あかねさす木漏れ日が闇に覆われ始める Ⅲ
更新が遅くなってすみません。
推しのFAを描いていたのと花粉症?鼻水が止まりません。
ズビズビ。
私は、彼が用意してくれた服に着替えて階下にある食堂に入っていった。
「君の名前を教えてくれるかい?」
とその人に言われて「アンニーナです」と答えた。なんとなくフルネームは言いたくなかった。
もしかすると一緒になれないって思われたくなかったから。
そして、私も彼に名前を聴こうとしたとき
〝グゥ~〟
私のお腹が先に答えてしまった。
「僕の名前はレイだよ。よろしくね」
食堂で改めて彼に名前を聞くと、彼は少し悩んでから教えてくれた。
レイもフルネームを教えてくれない、という事はあまり知られたくない身分なのかもしれない。
私は美味しい朝食とは裏腹に心が少し苦しくなってしまった。
以前だったら気にしない些細な事なのに・・・。人を好きになるって大変だなって思った。
「君の事はアンちゃんって呼んでいい?」
「はい。じゃあ私はレイさんとお呼びしますね」
「さっそくだけどアンちゃん、朝食を食べ終えたら少し外の空気を吸いに行かない?とても素敵な景色が見えるところがあるんだ」
「うん!あっじゃなくってはい!ぜひ行きたいです」
私はレイとのお散歩を楽しみにしながら朝食を食べた。
あっ、そういえばお妃様方のご挨拶を飛ばしているけど・・・分かってくれるよね?
食休みをとってすぐにレイと二人で家を出た。
意外と閑静な場所に家があるらしく周囲には他の住民は住んでいなかった。
「この家は王都からそんなに離れていないんだけど、近くに森があって王族が管理しているから一般の住民の人は住むことができないんだ。」
私の考えを見透かすようにレイが説明してくれた。
「もちろん、遠回りだけど住民たちが自由に入れる区域もあるんだよ?」
「そうなのね。」
「王族が管理しているという事は危険が伴うってことなんだ。ここままだ大丈夫だけど、場所によると魔物が出没するんだよね」
レイの説明を聞きながら私は景色を楽しんでいた。
森とまではいかないけどあまり道の整備はされていない。せいぜい馬車が通る為に整えられている程度だった。
だから私は、足元の木の根に気づかずつまずいてしまう。
「あっ」
私が前のめりに倒れようとした時
「危ない!」
レイがそっと私の腰元を持ってを支えてくれた。
レイも自分のとっさの行動に驚いた。
「すみません、女性の腰に触れるなんて・・・。」
「いいえいいえ、私がぼぉっとしていてつまずいたのが悪いのですよ」
レイがそれを否定するように首を横に振った。
「僕は、貴方とお話しするのが楽しくて気遣いが足りませんでした」
と言いながらレイは右手を出して
「さあ、手を繋いで歩きましょう。これだったら僕も常に貴方を見守れるし、貴方も私の話に集中できます」
「は・・・い。」
レイの言葉に気恥ずかしくなった。レイも自分の言葉が恥ずかしくなったのかお互い少しの時間だけ俯いてしまった。
そして、私はレイの右手に自分の左手をそっと添えると、レイはそのままぎゅっと私の手を握った。
レイに手を握りしめられた瞬間ドキドキする。
胸の高まりをレイに聞かれてしまうのでは!と思うった。そして、後ろからそっとレイの横顔を見る。
綺麗な黒髪が風をうけて後ろに靡いていた。
私はその姿を見るだけでやっぱり心が苦しくなる。恋焦がれるってこう言う気持ちなの?
私は無意識に涙がこぼれていた。
馬車道から外れると落ち葉が薄く積みあがっているところを踏みしめていく。
ザクッ、ザクッ
乾いた落ち葉が壊れていく音しか聞こえない。
私はそっと、空いている手で流れてきた涙をぬぐった。
その時に左手首から溢れんばかりの桜色の魔法陣が輝いているのを見つける。
私は何となくその魔法陣の意味が分かったような気がした。
これは、私が愛おしい人を想うと反応するお呪いだったのだ。
そして、今の私にはレイがいるからこんなに綺麗に輝いているんだって理解したんだ。
私は無意識に流れた涙の意味を考えないことにしてレイに導かれるまま道を進んだ。
最後までお読みいただきありがとうございました。




