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うっかり王女適当に返事をした王子が魔法で縛ってきたのでサクッと解術してもらうことにしました。  作者: 鈴木 澪人
セプテントリオ国編

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冬麗の陽気にようやく気付き始めて困惑王族と話し合い Ⅳ

 「で、あなたはこんな可愛い女の子に大人げない意地悪をいっぱいしたって事なのね」


コンラート王太子殿下の奥様ヴァルマ様に手を引かれてソファーに座った。

その様子を困った表情で見守っているコンラート王太子がいた。


「ヴィー、あまり怒らないで。ヴィーの可愛いお顔が怖くなってしまうよ・・・。」


私は、王太子殿下に改めて挨拶をしようと思った矢先に聞こえてきた言葉。

ん?えっ?誰?コノヒトダレ?


私はコンラート夫妻の会話を聞きながら固まってしまった。


私をソファーに座らせた後、ヴァルマ様はコンラート王太子殿下の隣に座るとさっきの言葉を夫に言い放った。


「・・・。ラート、あなた自分の娘がアンニーナちゃんみたいに意地悪をされていたらどんな気持ちになるの?嫌な気持ちになって消しちゃう(抹殺)でしょ?」


「うっ。そうだね。殺しちゃうかも」


「自分がされて嫌な事は他人にしないってご自分の子どもにも教えていますよね?」


「うん」


 私は一体何を見せられているのだろう。夫婦の会話ってやつかな?それも夫が尻にひかれているやつだ。放心状態でその会話を聞いていると横からスッとお茶を出してくれた。

さっきの執事さんかな。そして私の耳元で


「申し訳ございません。今しばらくお待ちください。」と言うと一礼をしてどこかへ消えてしまった。


うん。このお茶を飲みながら待機すればいいのかな?

わ~美味しいぃ~。そして温まるわ。


「僕だって少しは痛い目をしたんだよ?」


話の流れが私がわき腹に一発入れた内容になったみたいだった。それは、ごめんなさいです。


「はぁ~。少女に隙を見せて入れらる(殴られる)方が悪いのです。油断しなければ避けれたはずでしょ?」


ヴァルマ様の言葉に言い返すことができないコンラート王太子殿下は最終的に「あ~」とか「う~」しか言えなくなっていた。すごいね。論破だね。


「さあ、ラートきちんと謝りなさい!」


その口調はもう子どもに注意する母親にしか見えなかった。

コンラート王太子殿下は私の方をチラチラと見ながら。


「この度は、プロヴァンツァーレ王女に・・・。」


「アンニーナちゃんでしょ?誠意をもって謝る気あんの?」


あれ?ヴァルマ様の様子がおかしい?


「アンニーナちゃん、意地悪してごめんなさい!!」


突然コンラート王太子殿下が立ち上がり頭を下げた。

私は驚いて立ち上がり


「こちらこそなんか色々すみませんでしたぁ~」


脊髄反射で謝罪した。


二人とも頭を下げた状態を見たヴァルマ様は小さくパチパチと拍手をすると


「はい、仲直りの握手もしちゃいなさい」と提案してきたので私とコンラート王太子殿下は視線を合わせた後ガシッと漢の握手をした。


なんかすぐにヴァルマ様の提案(お願い)を実行しないと怖い事になるって野生の勘で感じたからとかじゃないからね。(王族も空気とかちゃんと読めるからね!)


「これで一件落着ね。さてと改めて皆を呼んで頂戴!」


ヴァルマ様の一言でさっきの執事が誰かに伝言を伝えた。

しばらくすると私が入ってきた扉とは別の扉がガチャリと開かれた。


ゾロゾロとコンラート王太子殿下に似た人たちが会話をしながら入ってきた。

もちろんそのうちの一人は私が良く知ってる人だった。


「アンニーナ!」


エーベハルトは私を見つけるとギュッと抱きしめて当たり前のように隣に座った。

後の二人はそれぞれ一人用のソファーに腰を落ち着かせた。


少し凹んでいたコンラート王太子殿下が「コホン」と軽く咳ばらいをすると


「アンニーナちゃん、きちんと自己紹介をしていなかったね。私はこのセプテントリオ国の長男で王太子も兼ねているコンラートだ。これからはラート兄様と呼んで欲しい」


コンラート王太子殿下の自己紹介中に私の名前を呼んだことが気に入らないエーベが私だけに聞こえる声で「は?どうして名前を呼んでるの?」と小さくキレていた。


「ほぼ初めましてだね。私は次男のラインハルトだよ。アンニーナちゃんときちんとお話する機会ができて本当に良かったよ。私は主にラート兄上の補佐をしているんだ。私の事はライ兄様って呼んでね。よろしくね」


「よぉ!この前は助けてくれてありがとな!俺は三男のブルクハルトだ。ブルク兄様って呼んでくれよな。また機会があれば俺とも一緒に魔物討伐行こうぜ!アンニーナは強そうだから絶対楽しいと思うんだ!」


「ちょっと!どうして兄様方は勝手にアンニーナって呼んでいるんですか!姫でいいじゃないですか?マリウス達とも話しましたよね?」


「エーベ君!お兄ちゃん達にそんな言い方はダメですよ。そんなに嫌だったらエーベ君だけが呼べる名前をアンニーナちゃんと決めればいいのですから!」


またしてもヴァルマさんが注意してくれた。


「ヴァルマ姉上」


ヴァルマ様は手を頬に添えながら


「そうやって二人だけのものを少しずつ増やしていくのも楽しいと私は思いますよ。牽制ばかりしているとアンニーナちゃんも息苦しくなりますからね?」


エーベは思い当たることがあるのかグッっと唸った後小さく「分かりました」といいながら項垂れた。


「さあさあ、後はみんなで楽しいお食事でもしましょうね?お食事の後は私と一緒に女子トークをしましょ?いいですよね?」


「アッ、はい。大丈夫です」


「そうと決まればさっそくアンニーナちゃんのお部屋の移動よ!あそこは静かでいいけど、このエリアからは遠いからあまり良くないわ。すぐに移動しましょ!」


「かしこまりました。こちらで準備しておきますのでアンニーナ様は先にお部屋に移動してください」


執事はそう言うとどこかへ出かけてしまった。


「じゃあ、とりあえず解散ね。エーベ君はアンニーナちゃんをお部屋まで案内してね」


「はい!了解です!ヴァルマ姉上!」


「あらあら、元気なお返事でした。じゃあ、私達も行くわよ。」


こうしてほぼヴァルマ様(お義姉様)主導で私とラート兄様の間にあった微妙な亀裂を綺麗に塞ぐことができました。


 ああゆう女性に、私はなりたい。




  ・コンラート・ヒエムス・セプテントリオ

   セプテントリオ王国の第一王子 王太子 通称:ラート兄上

  ・ラインハルト・ヒエムス・セプテントリオ

   セプテントリオ王国の第二王子 通称:ライ兄上

  ・ブルクハルト・ヒエムス・セプテントリオ

   セプテントリオ王国の第三王子 通称:ブルク兄上(あった!)

  ・エーベハルト・ヒエムス・セプテントリオ

   セプテントリオ王国の第四王子 通称:エーベ



最後までお読みいただきありがとうございました。

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