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うっかり王女適当に返事をした王子が魔法で縛ってきたのでサクッと解術してもらうことにしました。  作者: 鈴木 澪人
オッキデンス国編

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あかねさす木漏れ日を見るたびに君を思い出すだろう

 私はフォンユ王子の特殊能力の一部をお妃様方に聞くことができた。

お二人は全てを話すと言ってくれたけどそれは本能的に駄目だと思った。

やはり必要以上の情報はお互い隠しておいた方がいいと思ったんだ。


「そうでしたか・・・。本当に初めてその能力を見ましたよ」


「そうじゃの。妾達(わらわたち)も報告という形でしか知らぬからな」


「そんなに、アンニーナさんの〝想い人〟に似ていましたか?」


ラン側妃が私に尋ねてきた。私は(うなず)きながら


「はい。でも前の国で少しの時間しかその人とは会ってなくて、声も聴いてなかったんです。だから姿だけでしか判断できなくて・・・。でも、その人そのものでした」


私は正直に答えた。


「まさか、それが隣の国の王子とは妾は予想もつかなんだわ!」


ガハハ~と豪快(ごうかい)にリー王妃は笑っていた。

私も苦笑いをしながら同意した。


「そうなんですよねぇ~。そして、私のすぐそばにいたなんて・・・。ちょっと恥ずかしいです」


「まあ、主と使用人の関係ですからね。姫、姫と懐かれてもかわいいなと思えど、そこからの恋心は中々生まれない物ですよね」


「そうなんです。まあ、他の使用人よりは動いてくれるし機転がきくなと思う程度でした。もちろん、側近として働いてくれているので信頼関係はあったと思うのですが・・・」


 でも、私は一時でもハルト以外の人に恋焦がれてしまった事実は変わらない・・・か。


「アンニーナ、あまり思い詰めるでない。誰にも分からぬまやかしだったのだ。なっ?」


「はい・・・そうですね・・・。」


私はリー王妃に微笑むとうんうんと頷きながら「あっ!」と何かを思い出したように


「そうじゃ、あの愚息王子のことなんじゃがな」


「リー王妃様、そのような呼び方は・・・」


「いいえ、いいんです。行動があまりにも幼稚すぎます。そして、今回の魔物討伐での非力さ・・・。直系王族として問題になりました。」


 王妃様方のいう事を肯定はできないが、実は私も内心同じことを思ってはいた。

たぶん、国盗り(戦争)になったら私はあの二人の王子がまとめてきても勝てる自信はある。


「今回の罰として、二人で国周辺の魔物討伐の旅に行かせることになったんじゃよ」


「そうなんですか」


「はい。少し甘やかしすぎたのかもしれないという話し合いになりました。アンニーナさんがこの国を出ると同時にその度は始まります」


 私は意外と幼少期から魔物討伐をしていたが(父親と母親の趣味というのもあったと思う)ミンユ王子とフォンユ王子は比較的城内で過ごしていたらしい。


「私達の出国という事は明日からですか?」


私は驚きながら確認するとお妃様方は同じタイミングで頷いた。


「まあ、心配せんでも何人かの学友がついて行ってくれるそうじゃ。本格的に公務が始まる前に心身ともに鍛えてこいということじゃな」


「本当にそうですよね。アンニーナさんにご指導していただきたいぐらいですよ」


 あはは、嫌だよ・・・。


「次はセプテントリオ国に行くのか?」


「はい。次の国で最後ですね。」


「まあ、実質結婚の報告という事でしょうか?」


「・・・どうなんでしょうかね・・・」


私の表情が(くも)るとラン側妃がそっと私の頭を撫でた。


「相手を思う気持ちは本物なんですから・・・ね?」


「そうじゃ、一度セプテントリオの王子と感情をぶつけ合うのもいいと思うぞ?」


「気持ちをぶつけ合うですか・・・。」


「そうじゃ、そうじゃ。相手の王子様もアンニーナに言いたいことが(つの)っているんじゃないかの?」


「ハルトがですか・・・」


 確かに一目惚れをしたのはハルトの元の姿を見た時だった。

その感覚を信じてもいいのかもしれないよね?


 こうして、お妃様方との最後のお茶会を終えた。


※※※


「ひゃぁ~。セプテントリオの王子様、そのような事はおやめください!」


翌日、ハルトがいつものように私の身支度の用意をしようとしていたところをバレリアに見つかり朝から悲鳴を上げていた。


「バレリアさん・・・。僕はハルトですから・・・。いつものように接してくださいよ」


ハルト・・・そんな悲しい目をしても無理だし、無駄だよ。

誰よりも規律に厳しいバレリアさんが許すはずがない・・・よ。


「ハルトぉ~。これ持っていって!」


ユーリアはハルトの言葉を素直に受け取りそのまま顎で使おうとした。


「ユーリア!あなたなんてことを!この方はセプテントリオ国の王子様なのですよ!」


「だった、ハルトが良いって!」


「名前で呼ぶのをおやめなさい!次はセプテントリオ国に行くのです。臣下の片のお耳に入れば」


バレリアさんはユーリアの両肩をガシッと掴み


「首と胴体が()()()()になりますよ!」


「ひぇ~。そうなんですか!」


「そうなんです!今から気を張って対応しなさい。王子様と今まで通り接してもいいのはアンニーナ様だけですからね!」


「ハッはい・・・。」


ユーリアへの説得を無事に終えたバレリアはさっさと荷物をまとめ始めた。


「バレリアさん・・・。」


ハルトは申し訳なさそうに落ち込んでいると。


「王子様はアンニーナ様のお相手をお願いしますね!」


ハルトの穴埋め要因がいないのか仕事ができるバレリアさんがいつも以上に動いていた。

これにて、オッキデンス王国編は終了となります。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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