冬麗の陽気にようやく気付き始めて困惑王族と話し合い Ⅰ
おひさしぶりです!
「どうしてこうなっちゃったんですかね~」
かなりご機嫌の悪いバレリアさんはこれ見よがしに溜息を付きながら私の身支度を手伝ってくれた。
「だって・・・仕方ないでしょ・・・」
私は身支度が終わり自分の姿を確認した後、その視線は眺めの良い景色へと移った。
「ほら、バレリア雪化粧が綺麗だね~」
「そうですね~。高い場所から眺めると遠くの景色も見る事ができてステキデスネー」
「えっ?なんで?なんで最後棒読みなの?一緒に感動するところでしょ?」
バレリアはさっきまで私が着ていた服とササっと一纏めにすると
「アンニーナ様、あちらの素敵なお城があるじゃないですか?ほら?見えますよね?あそこの国賓級の人が滞在するエリアの使用人の場所に私の同僚たちが待機しているんですよね~」
バレリアはジト目でこちらを見ている。すっごく視線を感じる。
「ん?そうなの?私には雪が反射してあまりお城が見えないかもしれない。おっかしいなぁ~」
誤魔化しながら前回の残りの書類を片付ける為に机に座ろうとした。
「・・・。はぁ~。アンニーナ様、先に朝食をお召し上がりください。もうすでに用意されていますから」
「悪いわね・・・。こんな場所にまで持ってきてもらって」
「そうお思いでしたら、どうしてセプテントリオ国王が本来の部屋にとおっしゃった時に戻らなかったのですか!」
実は、エーベのお兄さんのコンラート王太子殿下のわき腹に一発入れた後少しラルさんとお話する時間が設けられた。
これかなり詰んだかもしれない。お父さんの前で息子を殴っちゃったよ。まあ、かなりイラっとしたから本音ではそれほど後悔はしていなけど、身内からすればあまりいい気分じゃないよね。
よしっ。ここは潔く怒られるか・・・。
私は王太子と少しの時間外で戦ったのでかなり体が冷えていた。本当にこの国寒いよ。
それに気づいたラルさん、国王様は私に温かいお茶とブランケットを持ってくるように伝えた。
それらはすぐに用意されフワフワ・モコモコのブランケットをメイドさんが「失礼します」と小声で伝えてから掛けてくれた。私は小さくお辞儀だけした。
「さあ、体が冷えていると思うから早くお茶を飲みなさい」
ラルさんのその口調は国王様というよりも私の身を心配してくれているお父さんのような雰囲気だった。
「いただきます」
その言葉に甘えて一口飲むと体が芯から温まるような気がした。
「・・・美味しいです」
「そうかい。良かったよ。この国はとても寒からね。無意識に全身を魔力で覆っていたとしてもアンちゃんの今の服装じゃあ冷えてしまうからね」
ラルさんの言葉を聞いた後自分の服を改めて確認すると、貴族牢に囚われている時のシンプルな服のままだった。
あっ、私こんな服装でラルさんとお茶してしまった。
「今は正式なものじゃないからアンちゃんはそんな些細な事を気にしなくても大丈夫だよ」
「すみません」
私はお茶で体が温かくなったので一度ティーカップを机に置き、ラルさんの方を見た。
ラルさんはまだお茶をゆっくりと味わっているように見えた。
私は掛けてもらったブランケットをソファーに置くとそのまま立ち上がり
「この度は、コンラート王太子殿下を執務室から無断で連れ出し暴行した事、誠に・・・」
私が謝罪をし始めたのでラルさんも驚きながら立ち上がり
「あー、あー。その件はいいんだよ。コンラートの代わりに魔物を討伐してくれてありがとうね。私の方がお礼を言わなくちゃいけないぐらいだよ」
さあ、座って座って!
と促されたので私は素直に座った。
「ちゃんとブランケットも!」
ラルさんの言葉にどこからかメイドが出現して再び私の肩にかけてくれた。
「じゃあ、アンちゃんも色々と疲れていると思うから少しだけこれからの話をしよっか」
ラルさんはニコニコと微笑みながら私に説明をしてくれた。
・ジラルド・ヒエムス・セプテントリオ
現セプテントリオ王国の国王 通称 ラルさん
最後までお読みいただきありがとうございました。




