表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
うっかり王女適当に返事をした王子が魔法で縛ってきたのでサクッと解術してもらうことにしました。  作者: 鈴木 澪人
セプテントリオ国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/103

冬麗の陽気に包まれてやっと二人の時間を持つことができました。

 エーベに案内された部屋は、ほぼ王族のプライベートエリアの隣の位置にあった。

国賓扱いとは違うよね?どちらかと言うと久しぶりの里帰りみたいな雰囲気だった。


「ここがアンニーナの部屋だよ!本当は初日からこちらで過ごしてもらおうと思っていたのに・・・。」


エーベは今までの事を色々と思い出したのか下唇を噛みながら下を向いた。


「まあもう終わった事だし、いいじゃない。ほらもっとお部屋を案内してよ!」


私はエーベの裾を掴みツンツンと引っ張った。するとエーベがその手を掴み私を自分の胸元に引き寄せる。


「ごめん・・・。本当にごめんね」


私も自分の気持ちに気づいているから・・・。そのままエーベの背中に手を回しギュッと抱きしめ返した。一瞬エーベの体がビクッとなったが優しく包み込んでくれた。


しばらくエーベの暖かさに身を委ねているとエーベが私をそっと離しそのまま顔が近づいてきた・・・。


「アンニーナ・・・」


私もね、一瞬迷ったのよ。キスぐらいならいいかなぁ~って。

でも、まだ解決していないこともあるし一旦近づいてきたエーベの口を両手で塞いだ。

エーベはそのままキスできると思ったらしく面白いぐらい驚いていた。

大きく見開いてから状況を理解してジト目でこちらをみるというなんとも愉快な表現を瞳だけでしてくれたのだった。


「どうやらお部屋の案内は終了しているみたいだから、私と少しお話しましょうね?」


「何か話し合う事があったかな?」


エーベは本当に思いつかないらしくそのまま部屋のソファーへ私を連れていきながらやはり隣座り悩んでいた。


私は小さく溜息を付きながら


「マリウスさんのことだよ。エーベ、どうしてマリウスさんに呪いをかけたの?」


私の言葉でエーベはようやく思いついたらしくプイと目をそらしながら口を尖らせて言い訳を言い始めた。


「だって、僕はアンニーナに会う事が出来ないのにマリウスは会いに行ける(監視できる)んだよ?おまけに、〝アンニーナちゃん〟なんて呼んでさ。許せるわけないよね?」


「100歩譲ってラート兄上に軟禁されていてもアンニーナのお世話をするのは僕で十分だと思うんだ。バレリアさんも他の使用人の方と一緒に待機してもらったらほらもう二人だけの世界になるわけだし?」


エーベの発想がちょっと怖い事になりつつあったので話を軌道修正しよう。うん。じゃないと怖い結末を迎えるような気がする。


「とりあえず、これからはだれかれ構わず焼きもちやいちゃだめだよ?ずっと二人だけで過ごせる立場じゃないのはエーベも理解しているよね?」


「うん。そうだね・・・。僕が我慢すればいいだけだもんね。ってこれからもアンニーナの傍にいて良いの?」


エーベは私の言っている内容を理解したらしく途中から花が咲くように表情を輝かせた。

私だってこれ以上エーベを待たせるわけにはいかないし・・・ね?


エーベは私の両手をそっと握ると自分の額に当てた。


「本当に数日間だけどアンニーナに会えない日々は辛かったんだ。想い人が近くにいるのにと思うと身が引き裂かれそうだった。想像してみてよ、小さい頃から当たり前の様に近くにいたのに突然離れ離れになる悲劇を・・・。でもこうして想い合っての再会に僕は本当に感謝しかないよ」


エーベの最後の言葉は気持ちが乗ってしまったのか少し震えていた。


「離れ離れになって寂しいって思っていたのはエーベだけじゃないんだからね!」


私の返答に驚いたエーベがそっと顔を上げた。


「そりゃ、エーベに比べるとこの気持ちを自覚したのは本当に最近だけど会えない時に寂しいし悲しい気持ちになったのはエーベと同じぐらいだと思ってる」


まあ、母国から書類をガンガン送り付けられてそちらにイラっとしていたけどね!


「だから、エーベのその気持ちは自分だけって思うのは・・・止めて欲しい」


私もなんだか恥ずかしくなってプイっとエーベみたいに横を向いてしまった。

仕返しって感じだよね。


「アンニーナ!!」


エーベは再び私を抱きしめると、耳元で「大好き」とか「もう離さない」とか聞いているこちらが解けそうになるような愛情表現をいっぱい浴びせてきた。かなり恥ずかしい。


絶対私の耳元は真っ赤になっているとお・も・う!


エーベに抱きしめられているとドアをノックする音が聞こえた。

私は慌ててエーベから剥がれようとしたけどエーベの力が強くて無理だった。


「誰?」


エーベは少し冷たい口調で尋ねると


「レイラです」


と綺麗な声がドアの向こう側から聞こえてきた。

エーベは小さく溜息を付いた後私をそっと離した。


「どうぞ」


う~ん。この部屋私にあてがわれた部屋だよね?どうしてエーベが答えちゃうの?


「失礼します。もうすぐ夕食の準備ができるとのことです。エーベお兄様もご準備をしてくださいとの伝言です」


ん?エーベお兄様?


私は不思議そうに二人を眺めているとエーベが立ち上がりレイラの方に向かっていく。

そして、レイラの肩をそっと触りながら


「彼女は僕の従姉のレイラだよ。レイラ、こちらはプロヴァンツァーレ国アンニーナ・プロヴェンツァーレ王女だよ」


と簡単に紹介してくれた。

レイラは正式なカーテシーを再びしてくれた。

私は会釈だけしておいた。


「じゃあ、僕は一旦自分の部屋に戻るね。夕食会場まではレイラに案内してもらってね」


「えっ?そうなの?」


エーベは私の近くにくると耳元で


「落ち着いたら以前話していた星を見にいこう。」


とだけ言うとそのまま部屋を出ていってしまった。


私は少し気まずくてどうしようかな~って悩んでいると。


「アンニーナ様ももう少ししましたら夕食会場にご案内しますね。」


とレイラさんに微笑まれながら教えてくれた。


「あっ、はい。よろしくお願いします」


「いえいえ、私もエーベお兄様の想い人にあってみたかったので、案内を立候補してみました。ライバルよりも私の方がいいってエーベお兄様に言われたので・・・」


「そうなんですね」


「アンニーナ様もご存じの通りエーベお兄様は本当にお優しい人ですからね」


私はレイラさんの言葉にモヤモヤしながら夕食会場に案内してもらった。

・マリウス・セプテントリオ

   エーベハルト達のお父さんの弟の子ども、つまり従兄です。

   王位継承権がない為、ヒエムスはついていません。

   今回コンラートの指示によって色々働かされています。がんばって!

 ・レイラ・セプテントリオ

  マリウスの妹



最後までお読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ