv.∞の穢れで守ってあげるわ」
それは、悲劇の連鎖を断ち切った、世界で最も不器用で清らかな「宣戦布告」であった。




