模擬戦終わり
メラニーとエトムントの模擬戦が終わった後も模擬戦が続いた。色んな対戦を観て面白いと思った。皆それぞれの流派や身体の使い方が違う。サイモンが言っていた事が分かった気がする。
「剣術には流派で決まると言っている人がいるが、それは違う。個人の色を出してもいいと思っている。そうすれば流派を越えて自分の動きを見出すことが出来る。どんな形でもそれが一流だ」
僕が風神流の型の練習をしている時にそう言われた。だからこそ僕は身体の動かし方と風魔力と剣術の動きを自分の扱いやすいように動かすことがどれだけ大変だったか。
メラニーやエトムントのように流派はそれぞれ身に着けているけど、身体の部分的な動きが少しづつ違う。これがサイモンが言った「流派を越える」という事だと思う。
もちろんヴェラのように流派に縛られない場合もあるけど、それが大切だろう。
現にリン=フォン=レイティーンの動きも良い意味で型に嵌った戦い方をしていなかった。
本来の吸血鬼としての身体能力は抑えていたが簡単に相手の剣を躱しており風神流の型としては洗練されていた。
僕たち剣士コースの模擬戦が終わり教室に戻ろうと移動している最中、第一決闘場で模擬戦をしていた魔法コースの生徒が前を歩いていた。
すると何人かの生徒は後ろを振り向くと、エリ―が僕の方に来た。
「リオン~~~!」と毎日のように会っていたからか久しぶりエリ―の事を見た気がする。本当は全然久ぶりでもないんだけど。
「どうだった?」と質問するとエリ―は満面の笑みで尋ねて来た。
「知っているの?剣士コースが模擬戦をしていたこと」
「うん!エラ師匠から話を聞いている」
「話したの!?」
「実はね!私たち魔法コースの先生なんだ」
「そうだったんだ…」
いつの間にか話していたのか…。いやエリ―はエラの支援でここにいるから知らない間に色々と話しているんだろう。僕に対して変なことを吹き込んでいないかが心配だ。
するとエリ―は僕に挨拶をした後「その子は?」と聞いて来た。
隣を見るとヴェラがいた。いつの間にか話を聞いていたのか。ていうか僕の背後を周るのは辞めてほしい所だ。
「この人はヴェラ。模擬戦で僕の対戦相手だった子だ」
「ふ~ん…それで?え~とヴェラさん?何でリオンの隙をついて隣に立っているの?」
するとヴェラは首を傾げて数秒考え込んだ。
「何でだろう?」
その言葉にエリ―は「はい?」とだけ言いその場には不思議な空気が流れていた。
(おいおい。どういう空気になっている?誰か空気清浄機を連れてこい!)
「僕はリオンくんに興味が出たと思う」
「どういうこと?」エリ―は頬を膨らませて僕の方を睨んでいた。
(いや、知らねぇ~~~~)
何故か皆が見ている中で悪い空気になっているのは居心地が良くない。だからといって僕が何かいったらエリ―が変に怒るかもしれない。
(ていうか何でヴェラに対して口調が厳しいのか意味がわからない。嫉妬か?嫉妬なのか?)
そう考えているとメラニーがエリ―に話しかけた。
「エリーちゃん。今みんなが見ているから一旦それぞれの教室に戻ろう」
「うん…わかった」
そう返事すると二人はそのまま歩いた。
去り際メラニーがこちらを睨んでいた。
(いや何で睨まれる?)
すると背後から肩をトントンと叩かれ右腕を左肩に乗せられたので振り返るとエトムント・フォン・ハンシュタインがニヤニヤしていた。
「何だよ!気持ち悪い顔して」と乗せられた腕が邪魔だったから回して払った。
「いい女知り合いがいるじゃん?」と耳打ちで話しかけられた。
「ただの幼馴染だ!」
そう言い僕も逃げるようにその場から歩いて教室に戻った。




