人見知り王子達の過去 後編
引き続きフォンユ視点です。
授業からの帰り道、ミンユと並んで歩いているとレイの気になる侍女が他の仕事をしていた。
「多分、あの子だな。」
ミンユは興味がなくても自分の周囲にいる人物は覚えていた。もちろん僕も覚えているが瞬時に判断できるかといえば微妙だ。
その侍女は他の侍女と楽しそうに会話をしながら作業をしていた。
「・・・調べてみるか・・・?」
「えっそうなの?」
ミンユが僕意外の誰かに興味を持ったことに驚いた。
学友の為と理解はできるがなんだかとても寂しく感じた。
その日の夜、僕はミンユと別れた後そっとあの侍女を探した。多分、お昼に働いていたから夜は休みかなと思いつつ喉が渇いたと言いながら王子宮の食堂を訪れた。
すると、調理場の奥の方で侍女とキッチンメイドが会話をしている声が聞こえた。
どうやら二人は友達らしい。
「ねえ、どう?王子宮で働いてるって事は王子様に会えるんでしょ?」
「まぁ~。そうね」
「どちらの王子様の担当なの?」
キッチンメイドは美味しそうなココアをその侍女に渡していた。
「わぁ~これ甘くて温かくて美味しいやつぅ~」
その侍女はココアが大好きなようだった。
「ん!美味しぃ~。もう、あなた今日からココアキッチンメイドに昇格してもいいかもしれない!」
「まったく、貴方は面白い子よね。侍女なんてお貴族様のお嬢様だと思っていたのにこんな面白い子がいるなんて知らなかったわ」
「あのね、確かに侍女は貴族の令嬢がほとんどだけど、私みたいな田舎の貴族の女の子なんて本当に町娘と変わらないわよ。下手したら豪商の娘様の方がよっぽど令嬢に見えるかも」
「アハハ、確かにそういう子もいるわよね。で!どっちの王子様付きなのよ」
キッチンメイドは余程きりなるんだろう同じ質問を再びしていた。
「私はね、ミンユ様の担当だよ。でも、雑用ばかりだから実際にミンユ様とお話なんてしないからね!誤解しないでよね!」
「へぇ~そうなんだ!で、ミンユ様ってどんな方?クールなイメージだけど」
侍女は言葉を選びながら
「う~ん。普通の王族だと思うよ。フォンユ様といつも一緒におられるわ」
「そうなんだぁ~。で、貴方はミンユ様のことどう思ってるのよ?」
僕はその質問の答えをドキドキしながら待っていた。
「どうって?」
「そんな誤魔化さなくてもいいから!あなたも王子宮にいる年ごろの令嬢なんでしょ?その気になればミンユ様と・・・。キャー!」
キッチンメイドは最後まで言わずに興奮しているようだった。
「・・・そうね。ミンユ様があと二年早くお生まれになられていたら私も考えていたかもね」
「えっ?どういう事?」
「私、年下には興味がないって事!」
「フフッ」
その侍女の言葉に僕は思わず吹き出してしまった。
「ん?誰かいるの?」
僕の声をきいたキッチンメイド箒を片手にこちらにやってこようとしたので僕はそっと食堂から立ち去った。
「もう、気のせいだったわ」
「もしかしたらネズミとかいるのかな?」
「ちょっと!メイリン!そんな物がいたらここにいる厨房のメンバー全員の命が無くなっちゃうんだからね!言葉に気を付けてね!」
「えっそうなの?ごめんね。もう言いません!」
「まったく、メイリンは仕事ができるのにそうゆう天然なところが玉に瑕なんだよね~」
「そんなこと言わないでぇ~」
僕は二人のそんな会話も知らずに自分の部屋に戻っていった。
「本当にこの能力は使う事がないのかもしれないな」
そう一人で呟いた。
はい、レイの好きな人ミンユ担当の当時侍女はメイリンさんでした。
年下のミンユに興味がないという事は・・・。レイ君がんばってね!
これで王子編は終了です。
最後までお読みいただきありがとうございました。




