あかねさす木漏れ日が闇に覆われ始める Ⅱ
アンニーナ視点
フォンユ視点(アンニーナの愛しの君)
アンニーナ視点
でお送りします!
城の外には小ぶりの馬車が止まっていた。その人は馬車のドアを開けると私に「どうぞ」と言ってくれた。私は彼の目をみて頷くとさっと車内に入った。彼も私の隣に座ってきた。
彼と何を話そうかと色々考えている内に、瞼が重くなってきた。
そういえば今日は朝早くから色々と動いていたことを思い出す。
馬車の揺れが私の眠気を一気に引き出そうとする。
それを彼が察知したのか
「目的地についたらちゃんと起こすから、僕の肩にもたれて眠るといいよ」
私はその言葉に甘えてそっと目を瞑った。
こんなに幸せでいいのかな・・・。これからの事は目的地に着いてから考えてもいいよね?
※※※
隣から小さな寝息が聞こえてくる。そうだよね。考えてみたら僕たちと同じ年代なんだもんね。
だけど、国を背負って各国を回っている。
初めて見た時は、王女と紹介されてすごく大きな存在に思えた。もちろん僕たちも王子だから地位的に
優劣なんか付けられないのは理解している。
僕達に優劣がつくという事は国に優劣が着くという事になるのだから。
始めはお見合いの為にくる姫の存在が邪魔に感じてどこか遠くにつれてっちゃおうという軽いいたずらから始めたことだった。
久しぶり誰かの想い人になった僕は、なんというか言葉で表現できない気持ちになっている。
公園でわざと出会ったふりをした時にアンニーナ姫の表情が忘れられなかった。
その人とはどんな出会い方をしたのだろう。僕はその人と同じように見えるのだろうか。
姿形が一緒というのは分かってるけど、ううん。もしかしたら僕がそいつの代わりに本当の想い人になれるのかな・・・なんて考えたりする。
僕はミンユしか心を開いていないつもりだったのにな。
でも、人からこんなに思いを寄せられる事の心地よさを知ってしまったら・・・。
僕も欲しくなってくる。これはミンユを裏切ってることになるんだろうか。
結局姫を国境に置いていくという案は、もし姫に何かあった時にオッキデンスとプロヴェンツァーレの間に軋轢が生じると大変なのでしばらく僕たちの別荘に連れていくことになった。
そして、この国に貴方の恋しい人はいませんよ。早く次の国に行ってくださいねって言って早々に出国してもらうことにした。
はずなんだけどね・・・。
姫の想い人に変身している内に姫の気持ちが少しずつ体に流れてくる。きっと僕が姫の魔力を受け取って姫の思っている人に変身しているからなんだろうね。
だから、このままずっとこの姿でいるのは少しヤバイかもと思い始めている。
ミンユに相談しなくちゃいけないな。
もうすぐ僕達の別荘に着くね。まあ、このまま姫を抱き上げて姫の部屋のベッドに寝かすからこのままでも大丈夫かな。
姫の〝好き〟が僕の体を甘く包み込む
一体どうすればいいんだ・・・。
※※※
「ん~。」
「もう朝だよ?」
「え~。もう少しだけ寝させて~。バレリアぁ~さん。今日は仕事はお休みでしょ~。午後から一緒に城下町に降りるから~」
私はバレリアが気を使いながら体をそっと揺すっていると思っていた。
「僕はいいけど、せっかくの天気だからお外に散歩に行かないかい?」
「・・・ ・・・。」
私は、恐る恐る目を開く。もうね、薄目よ、薄目
「!!!!!」
どうして、彼が私の部屋にいるの!!!
私は少しパニックになって飛び起きた。するの服は昨日城から出たままの状態だった。
「ん?え?」
今の状況を理解できずに無かったことにしようとそっとベッドに入ろうとしたけど
「これ、私が使っているベッドじゃない!」
再び驚いてやっぱり飛び起きた。
すると隣でやっぱりクスクス笑う声が聞こえた。
あ~、知りたくない。現実なんて知りたくないよ。
「おはようございます?」
私は、現実を隠すようにお布団で自分を隠し目元から上が見える状態でその人に朝の挨拶をした。
「うん。おはよ。ところで・・・。」
「はい。」
「君な名前を教えてくれるかい?」
そう言えばまだこの人の事何も知らないけどこの人も私の事あんまり知らないのかな?
最後までお読みいただきありがとうございました。




