ダンジョン(6)
目の前にいる巨体の魔物の前でも冷静で居られる理由は、昔グリフィンと戦ったことがあるからだ。
あの日、初めての魔物相手や自分の実力では討伐することは出来ないと理解していたから無理だったことがわかった。
ただ今は僕も強くなった。魔法はもちろん剣術も人並みに扱う事が出来るようになっている。周りの環境に恵まれていると思う。流石女神様の力で転生させてもらっただけのことはある。
自分自身も異世界に来て変わっていると思う。昔のように就活で後悔しないように…日々の積み重ねで自分の手でどんな困難なことでも掴み取ってみせる!
「行くぞ!メラニー!!」
「分かっているわ!」
「エリ―!援護よろしく!!」
「任せて!」
リオンは走り出した!風魔力を発動していた。年齢にそぐわない速さでオークに向かっていたためオーク自身も自身の間合いに入ったことに気づくのが遅れていた。オークは素早く斧を僕に目掛けて振りかぶって脳天から真っ二つに割ろうとしていたが、次の瞬間オークの顔に目掛けて跳躍した。
オークの表情は崩れていた。自分の命が危ないと理解したんだろう。
僕はオークの視力を奪うため顔に目掛けて跳躍して風神一剣を繰り出した。その風神一剣でオークの顔にバツの記が刻まれたと同時に両目も斬られ視力を失うことになった。
オークは視力を失ったことにより無差別に斧を振り回し、足元もおぼつかないためダンジョン内の洞窟内にも無差別に攻撃するようになり、頭上から瓦礫が落ちるという非常事態に陥った。ただグループ内のリーダーが各々のグループメンバーを守っている。
それでもいつまで時間が持つかわからない。そのため他のグループに危害が及ばないように早めにオークを討伐しないといけない。ただ僕はまだ跳躍した後だ。
そう頭で考えているともう一体のオークが僕に目掛けて攻撃を仕掛けてきた。
空中で僕が避ける行動をしたら魔力持ちだという事が完全にバレてしまう。
どうしようか考えていると「守れ!水の壁!!」と後方にいるエリ―の魔法で僕を守ってくれた。
そのおかげで僕は風魔力を巧みに扱い怪我することなく着地することが出来た。
振り返って「ありがとう!」とエリ―に感謝すると「リオン!上!!!!」とエリ―の緊張感のある声が返ってきた。
僕は上を見上げると大きな瓦礫が落ちていた。エリ―の援護も間に合わない!僕は最大の風魔力で避けようとしたらメラニーが瓦礫を真っ二つに割ってくれた。
「大丈夫!?」
「ああ」
「よそ見しないでね」
「そうだね!ごめん!!」と謝った。
僕は冷静に戦況を見た。僕のせいで一体のオークが暴れている。そしてもう一体のオークは完全に僕にキレている。どうやらオークには仲間意識があるようだ。仲間意識があるのは厄介な敵と考えることも出来るけど、逆にこの戦況をうまく生かすことが出来るはずだ!
「エリー!目の見えないオークに対して魔法で攻撃し続けてくれ!」
「え!?いいけど…余計に暴れるんじゃないの?」
「心配ない!攻撃してくれ!!」
「わかったわ!」と返事をすると「解き放て!水氷柱!!」と一番得意な魔法で攻撃をし続けた。するとオークの動きは止まり「グアアアアア!!!!」と痛がっている。
この瞬間を逃すわけにはいかない!
「今だメラニー!トドメを刺せ!!」
僕の声に反応した彼女はオークの首に目掛けて跳躍した。
流石、基本的な動きが出来ている。風魔力を使って嘘の跳躍じゃなく純粋な跳躍が出来ている。オークは視力は見えてないはずなのに残りの五感の感覚でメラニーに攻撃を仕掛けたが、彼女の蛇神二剣によって首が斬り落とされた。
その様子を仲間意識のあるもう一体のオークが見ていた。その瞬間を見過ごさなかった僕はオークの懐に入り風魔力で跳躍し確実に討伐するため首元に狙いを定めた。
「風神流!風神二剣!!」と三連撃首元だけに集中すると、首元が弱点のオーク相手には簡単に斬り落とされた…。
こうして僕らのグループがオーク二体を討伐し、紫色の魔石を手に入れることに成功した。




