欲張りアイスの三姉妹♪ベリベリベリーなフローズン【魔】
澄み渡る青い空、そんな空にはまるで大きなソフトクリームがぐるぐると渦を巻いているかのように浮かんでいた。風も穏やかでやや暑さが勝るそんな中、今日もリゾート地はたくさんの人で賑わっていた。空と同じ色の海ではしゃぐ人もいれば、ボートにのってゆらゆら揺れている人もいれば、大きなパラソルの下で冷たいドリンクを楽しむ人もいた。みんなが思い思いの時間を過ごしていると、どこからともなく綺麗な羽をした鳥が舞い降りた。桃とマンゴーのような羽をもつ鳥、オレンジのような羽をもつ鳥、ピンクグレープフルーツのような羽をもつ鳥の三羽がまるで歌を歌うようにさえずりながらリゾート地へとやってきた。
「ママ、見て。きれいな鳥さんだよ!」
「あら本当。どこからきたのかしら」
子供が指をさし、親がその子供のさす指を追いかけていった。三羽の鳥たちは空を泳ぎ、大きなヤシの木にとまり羽を休めた。特に逃げる様子が見えないことから、こちらの様子をきちんと理解しているような三羽の鳥たちに興味が注がれていた。
「鳥さん、喉乾いていないかな」
子供が注文したフルーツの盛り合わせを小皿に移し、そっとテーブルの端に置くと三羽の鳥の内オレンジの鳥がそれに気が付き音もなく羽ばたきフルーツが盛られた更に近付いた。これはなんだろうと不思議そうに首を傾げているオレンジの鳥だが、小さくフルーツをついばむと段々と勢いを増しながらついばんでいった。まるで「美味しい」とばかりに小さくさえずると、他の二色の鳥もそれに続き、果汁たっぷりのフルーツで喉を潤した。やがて喉が潤った三羽の鳥たちが向かったのは大きな食堂のベランダ席だった。ここなら日陰だし涼しい風が循環していると判断した三羽の鳥たちは、ちょこんと立つと可愛らしい歌声を披露した。高い音、低い音、その間の音を器用に使いながら即興で歌ってくれているような鳥たちに、みんなは静かに耳を立てていた。それは休憩をしている人たちだけでなく、お店で働く人たちもそうだった。三羽の鳥たちが歌っている間、誰もがその音色に身も心も預けていた。
素敵な時間はあっという間に過ぎるもので、三羽の鳥たちは羽をばさばさを動かすと最後に全員の頭上を滑空し始めた。まるで「聞いてくれてありがとう」とばかりに、ぴいぴいと鳴きながら滑空し、ここにいる全員分の頭上を回り終えると三羽の鳥たちは再び夏色広がる大きな空へと泳ぎにいった。




