ダンジョン(5)
私とメラニーはリンさんと一緒に魔物を倒しながらダンジョンを攻略していった。
最初の方は警戒していたが、数十分も一緒に行動していると仲が深まった気がする。
リンさんのグループは、私のような平民相手にも良く接してくれる。他のグループメンバーも階級制度に興味がないようだった。
私はつい「平民の私と一緒でもいいんですか?」と聞いてしまった。
すると「私は上級貴族や下級貴族、平民といった階級制度よりも実力主義派です。つまり私が認めた人間は凄いってことです!」と応えてくれた。
私がスパイダー相手に魔法を発動している時、横でグループに指示していたリンさんに質問された。
「エリーさんは、詠唱を省略しているんですね」
その質問に嬉しくなった私は饒舌に応えた。
「あっ!わかります?これ教えてくれたの私の幼馴染のリオンっていうんですけど…。さっきまで一緒に行動していたんですけど一人でダンジョンを探索してます」
「それじゃあそのリオンっていう子がアナタの師匠のような人ってこと?」
「師匠は別にいるけど…そうね…私の憧れはリオンしかいないわ」
「そう…凄く素敵ね!」
「リンさんにはいないんですか?憧れる人というか…尊敬する人」
私がそう聞くと、リンさんは笑って「私もいるよ。尊敬ていうか気になっている人」
「えええ!私に教えてください!」
「それじゃあ今度、私の家に来て!そこで色々話しましょう」
「いいんですか!」
「ええ、もし心配でしたらメラニーさんもご一緒に来てください」
「ありがとう!リンさん」
こうして私はリンさんも友達になることが出来た!
ーーーーー
入学式の時、私の目に写った人間がいた。
その子は、人間なのに私と楽しく戦うことが出来た子。
彼は、まだ人間界では子供なのに吸血鬼相手に戦い抜いた人間。
そして私が好きになった初めての人間の子だった。
家に帰ってママに話をしたら「その子の血はとても美味しそうね…」とママの八重歯が伸びた。
ダメだ!ママには内緒で彼とコンタクトとる必要がある。
そう思って街にまた出向いたのに彼はいなくなった。
だから私は諦めた。
【ラヴィーバル学園】で新入生代表挨拶の時に彼の存在に気づいた。
(彼だ…。人間界で唯一私が認めた人間)
おそろく彼も私の存在に気づいた。
ただ彼は私のことを調べ上げようとするだろう。
(私としては意識してくれるだけ嬉しいけどね)
ただそんな彼の事が好きな人が今私の隣にいる。
名前はエリー。彼女は彼を呼び出す餌には丁度いいかも知れない。
ただ今はリン・フォン・レイティーンとして【ラヴィーバル学園】の生徒。
試験に集中する必要がある。




