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うっかり王女適当に返事をした王子が魔法で縛ってきたのでサクッと解術してもらうことにしました。  作者: 鈴木 澪人
オッキデンス国編

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ぼぼ双子王子の罪への目覚め

フォンユ視点です。

 アンちゃんに強く言われすぐに馬車の方に向かった。

さすがにあの小型の魔物が最後の生き残りだったらしくその後は何も襲ってこなかった。

と思っていたけど、実はアンちゃんがすごく強力な魔力を僕の全身にまとわせてくれていたらしく余程の魔物出ないと近くに寄れなかったと、あの王子に言われた。


 馬車の中にあった通信機でミンユに連絡すると、すでにこちらに向かっていた。

別荘まで着いていたが僕たちがいる場所を特定できずにとりあえずこちらに向かっていると言われた。


数十分後同じような小型の馬車が着くとすぐにミンユともう一人、僕と同じ姿の青年がやってきた。

その青年は僕を見ると何も言わずに顔面を一発殴った。


「うっ」


僕は思わず唸りながら(ひざまず)くと


「残りは後でだ」


と言い捨ててアンちゃんがいる場所へ向かって言った。

後ろから僕と同じ個所を殴られいたミンユが「大丈夫?」と心配そうに声を掛けてくれた。


「うん。大丈夫。僕たちも力になれるか分からないけどついて行こう」


と言うとミンユは(うなず)きながらあの青年の後を追った。


「彼は?」


僕はあの青年が気になってミンユに確認すると


「セプテントリオ国第四王子のエーベハルト・ヒエムス・セプテントリオ だそうだ」


ミンユの言葉を聞いて僕は驚いて声が出なかった。


「えっ、じゃあ僕は」


「そう、隣国の王子の姿をしているんだよ」


「そうなのか・・・」


「あっ、見えてきたぞ。うっわ。フォンユがんばって魔物をやっつけたんだね」


ミンユは蹂躙(じゅうりん)された魔物を見ながら感心していた。

僕はなんて答えたらいいのか分からなかった。


奥の方では大きな爆発音と魔物の叫び声が聞こえていた。


「何?あのサイズ・・・」


少し遠くからでもデカさがわかる魔物をミンユは目視すると足を止めてしまった。


「今まで、あんなサイズ見たこと無いよね?」


「うん。僕も初めて見たよ。そして腰を抜かしちゃった・・・」


正直に話すと「僕も同じ立場だったらきっとそうだと思う」とミンユが(つぶや)いていた。

現場に着くと、すでに魔物の息は浅くもう少しで事切れそうだった。

それをアンちゃんは戸惑いもなくとどめを刺した。


「あ~、僕達何もできなかったね・・・。」


ミンユが残念そうなでも少し安心した様子でその場面を眺めていた。


「でも、これからの事の方が僕達には大変な事案なわけで・・・」


僕はこまった表情でミンユを見ると、彼もすぐに気づき「あ・・・」と言っていた。


戦い終わったアンちゃんと一緒に戦ったセプテントリオ国の王子が見つめあっていた。

アンちゃんは口元に手を置き動揺しているみたいだった。


そしてすぐに僕達に気づき


「レイ!」


と言いながらこちらにやってきた。


「ミンユ王子も応援ありがとうございました」


「こちらこそ、プロヴェンツァーレ王女には大変ご迷惑をおかけしました。この後担当の者に報告し次第懸賞金等の話し合いをしたいと思います」


「その件につきましてはこちらも提案がございますので」


とアンちゃんとミンユが仕事の話に入ろうとした時


「姫!」


セプテントリオの王子がアンちゃんを呼び止めた。

アンちゃんはミンユと話している時は僕の方を見ないように意識していた。しかし、あの王子の声かけに体が一瞬ビクッと震えていた。


アンちゃんは僕の手をそっと握ると表面を覆っていた自分(アンニーナの)の魔力を手元に回収しそのまま空中に分散させた。そのまま取り込むとどうしても僕の魔力も一緒に取り込んでしまうからだろう。


 その行為は僕を完全に拒絶しているみたいですごく悲しかった。

でも仕方ないよね。アンちゃんを誰よりも傷つけたのは


「フォンユ王子でしたか・・・」


アンちゃんは元の姿に戻った僕を見て一筋の涙を流した。


「アンちゃん!」


僕は自分からアンちゃんの手を握ろうと一歩前に足を出すが


「何考えてんの?」


アンちゃんの後ろにいた王子が苛立ちながらアンちゃんの腰に手を回して自分にぴったりと寄り添わせた。


「私は、姫と少し話をしながら馬車へ向かうので王子様方は先に城に戻ってもらってもいいですか?その後色々話し合いをいたしましょう」


「分かりました。僕たちも国王に自分達の行いを報告しておきます。それでは失礼します」


ミンユは頭を下げた。僕もいつもの癖で一緒に頭を下げる。


「フォンユ、行こう」


ミンユに耳元でささやかれ手を引いて先に馬車のある所まで戻った。


「このペナルティー、国が(から)んでくるかな・・・」


馬車のある所まで向かっている時にミンユは色々と算段し始めていた。


「もし、そうだとしたら僕は全ての罪を償うよ。ミンユは何もしなくていいよ」


僕の言葉にミンユは驚き


「何言ってんだよ!二人で始めたことだろ!二人で罪も背負っていくの!」


まったく何考えてるんだ。とミンユは怒っていたが

本当に彼女を傷つけたのは僕なのだから


 僕一人が罪を背負わなくちゃね・・・。彼女を愛してしまったという罪を・・・。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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