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篝火編 第十一話

著者:吉野玄冬 様(ココナラ

企画:mirai(mirama)

「おじいさん、誰?」

 アカネは初対面となるので、無邪気に問いかけていた。

「私の名前はゾフィール。セイジ君に仕事を頼んでいた者だよ」

「へぇぇ」

 その意味を分かっているのか分かっていないのか、何とも言えない声を漏らした。

 セイジはそんな彼女に対して言う。

「アカネ、悪いが外に出ておいてくれるか?」

「えー!? わたしも一緒にいたい~!」

「少し、大人の話ってやつがある。ゾフィール、近くに休める部屋はあるか?」

「君たちの為に部屋を用意している。案内させよう。君も今日は休んでいくといい」

「そいつは助かるな。俺もすぐに行くから、先に待っててくれ」

「むー」

 アカネは不満そうにしながらも、やって来た案内役のアンドロイドに付いていった。

 彼女がいなくなったところで、ゾフィールは言う。

「彼女に仕事内容を話していないようだね。ここでお別れになるわけだが、説得できないなんてことにはならないだろうね? 君も名残惜しい気持ちはあるだろう」

「問題ない」

 セイジが冷たい口調で答えると、ゾフィールは得心の頷きを見せた。

「それでは、ここまでの記録を提供してもらおう」

「……ああ」

 セイジは端末を操作して、アカネに関する記録をゾフィールへと送信する。

「確認した。後ほど、報酬を振り込んでおこう。さて、これで君への依頼は終了だが、何か訊いておきたいことはあるかな?」

「あいつを、どうするつもりだ?」

「滅びと救いは表裏一体だ。彼女の力を分析することで、停滞している文明の発展に役立ってもらう。もちろん、手荒な真似はしないさ。唯一無二の大切な存在、救世主だ。安心するといい」

 アカネには何の不自由もない待遇を用意しているように思えた。

 しかし、セイジは疑念を込めた問いかけを投げる。

「アゴットで俺達を襲ってきた奴ら、あれを差し向けたのは、お前だな?」

 ゾフィールは少しも申し訳なさそうな様子を見せず、当然のように頷いた。

「ああ、その通りだ。一度、彼女の力を確かめておきたくてね。君を殺す素振りを見せたのも演技に過ぎず、彼らの死についても悼む必要はない。ろくでもないことをして生きてきた連中だ」

「なるほど、な」

 あそこで何が起きるか未知数だったのは当然として、悪党の命への一切の容赦もない。

 半ば想像はしていたが、改めてゾフィールの態度を確かめたことで、その人間性を確信する。

 だからこそ、こんなところにアカネを置いてはいけない。セイジはそう覚悟を決めた。

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