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うっかり王女適当に返事をした王子が魔法で縛ってきたのでサクッと解術してもらうことにしました。  作者: 鈴木 澪人
セプテントリオ国編

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冬麗の陽気にようやく気付き始めて困惑王族と話し合い Ⅱ

 「さてと、何から話そうかな・・・。」


ラルさん(国王)はいざ話始めようとしたが言葉を慎重に選んでいるみたいだった。


「アンちゃんは近くで実際に見たと思うけど、実はコンラートは負の感情を貯めてしまうと魔力を制御することができず魔物を発生させてしまう能力(呪い)があるんだよ。もちろん、それが原因でコンラートを王太子から降ろすという判断は僕にはないんだけどね」


 そうなんだ~。そんなに国にとっては脅威じゃないってことなのかな?

私は引き続きラルさんの話を聞いた。


「コンラートが負の感情を必要以上に持ってしまう原因はたいてい家族の事についてだけなんだよ。例えば、コンラートの奥さんとか、あとは我々家族だね。政治や災害などでは冷静に判断することができるんだ。そして、アンちゃんはこの国に来るまで他国を訪問してきたでしょ?魔物がなんとなく多いな~って思わなかった?」


「そうですね。確かに、気が付けば魔物を討伐していたような気がします。でも、私は子どもの頃からの出来事なのでそこまで違和感はなかったんですけどね」


私の言葉を聞いたラルさんは少し驚いた表情をした。

珍しいのかな?もう魔物の討伐なんてイベントだよね?


「それは、それは・・・。ウィルもすごいスパルタ教育だったんだね」


「えっ、そうなんですか?」


「まあ、確かに魔物の討伐はするけどアンちゃんほど手慣れてはいないよ」


「そうなんですね・・・。」


ラルさんの話を聞いていると段々自分がじゃじゃ馬娘のような気がしてくる。


「そういえば、ラルさん・・・アッすみません。国王は父と親しいんですか?」


 私の父の名はウィリアムだけど、親しい人の間ではウィルと呼ばれている。


「あ~、ラルさんでいいよ。始めの自己紹介でそう言ったからね。うん。今代の国王たちはみんな仲がいいよ。昔は喧嘩している所とかもあったけどね」


 ちょっと待って!喧嘩って戦争してたってこと?

私は驚きながらラルさんを見ると、ニヤニヤしながら否定した。


「大丈夫だよ。一対一(タイマン)の喧嘩だったから国民は巻き込まれていないよ」


「話がそれちゃったね。実は、お恥ずかしい話なんだけどエーベハルトが中々プロヴェンツァーレから帰ってこないからここ数年コンラートの負の感情が不安定になっちゃってね。まあ、周辺諸国にご迷惑をかけていたんだけど、プロヴェンツァーレはその原因の一部は自国にあるってウィルも思ったらしくがんばって魔物討伐をしてくれていたんだよね。」


「よくやく帰国したと思ったら、お兄ちゃん(コンラート)我慢できなかったんだろうね。アンちゃんに意地悪してごめんね。僕はコンラートがちゃんとアンちゃんも歓迎していると思ったんだけど側近から話が上がった時にはもう貴族牢に入っちゃってるし様子見してたらアンちゃんも貴族牢で自国の書類仕事してるからしばらくは大丈夫かなって甘い判断しちゃったらこんな事になっちゃったよ」


ラルさんは一気に話すぎちゃったと言いながら冷めたお茶を一口飲んだ。


「でね。アンちゃんにお願いがあるんだ」


「はい、私にできることなら」


「今回のコンラートの魔力暴発の件を伏せて欲しいんだ。幸い実際にコンラートの背後から魔物の出現を見たのはブルクハルトとアンちゃんだけだからコンラートとの合同で城内に出現した魔物の討伐として処理したいんだ」


「あっ、はい。全然大丈夫ですよ。」


私は悩む必要もなく了承した。


ラルさんは少し緊張していたらしく肩の力を抜くと


「はぁ~良かった。アンちゃんなら了承してくれるって分かってたけど緊張しちゃった」


とニコニコしながら教えてくれた。


「もちろん、こちらもアンちゃんの希望を聞くよ。討伐の賞金とかは後で文官と相談して欲しい。口止め料を上乗せするからね」


「あの・・・。そういうのは大丈夫です。でも、ひとつだけお願いがあるんです」


私を金銭でどうにかしようと思っていたらしく賞金の話を断るとラルさんは少し気まずそうだった。


「うん。なんだい?」


「今、城外で待機しているプロヴェンツァーレの使用人達をお城に呼んでもらう事はできますか?」


ラルさんは私の使用人達が外に出ている件について報告を貰ってなかったみたいだった。


「それは・・・。あらためて申し訳ない事をしていたね。」


といいながら頭を下げたので私は慌てておやめください・・・。と伝えた。

いくら非公式でも国王に頭を下げられるのは良くないと思うんだ。


「すぐに、手配させるよ。そして、アンちゃんも本来の国賓扱いとして対応させてもらうね」


ラルさんはさっそく私を貴族牢から移動させようとしたけれど


「あ・・・。その件については辞退させていただきます」


「えっ?どうして?」


「やはり、何が原因でも王太子殿下に手を出してしまったことは不敬にあたりますからね。今の状態でしばらくいようと思います」


私は、コンラート王太子殿下の威厳が損なわれるのは本意ではないので本当に身内だけ(王太子殿下の側近の方に向けての)謹慎をラルさんに提案し、受け入れてもらった。



・ジラルド・ヒエムス・セプテントリオ 

 現セプテントリオ王国の国王 通称 ラルさん

・コンラート・ヒエムス・セプテントリオ  第一王子 王太子 

・ブルクハルト・ヒエムス・セプテントリオ 第三王子  


・ウィリアム・プロヴェンツァーレ

  現プロヴェンツァーレの国王 アンニーナの父   


最後までお読みいただきありがとうございました。

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