Under the shining stars (完)
連投二話目です!
前話を未読の方はぜひそちらからお読みください。
豪華な夕食が終了した後、帰りはエーベが私を部屋に送ってくれた。
「レイラについては・・・。本当にごめんね。」
「大丈夫だよ。」
「本当は彼女には一緒にプロヴァンツァーレ国に付いてきてもらおうと思ったけれどもう少し訓練させてから呼ぶことにするよ」
「えっそうだったの?」
エーベは私の手を繋ぎながらゆっくりと廊下を進んでいく。
「うん。僕、ハルトの代わりにレイラをって考えていたんだけど主従の関係を理解できていなかったみたいだ。本当にごめんね?」
エーベは立ち止まると私に許しを請うように見つめた。
「エーベは深く考えすぎ。レイラさんにつけちゃ駄目だよ?そっちの方が私は怒るからね」
「うん。ありがと」
そうしてしばらく歩いていると私の部屋の前に到着した。
「部屋にはもうバレリアさんがいると思うから」
「うん。ありがと」
私はそっとエーベの手を離した。するとエーベは再び私の手を掴んで
「明日」
「明日?」
「一緒に星空を見に行かない?」
「うん。いいよ」
私の返事にエーベはとても嬉しそうに頷いた。
「じゃあ、迎えに行くから待っててほしい」
「分かった」
そう言うとエーベは私の指先に軽く口付けるとそのまま帰っていった。
私も自分の部屋の扉を開けると
「アンニーナ様!!!」
バレリアが嬉しそうにこちらに駆け寄ってきた。
バレリアと少しお話をしたかったけど、夜も深くなってきたのでとりあえずお風呂に入って寝る準備をしてくださいと促された。
さすがに塔の上にある貴族牢とは違い設備がとても良かった。
久しぶりに大き目の浴槽で体を温めるとすぐに眠気が襲ってきた。
そしてそのままベッドに入り眠りについた。
翌日、朝早くに起こされ部屋で朝食をとるとバレリアと顔見知りのメイド達が私を磨き上げる為に待機していた。
「さて、今日は公式の謁見から始まり各所関係者との会談などがあります。我が国の文官も待機しておりますゆえ先に衣装をお着替えしていただいてから細かい身支度をさせていただきます」
「はい、よろしくお願いします」
久しぶりの光景に一気に現実に引き戻された気分だった。
※※※
ようやく一日が終わり公式な衣装から少し楽な衣服に着替えることができた。
「あれ?今日はもう何もないよね?」
その割には私はモコモコと色々な防寒具をバレリアによって着せられていた。
バレリアはウフフと笑いながら
「忙しくてお忘れになったのですか?」
私はん?ん?と思い出そうと悩んでいると
「アンニーナ!お待たせ!」
扉が突然開きエーベが私に近づいてきた。
私よりは着込んでいないけどエーベも防寒具を見にまとっていた。
「あっ!星空!」
「そうだよ。昨日約束してたのに忘れてたの?」
エーベは少し悲しそうな表情をした。
「あっ、でも今日はこの国にきて初めての公務だったか・・・。ごめんね。疲れていたんだね」
「ううん。大丈夫。エーベについて行くよ」
「じゃあ早速行こう!」
エーベは私の手を取るとバレリアに会釈をして部屋を飛び出した。
しばらくエーベに手を引かれながら後をついて行くと
「あれ?ここ?」
「うん。アンニーナは懐かしい?かな?」
エーベが連れてきたのは私がずっと閉じ込められていた塔だった。
「ここの最上階の見晴らしが一番きれいなんだ」
塔の最上階までは少し距離があるので二人で身体強化をかけ飛ぶように階段を駆け上がった。
数分後、私がいた貴族牢よりも上の階の部屋のバルコニーに備え付けられている梯子から屋根の上に登る。
屋根の上に足を投げ出して座った。
少し怖かったけど、上を見上げると夜の空一面に星が輝いていた。
冷たい空気で空が澄んで見える。プロヴァンツァーレとはまた違った星空だった。
私とエーベはしばらく何も話さずに空を見続けていた。
「アンニーナ」
「ん?」
私はエーベの方を向くと寒さで鼻が少し赤くなっているエーベが真剣にこちらを見ていた。
そして、私の手をとりそっと立たせた。
エーベは跪いたまま私の両方の指先を握る。
「アンニーナ・プロヴェンツァーレ 永遠に貴方の傍にいる栄誉を私に下さいませんか」
エーベは緊張しているのか硬い声で私に許しを請う。
「はい。貴方と共に」すぐに答えた。
私はエーベをそっと立ち上がらせ今度は自分が跪いた。
「エーベハルト・ヒエムス・セプテントリオ 私と共にプロヴァンツァーレを守ってくださいますか?」
エーベは目元を潤ませながら
「はい。貴方と共に」
そう言うと私をグイっと立ち上がらせそのまま抱きしめた。
ちょっとだけバランスが崩れて足元が見えて怖かったのはご愛敬。
「愛してます。アンニーナ・・・。」
「私も、ようやく貴方への気持ちを・・・。大好き!気づくのが遅くてごめんね」
そのまま二人は見つめあい。
アンニーナは瞳を閉じてエーベからの口付けを待った。
痛いぐらい冷たい空気の中アンニーナの唇だけは温かさを取り戻した。
<終わり>
一応今回が最終回です。
もう少しだけ番外編を書く予定です。
アンニーナとエーベハルトの(婚前)旅行はこれでおしまいです。
拙い物語でしたが最後までお付き合いありがとうございました。
2026/7/28 鈴木澪人
最後までお読みいただきありがとうございました。




