冬麗の陽気にようやく気付き始めて困惑王族と話し合い Ⅲ
前中後編からローマ数字に変更しました。
数日後コンラート王太子殿下の体調が落ち着いたのでもう一度話をしたいと伝言を持ってきた。
私は伝言を持ってきた人を歓迎しながらソファーに座るように伝える。
「いや~、姫に会いに行くとご機嫌が悪くなるって分かっているんですけどやっぱり僕もお礼を伝えたかったので」
と照れながら私に会いに来てくれたマリウスさんだった。
エーベの呪いは私がキレてるという噂を聞くとすぐに無くなったらしい?
それはそれで良かったとは思うけど
「どうして私の事を姫って呼ぶんですか?」
ちょっと恥ずかしいんですけど・・・。と言うとマリウスさんは苦笑いをしながら
「さすがに姫を名前で呼ぶことは不可能ですし、プロヴァンツァーレ王女ってちょっと堅苦しいし呼びづらいし・・・。で、我らセプテントリオ家族会議を開きましてエーベハルト殿下にどの呼び方だったらギリギリセーフなのかを話し合って決めました!」
マリウスさんはキリリと表情を引き締めて教えてくれたけど、ちょっと面倒な話し合いだったに違いないと思いました。はい。
「そっか、じゃあその呼び方に頑張って慣れます。ちょっと恥ずかしいけど」
「はい、お願いします。(もう痛い思いはしたくないです)」
マリウスさんは深ーく頷きながらお願いしてきた。
そしてコンラート王太子殿下との面会の時はマリウスさんが案内をしてくれるらしい。
どうやらマリウスさんはコンラート王太子殿下の下で働いているみたい。
だからこの貴族牢にいる私を見に来たらしい。確かにエーベの息のかかっている部下が見に行くと私に優遇するかもしれないって思ったんだろうな。・・・私どれだけ嫌われてたのよ。少し悲しい。
マリウスさんが部屋を出て言った後、お茶を片付けていたバレリアは元気になった彼をみて本当に安心していた。確かに突然知り合いが倒れたら怖くなるよね。
マリウスさんから指定された日、時間通りに迎えに来てくれた。
さすがに少しだけ公式よりな衣装をバレリアが用意してくれた。
「じゃあ、行きましょうか」
「はい」
マリウスさんの後をついて行くと、すぐに王族が住むエリアにたどり着いた。前回はコンラート王太子殿下の執務室に向かったけど、今回は王族のプライベートエリアに行くらしい。
私達が通ると使用人達はすぐに廊下の端により頭を下げ、通り過ぎるまで待機していた。
なんだか、王族に戻った気分だった。って思うぐらいにはこの国は私を冷遇していたのかもしれない。
マリウスさんが一つの豪華な扉の前で立ち止まると、数回ノックをした。
「マリウスです。プロヴァンツァーレ王女アンニーナ様をお連れしました。」
「お入りください」
ガチャリと内側から扉を開ける執事が現れた。
「じゃあ、姫。僕はここまでだから後はこの方に着いていって」
「うん。ありがとうね。マリウスさん」
私はお礼を言うとマリウスさんは扉を開けている執事に一礼してその場を立ち去った。
王太子殿下付きの執事だからマリウスさんよりも立場が上なのかな?と予想していると
「お待ちしておりました。王太子夫妻がお待ちです。こちらにいらしてください」
私は執事の言葉を軽く受け流し一つ頷いた後彼の後をついて行った。
すると、ソファーには一組の男女が座って待機していた。
えっ?男女?
私は少しだけ首を傾げながらソファーに近づくと豪華なドレスを着た女性がこちらに突進してきた。
危うく無意識に身をかわしそうになるのをグッとこらえそのままその女性を受け止めた。
「きゃっ。あっ、ごめんなさいね。あなたはアンニーナちゃん?」
私より年上だけど可愛らしい女性が私に一瞬抱き着いた後すぐに離れていった。
カーテシーをしながら挨拶をする。
「はい。プロヴァンツァーレ王国 アンニーナ・プロヴェンツァーレでございます。ヴィルマ・ヒエムス・セプテントリオ王太子妃殿下にご挨拶申し上げます」
「まあ、私の事をご存じだったのね!」
はい、御存じですよ~。王族の家族のお名前はきちんと覚えないと怒られちゃいますよね。
それにしても、コンラート王太子殿下の奥様ってこんな感じなのかぁ~。
ちょっと意外だなって思ったのは私だけじゃないはずです!
・コンラート・ヒエムス・セプテントリオ
セプテントリオ王国の第一王子 王太子 通称:ラート兄上
・ヴィルマ・ヒエムス・セプテントリオ
コンラートの奥様 王太子妃
・エーベハルト・ヒエムス・セプテントリオ
セプテントリオ王国の第四王子 通称:エーベ
・マリウス・セプテントリオ
エーベハルト達のお父さんの弟の子ども、つまり従兄です。
王位継承権がない為、ヒエムスはついていません。




