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シーラカンスの眠り  作者: セツ


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7/10

ACT7 高層ビル群

 2回目の前世療法CDを試してみて寝落ちしてしまった蒼太だったが、見えた光景が半獣半人の異形達や、ピラミッドに似た遺跡だったので、

(ベタ過ぎ……厨二病が炸裂って感じで、斑目桂さんには相談しづらいな……もう何回か前世療法CDやってみて、普通そうな光景が見えたら桂さんに報告しよう……アタオカと思われてもな……)

と思い、霊能者を謳う斑目桂が言っていた「古い〈先祖返り〉のきっかけ」にあの光景が該当するとも思えず、普通そうな光景が見えたら報告しようと保留にしたのであった。


 週末。

 最近両親がアルカイックスマイルばかり浮かべて薄気味悪いので自宅にいても落ち着かないし、友人達も両親のようになりかけていてあまり会いたくないので、街中を独りでぶらついていた。

 そんな時、街中で黒フードの人影を見かけ、好奇心から後を尾けてみることにしたのだった……。

 

 黒フードの人影達の目的地は、都心部の高層ビル群であった。その一角に吸い込まれるように彼らは消えたのであった。そのビルの名は”ソル”と言った。

 初夏の日差しがアスファルトに照り返し、ゆらゆらと陽炎を発生させていた。

 黒フード達が吸い込まれたビル出入り口には警備員がいたが、蒼太をチラリと見ただけで特に何も言わなかった。近くに商業施設があり、おのぼりさんの観光スポットとなっているので、出入りが比較的自由なのかもしれない。

 エレベーター表示を見たところ、上層階への直結エレベーターが別枠であるようで、そこはエントランスから少し離れていた。尾行してきた黒フードは別の黒フード達も現れ、機械で顔認証っぽい事をしてから上層階行きエレベーターに乗り込んでいた。


 蒼太はトイレを探すような振りで、さりげなくそのエントランス奥にあるエレベーターの前に立ってみた。機械をじっと見ていたら何故か機械が反応した。

『entry ok』という表示が機械のスクリーンに出た。


(何故? 恐いんですけど……罠?)


勝手にエレベーターが降りてきて扉が開いた。


(好奇心は猫を殺すだっけ……このまま失踪になったら恐いな。最近、親や友達みな変だしな……メッセージ残しても黙殺されそう……被害妄想? とりあえず行ってみるか)


 週末の暇も手伝い、蒼太はとりあえずエレベーターに乗り込み、上層階に行ってみることにしたのであった。

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