18話 人を守る正義
俺とシロはメイドさんが作った朝食を食べ終わると学校へ行く準備をしていた。特待生は無料でもらえた制服を着る。特待生だといろいろと便宜がはかられる。俺にとって1番嬉しいのは特待生は昼までしか授業がないことだな。
「おーい、シン、シロ迎えに来たぞ」
俺はジーに待たせるのが悪いと思い、せっせと用意して玄関へ向かう。ジーが待っててくれるのはあいつが良い奴だからというのも分かっているがやはりミステリアスな俺達、兄妹のことに興味があるからだろう。友達も案外悪くない。前世で友達に裏切られて、そいつを助けて死んだなんて、思い返せば俺がまた友達を作ったというのは皮肉かもしれんが。
でもこんな学生生活があたりまえになるのなら幸福すぎて罰があたりそうだな。この心配はたぶん的中するかもな。この世界は死ぬことが近いのだ。簡単に言えば人間なんてそのへんの魔物と遭遇したら生きるか死ぬかの選択を余儀なくされる。もしかしたら人間同士の殺しあいも経験する人達が多いかもしれない。俺はあまりこの世界の一般常識は知らないけどこの異世界には前世の日本ほど医療が発達してるとは思えないし魔法で治癒できる人も少数だろう。そう思うとこの世界の人達の寿命は短いだろうな。
「待ってろジー今行く」
俺は魔族から人間達を守ることはできるのだろうか?圧倒的に戦闘経験の知識が足りない。転生しててもまだ子供だし妥協するしかないかな。
「シロも今行く」
俺はシロとジーと一緒に学校まで歩いていた。ジーは無表情で歩いている。なんか喋れよと思ったらジーは口を動かした。
「なぁ、今朝の情報紙みたか?」
「もしかしてあの新聞みたいなものか」
新聞なんて言葉この世界にはないだろうが、一応言ってみた。おおかた情報紙に書かれてた魔族の話をジーはしたいのだろう。
「新聞?なんだそれ。それより魔族の死体が道のとおりに転がってたんだってさ。詳しいことはどうでもいいがお前何か知ってるのか?」
子供とはいえ新しい情報が欲しいのか。情報は鮮度が命だとかなんとかっていう言い回しがあることを思い出すな。あるやつなんて情報を知ってて後悔したことがないとかいうやつもいたからなー。
知ってるのか?というぐらいだからほぼ情報紙にのってた魔族の事が俺と関係あると予想してるのか。
少し適当な確認を俺はとることにした。
「根拠は?」
「俺の家とお前の家の近くだったから」
「勘のいいガキは嫌い」
前世でのネタが言えて俺は満足だ。
「お前だって勘のいいガキじゃん」
ないす、ツッコミだな。残念なことに俺は鈍い方だがな。
「誰にも言うなよ、その魔族は俺が殺した」
「やっぱりか、信じられないけど。でもジャイゾーのときや空を飛ぶ魔法まで使える。お前すごいな」
ジーはそう言うと笑い出した。
「なに笑ってんだ気持ち悪いぞ。」
「俺ってさ2つ上の兄貴がいるんだけどさ俺より弱いんだよ。なにがいいたいかといえばお前ら兄妹を知って自分がいかに弱いか悟ったよ。」
「それのどこが面白いんだ?」
「お前ら兄妹が俺の目標になったってことさ。これでしばらくは楽しい人生おくれそうだよ」
「言っとくが早く強くならないとそのうち魔族が襲ってくるぞ」
「えっ?今なんて」
「噂をすればなんとやらだな。シロ魔力を放出して魔力感知しろ」
「うん、お兄ちゃん」
「どうしたんだシン」
「たぶん魔族だ。だけど片方はすごい魔力量だ」
「シロはジーを守れ、俺はちょっと行ってくる」
「「俺(私)も一緒に行く」」
「時間が惜しい。いいけど安全な場所にいろよ。それと万が一攻撃がきてもいいように魔法のシールドはれよ」
「死ぬなよシン」
ジーは重いプレッシャーかけてきやがった。余計に死にそうだぞ。このまま戦ったらお約束の展開で俺が死んだらどうすんだ?みたいなことを言ってしまったらさすがに可哀想だよな。
「あったりめぇだ。俺が負ければこの国の罪のない人達が死ぬかもしれない。俺は絶対に勝つ」
ちょっとふざけて英雄きどりの事を言ったがツッコまれないから俺が痛い人ではないか。
「信じてるからな」
なにを信じるんだよ、いや意味は分かるけどそんな台詞をはくぐらいならボスキャラを倒すときに言って欲しい。俺の中ではカインの言ってたあの方がボスだと思ってる。だから顎でいいように使われてる魔族なんて敵ではない。
「シロも」
シロは俺を過大評価しすぎ
可愛いから許すけど!




