人見知り王子達の過去 前編
遅くなってすみません。この話にかなり悩んでいました。
ミンユ視点です。
「フォンユ、また変身してるよ?」
「ほんと?いつの間にぶつかったのかな?」
自分の鏡のように容姿が似ている僕とフォンユ。
でも、フォンユには誰にも言えない秘密があった。
「う~ん、後宮から出る時に知らない侍女の手が触れたかもしれない」
「あ~、それかもしれないね」
「元の姿に戻れる?」
「うん、試してみる・・・」
フォンユは目を瞑りう~んと唸っている。でもすぐに目を開くと
「無理かも、ミンユ~ギュ~ってして~」
「うん、いいよ!」
僕がフォンユをギュッと抱きしめると、すぐにフォンユが元に戻った。
「うん、大丈夫」
「ありがと、ミンユ」
「でも、そろそろお父様とお母様方に言った方がいいんじゃない?」
僕の言葉にフォンユはう~んと悩んでいる。
「でも、いつもお父様がカードゲームをする時に言ってるでしょ?」
「「切り札は最後まで取っておくこと!」」
だったらこのままで良いのかな?
僕は分からなかった。いつも隣にいるのはどんな姿をしてもフォンユだから気にもしなかったんだけどね。
そして10歳の僕たちは気づいていなかった。
両親は思いのほか僕たちの事を見守っていてくれたなんて・・・。
ある日お父様が僕たちを呼び出した。
いつものように二人で向かうとお腹が大きくなったお母様方も一緒に座っていた。
「お父様、お母様、ラン側妃にご挨拶申し上げます」
「お父様、リー王妃様、お母様にご挨拶申し上げます」
僕とフォンユはそれぞれの挨拶を終えるとお父様が頷きながら
「二人とも元気そうでなりよりだ。さっそこに座りなさい」
とにこやかに言ってくれた。そして、僕たちが好きなお菓子とお茶を用意してくれた。
僕たちは喜びながらそれを食べていると
「二人とも美味しそうに食べるのぅ~。ランよ」
「そうですね。お姉さま」
「はい!とても美味しいですねっ。フォンユ」
「はい。美味しいです」
「うんうん、ほれお茶のおかわりをもってまいれ」
お母様の言葉で近くにいた侍女が動き出した。そしてお菓子を取ろうとしているフォンユの手と侍女の手が当たった。
「あっ」
僕は思わず声を上げてしまった。
そしてそれはこの部屋にいた皆も同じ感情だったらしい。
侍女はすぐに部屋から出て言った。
フォンユはそんな空気に気づかずに自分の好きなお菓子を頬張っていた。
「フォンユ、菓子は上手いか?」
お母様がフォンユに声をかける
「はい!僕このお菓子が大好きなんですリー王妃様」
「どれどれ妾も一つ貰おうかの?」
お母様はそう言うと重い腰を上げフォンユの近くに行った。
フォンユは驚いて立ち上がりお母様を支える為にそっと手を取った。
「あっ」
フォンユはお母様が着けていた銀のネックレスに映る自分の姿に驚いていた。
そこにはいつも僕たちを守ってくれている護衛の一人が映りこんでいるからだった。
「ん?フォンユどうしたのじゃ?」
フォンユはどうしていいのか分からず僕の方を見た。僕は頷いた後フォンユを自分の席に座らせた。
お母様も自力で席に座るとお父様が僕たちに向かって話しかけた。
「近頃、不審な人物を見かけるという噂が城内で流れだしてな。でも、犯人が誰か分からずその不審な人物も複数人いると報告があった。」
「まさか、身内にこのような器用な能力を使う子が現れるとは妾たちも驚いたぞ?」
「すみません、王様、お姉さま・・・。そしてフォンユ?」
ラン側妃がフォンユに向かって話しかける
「もしかしてフォンユは今までその事で苦しんでたりしたの?」
それは問い詰めるというよりは心配の方が勝っていたように見えた。
フォンユはラン側妃の場所に行くとそのまま何も言わずに抱き着いた。
すると、本来のフォンユの姿に戻った。
「これはまた、器用なことじゃの」
お母様は再び関心していた。ラン側妃はフォンユをそっと抱き返すと頭を撫でた。
「不甲斐ない母でごめんなさいね。もっとフォンユに寄り添っていればミンユ様と二人で悩む必要なんてなかったのかもしれないのに」
「意外と二人の秘密として楽しんでいたのかもしれぬぞ」
お母様は僕の好きなお菓子も食べ始めていた。
「今回の事は、侍女を含めて我々の秘密とする。大丈夫さっきの侍女は暗部の者だから口を割ることはないだろう」
お父様がおもむろに話をまとめた。
「ミンユはフォンユが変身するタイミングなどを注意深く確認すること、フォンユも油断せずに無駄な人との接触を避ける事。ただし、自分でコントロールできるまででよいからな」
「「はい、お父様」」
最後までお読みいただきありがとうございました。




