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闇に恋して  作者: 冴島月ノ助
月夜美
73/126

第二景・鵺

ぬえだ! 鵺が現れたぞ!!」


 怨霊に囲まれた仮面の男。

 その姿は奇怪にして、異質。



 ***



 大久保のソロダンスシーン。

 鵺の苦悩と悲しみを表現した序盤の見せ場だ。


「ねぇ、あの仮面の人誰かな?」

「……九条先輩?」

「でも今回は監督兼演出だから、本編には出ないって聞いたよ?」


 客席で観ていた真由の耳に、隣の席に座る女子のひそひそ話が聞こえてくる。

 あれは紛れもなく大久保だ。

 しかし仮面の演出は聞いていない。


(急遽変更……?)


 今回、舞台に関する情報は題名と恋愛モノである事以外は伏せられていた。

 それはあの大久保龍一が恋愛モノに……という衝撃を客に直に与えるための九条の戦略であった。

 いつもは表舞台には立たず九条のサポート役が多い大久保。

 出演者として舞台に立つのは、ショータイムを除いて初めての事だった。


(あれじゃ、誰か分からないじゃん)


 真由は観ている人に伝わらないもどかしさを感じていた。

 普段大久保の性格に問題があると思っているが、こうして黙って踊っていると最高にかっこいい。


(九条先輩、なんであんな演出を……?)



 ***



「あれはどういう事だ? 何故お前がここにいる、夕樹?」


 もう大久保が舞台に出てしまい九条が止められないと踏んだ 夕樹は、掴んでいた九条の腕を離した。


「あれは、美月が……」

「眼鏡さんが?」

「顔さえ見えなければ何とかなるっていう苦肉の策ですよ」

「大久保がいなくなったのもこれに協力するため?」

「まさか大久保先輩がこんなに協力的だとは思いませんでしたけど」

「僕が止めないよう阻止するのも眼鏡さんの指示かな?」

「そういう訳なんで、俺はこれで……」


 そう言って夕樹が舞台裏から立ち去ろうとすると、今度は九条が夕樹の腕を掴む。


「……な、んスか?」

「手伝って!」

「え、なんで?」

「君の主人が勝手にあれこれしてくれたおかげで仕事が増えちゃったんだよね〜」

「……あーもう、分かりましたよ」


 降参したみたいに夕樹が両手を上げる。

 九条が微笑みかけると、面倒くさそうに溜息をついた。


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