コンラート・ヒエムス・セプテントリオ 前編
お久しぶりです。お元気でしたか?
・コンラート・ヒエムス・セプテントリオ 第一王子 王太子 ラート
・ラインハルト・ヒエムス・セプテントリオ 第二王子 ライ
・ブルクハルト・ヒエムス・セプテントリオ 第三王子 ブルグ
コンラート視点です
目の前に座っている少女は落ち着いた様子でお茶を飲んだ後、自分と私は同列にいると言い放った。
確かに、国同士の話ではそうなるが私はエーベのお兄ちゃんつまり将来的には君のお兄ちゃんにもなる相手なんだという事を忘れているのではないのだろうか・・・?
その上、自分とどちらが上か確かめても良いと言い出す次第
いくら若さからくる売り言葉だとしてもそれを許すことはできなかった。
しかし、エーベよりも年下の少女にむきになってしまった自分に恥ずかしくなり小さな声で謝罪をした。
彼女は最終的にエーベと自国のどちらかを選択しなければならない場合迷わず国を選ぶと言い放った。
愛を重んじる我ら王族だったら国益を損ねてでもエーベを選びますっていうものではないのだろうか?
私は、彼女の考えが理解できなかった。
この子にエーベを渡してはいけないと私の心の底の何かか訴え始めた。
「プロヴェンツァーレ王女にとってエーベとはそれよりも価値存在が劣おとるということなのか・・・」
自分が放った言葉なのに怒り悲しみ絶望が一つにまとまり彼女に対して憎しみが湧き上がってくる。
その時、ノックもせずに私達の会話に入ってきたブルクが何かを訴えたが私の耳には届かなかった。
彼女はブルグが倒れるのを見て驚いた後、今度は私を見て驚いていた。
何かおかしなことがあるのだろうか?
彼女は視線を少し泳がした後、私の背後を見つめながら
「何か湧いてますよ?」
と指摘してきた。
そうか、そうだったな。
昔から末っ子のエーベハルトの呪いは王宮内でも一部の貴族には知られていた。
まだエーべが幼い頃に王族の陰口を王宮でしている愚かな者がいてそれを彼に聞かれてしまったのが原因だった。その時は、相手側に否があった為エーベの能力については深く言及されることはなかった。
二番目のラインハルトと三番目のブルクハルトにはそのような特殊能力が発現することは無かった。
正直両親も安心しているだろう。
もちろん私もそのような能力は持っていなかった・・・はずだった。
エーベがプロヴェンツァーレで運命の人に出会いその国で過ごすことを決意した。
私達は家族でエーベの恋を応援した。
私はエーベはすぐに自分の運命の人を私達に紹介してくれると思っていたんだ。
しかし、1年たっても2年たっても何年たってもエーベは帰ってくることは無かった。
定期的に送られてくるエーベの手紙とエーベの近くにいる側近の報告書だけが虚しく執務室に溜まっていく。
「私が・・・私がエーベをプロヴェンツァーレへ連れていったのが悪かったのか・・・」
「ラート兄上、深酒はいけませんよ」
自分の部屋でエーベから届いた手紙を読み返しながら思わずつぶやくと一緒に寝酒を付き合ってくれていたライが私を慰めてくれる。
「でも、私はエーベの成長を近くで見る権利を両親から奪ってしまったんだよ。」
自分の言葉に深く落ち込みながらソファーに項垂れてしまう。
「愛しい人を見つけ傍にいたいと願ったのはエーベなんですから、私達はそれを見守るしかできないんですよ」
ライは私の背中をそっと叩くと私に言い聞かせるように
「セプテントリオ王族は特に愛に執着してしまう傾向が強いのはラート兄上も身に染みるほど理解しているじゃないですか」
「そうだね・・・。ライの言う通りだ。すまない。私が弱気ではだめだな」
「いいんですよ。みんなでエーベと相手の方を待ちましょう」
私は言葉は返さずただ頷いた。
最後までお読みいただきありがとうございました。




