24話 王様の遺言
俺は魔眼を隠すために両目をアイマスクのようなものでおおっている。千里眼みたいな能力で両目を塞いでいても目の前の景色ははっきり見える。
この千里眼のような能力は遠くもみえる。しかし、自分の周りの景色から徐々に遠くをみるので知ってる場所や知らない場所からピンポイントで見れる能力ではないらしい。この魔眼の便利な所は無機物をすり抜けて見ることができる。つまり、ドアや壁や建物の内側を見ることができる。デメリットは生き物、生物の体の中、内臓などを見ることができない。あと、まだ使い慣れていないのか人の服を透かして裸を見ることはできない。服を透かしてみれれば相手が服の中に凶器を隠していても気づくことができると思えば訓練した方がいいような気がするが、服を透かしてみれたら女性の裸をみたくなる衝動に意識がかられてしまうだろう。俺も男の子なのだ。女性の裸は興味あるから魔がさすかもしれない。
俺達は王がいる部屋へと入る。王様と会うのにアイマスクしてるのは少し無礼な気がしたが、この魔眼の能力がまだ完全には分からないので自分の目を相手の目に視線を合わせるのは良くない気がしたのだ。
「王よ。ご無沙汰しています」
「シンとシロよ。よくぞ来てくれた。隣にいる君がシンを助けるために頑張った五大貴族のレイヤー家の麒麟児かね。」
「この度は王宮に私などを呼んで戴き恐縮至極に存じます!」
「ステイシア君から聞いている。君がいなければもしかしたらこの王国が無くなっていたかもしれないとね。それにシンはこの国の希望なのだ。そのシンを救ってくれた君の勇姿はとても素晴らしいものだ」
「ありがたき御言葉」
「シンとシロ、そしてジン。お主らには魔族討伐の報酬をだすことに決まった。なにが欲しいかね?」
うーん、どうしたもんか。この国で職をもらったり貴族になったらこの国から離れられないしなー。
だからといって王様から魔族討伐の勲章を貰っても英雄扱いされて毎日いろんな人にからまれて日常生活に支障をきたすし。
「王様、俺は魔族討伐の勲章はいらないです」
「なぜかね?」
「俺達が魔族を倒したことをおおっぴろげにしたら魔族から俺達が狙われやすくなります」
「しかし、国としては魔族を討ち取ったことを国民に知らせ国民の安全が保障される国だと思ってもらう計画を大臣達が決めている」
「なので誰か適当な人物に魔族討伐の功績をすり替えてもらえないでしょうか?」
「そんな、国民を騙すようなことを王である私がするのは本当ならできないのだが魔眼で本人確認はする必要もないか。ならシンの言ってることはなるべく聞くようにと前国王の遺言だ。」
「前国王の遺言とはどういうことですか?」
「それを教えることは今はできない。すまない。ところで勲章いがいに欲しいものはあるかね?」
「ダンジョンに入れる権利と冒険者ギルドにこの歳で加入させてもらえないでしょうか?」
「もしかしてこの国にダンジョンがある事に気付いていたのか?」
「ええ、まぁそうです」
「そうか。あとで君達にダンジョンカードを渡す。ランクはDからだな。ダンジョンカードとは持ってるだけで国が無条件でダンジョンに入る事を許可するカードだ。ダンジョンカードのランクが上がれば難易度の高いダンジョンに入れる。冒険者ギルドには話をつけておいておこう。冒険者カードもあるからそれはのちほど」
「いろいろとワガママを言ってしまい申し訳ありません」
「良いのだ。お前のやることは結果としてこの国のためになると信じておるからな。」
「では失礼します」
俺達は王のいる部屋から出て行き家へと帰るのだった。
誰もいなくなった部屋で「アーサー王よ。あの子がこの国を作ったあなたの大事な師匠なんですね」と誰も聞いてないのは分かってはいたがこの言葉があの人に届いたならいいなと思うのだった。
現国王、ラクサス王の小さいつぶやきはそれを肯定するように静かだった。




