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いやシーフードパスタに舌鼓を打ってる場合じゃなかった……!
わたしが料理をちゃんと完食したことで、本当に体調が悪いわけじゃないと分かってくれたアルベルトさんと共に、わたしは街を散策することとなった。
それはいいんだけど、これからどうしたらいいのか……。
フィオディーナとして術具の修理……というか、魔力込めをしていたわけだけど、あれ、わたしにもできるのかな……。術具は当然として、魔力なんて前世にはなかったから、扱い方も分からない。目に見えるものだったならまだしも、視認できないのであれば感覚頼りなわけで……。
「……フィー? どこへ行くんだ?」
「え?」
ぐい、と腕を引っ張られ、わたしは我に返る。つつがなく雑談しながら街を歩いていたつもりだったのに、意識が考えごとに飛んでいたからか、無意識に道を逸れようとしてしまっていたようだ。
このまま曲がっていたら、大通りからそれて、裏道へと行っていただろう。人が全くいない、というほどさびれた道ではないけれど、明らかに観光客向けの店が並ぶ大通りとは雰囲気が全然違う。
「気になる店でも見つけたか?」
「……いや……」
看板らしきものすら見当たらず、店があるのかすら分からない。特別いい匂いや気になる音がしてくる、なんてこともない。
なんで今、わたし曲がろうとしたんだろう……。……、もしかして、ここから逃げたいという思いが、体に現れてしまったとか……!?
ちょっとふらついただけで曲がるつもりはなかった、とか、そういう誤魔化し方ではさっきみたいに心配をかけるだけだろう。
「あ、あまりエンティパイアでは見ない風景だったので……。小道一つも興味深いと言いますか……」
厳しい言い訳か……? と思ったけれど、アルベルトさんは納得いった、というような表情を見せ、「……じゃあ、こっちに行ってみるか? この辺は住宅が少ねぇし、何かしらの店はあると思うぜ?」と言ってくれる。
「あ、じゃあ……そうします、わ」
気を使わせてしまっただろうか。でも、ここでやっぱいい、と言う勇気はなかった。わざわざ曲がろうとしたくらいだもん……。アルベルトさん視点からすれば、勝手に行動してまで気になるものがあったように見えるはず。
わたしとしては、別に気になるものがあったわけじゃないから、アルベルトさんが当初予定していた方で構わないけれど、我慢しているように感じられれば、譲り合い合戦が起きてしまうだろう。こういうのは、迷惑が多大でなければ折れてしまった方がいいのである。
「じゃあ、こっちに進路変更だな!」
にか、と笑ってくれたのが、せめてもの救いだな。




