22話 生還と魔眼
俺は意識が戻り目の前の風景は見たことがある、それは紛れもなく自分の家となった自室の天井だった。俺は上半身を起こす。
「シン様私が、私が誰か分かりますか?」
「ステイシアさんでしょ?それより俺はいったい」
俺はいきなりステイシアさんに抱きしめられ、ステイシアさんの豊満な胸に顔が埋まる。いつもの俺なら窒息死するだろと抵抗したかもしれないがステイシアさんの鼻水をすするような涙の音を聞けば抵抗する気もなくなった。それに周りからも嗚咽が聞こえた。
俺はステイシアさんの背中を軽く摩った。そうするとステイシアさんは[おかえり]と言い涙乍らに俺から離れた。
ステイシアさんの隣には椅子にすわって涙を流しているジンがいる。
「ジー」
「シ、シィンお、俺は、うっぐ」
ジーは気持ちがすごい不安定なのか言葉を喋ることさえ覚束なかった。
「落ち着けジー、深呼吸しろ」
ジーは深呼吸しながらスーハーと言いながら呼吸を3回繰り返した。それでようやく落ち着いたのか喋り始めた。
「シンごめんよ!俺は俺が許せない、俺はあの時王国にいる家族や知り合いの命を優先した。俺はお前なら大丈夫だろうとシロちゃんに魔法をお前もろとも攻撃するように説得した。だが俺はお前が逃げる余裕がないからシロちゃんに魔法を使えと言った事を頭の隅においやったんだ。結局、俺はお前の命を奪うかもしれない選択をした。げんにお前は1週間、生死を彷徨うことになった。本当にステイシアさんにはもしかしたらシンは死ぬかもしれないと言われた。俺は自分勝手だ。シロちゃんが怒ってくれなかったら俺はとっくに罪悪感に押し潰されてた」
「ジー気にするな、俺達は友達だ。今度はお前が俺を守れるように特訓してやる」
「俺がお前を助けるくらい強くなるって一生無理な気がするけど」
「そんなことないぞ、それよりシロはまだ起きないのか」
ステイシアさんが驚く声をあげる。
「えっ?」
「なんで驚くんですか?」
その質問を変わりにジーが答える。
「だってお前は目を閉じたままなのになんで後ろにいるシロちゃんが寝てるのわかるんだ?」
「えっ、だって見えるから」
ステイシアさんが俺の顔に手を伸ばす。
「ちょっと失礼しますね」
俺の瞼をステイシアさんが開けるとみんなが驚愕していた。
「ステイシアさんこれはいったいどういうことですか?」
この部屋にいるシロを除いたジン、ステイシア、カレン、メロン、カリンがビックリしていた。
「私にも分からないけど古い文献で読んだ事があるわ。たまに魔眼と呼ばれる眼をもつものがいると。しかし、魔眼は生まれつきが多くさらに片目だけだと書いてあったわ」
「ふーん、俺の眼は右目が青で左目が白か」
俺の眼は左右違う色で瞳の部分が炎のように揺らいでいた。
「えっなんで鏡もないのに自分の目の色が分かるんだ?もしかしてシンのドッキリか」
「ドッキリじゃないけどいろいろこの目は見えるみたいだな」
「昔話で聞いたことがあります。魔王を倒した英雄が千里眼という能力を持っていたと」
「ステイシアさん博学なんですね」
「そんなことないですよ」
「話を戻しますけどその英雄も魔眼もちなんですか?」
「それは分からないわ、しかし、千里眼のような能力なのは確かね。これは王に報告しなければいけませんね」
「兄さん、兄さん!!!!」
シロは起きるなり俺に抱きついてきた。
そんなシロを俺は優しく頭を撫でた。
幼いながら華やかな美貌をシロは綻ばせる。
そんなシロをステイシアさんは微笑ましく眺めてここ1週間の話をした。
俺が瀕死の重傷をおっていることを確認したジーは急いで俺の家のステイシアさんを訪ねに行ったらしい。ジーもなんでステイシアさんに助けを求めたか分からないらしく直感だったらしい。でも、そのジーの判断は俺にとって幸運だった。このアラジン王国の一番の治癒師がステイシアさんだったらしい。更にステイシアさんは元王族のヒーラーだったみたいで王と面識があり急いで王宮にある医療機器を借りたらしい。火傷や体の傷はすぐステイシアさんが治してしまったらしいが俺の失った血液はどうにもならなくて出血多量で俺が死にそうだったらしい。しかし、俺の血液は少なく血をこれ以上とることはできなかった、なので血液型も分からずに適当に輸血したら確実に拒絶反応で俺が死ぬらしく八方塞がりだったみたいだ。しかし、シロがシロの血液を使えば俺が助かるといったらしい。ステイシアさんはその言葉を信じて医療機器でシロの血液を調べたら黄金の血だということが分かった。黄金の血とは全ての人類に輸血できるすごいものだった。それで俺はシロの血液を輸血してなんとか一命を取りとめた。もっともシロの血液をとれる量は少なく仕方なく血液を作る魔法薬を使ったらしい。




