あかねさす木漏れ日でようやく休暇が取れました
「あ~今日はお休みだぁ~!」
私は、王妃様方に朝のご挨拶を終えた後自分の部屋に戻り一人喜んでいた。
ユーリアとメイリンさんはすっかり意気投合して二人で遊びに行くそうだ。
かくゆう私も、ハルトとバレリアを連れて(バレリアには強く懇願されて)お忍びで城下町に遊びに行くことになっている。
三人で住民に近い服に着替えてワイワイとお話ししながら廊下を歩いていると
「プロヴェンツァーレ王女」
声の主をたどるように前を向くとそこにはミンユ・フォンユの両王子が微笑みながらこちらへやって来た。
「プロヴェンツァーレ王女にご挨拶申し上げます」
フォンユが軽く会釈をしたので私も
「ミンユ王子殿下、フォンユ王子殿下にご挨拶申し上げます」
と同じようにカーテシーをして挨拶を交わした。
「その装いは、これから城下に降りられるのですか?」
白銀の髪を三つ編みにして一つにまとめているミンユ王子に声を掛けられた。
「はい、オッキデンスのマルシェは毎日がお祭りの様だと聞いたことがありましてぜひ国民として参加したいと思いました」
「それはそれは、僕たちもよく変装をして遊びに行ってます。母上にバレると少しだけお小言をもらうんですけどね」
フォンユ王子が何かを思い出したのかニコリと笑いながら教えてくれた。
「それは・・・。」
『妾も行きたいのにお主たちだけずるいぞ!』
『まあ、お姉さま。そのようなご無理な事をおっしゃっては王子たちも困りますよ』
二人の王子がそれぞれの母親の声真似をしながらお小言の内容を教えてくれた。
私は二人の王子との距離を感じていたので突然のおもしろエピソードに驚きながらも
フフフとつい笑ってしまった。
「そうなんですね。王妃様方の様子を思い浮かべられますね」
と答えた。
「もし良ければ、これからは僕たちの事をミンユ、フォンユとお呼びください」
「ありがとうございます。では、私の事はアンニーナと」
「はい。それではアンニーナ姫楽しい時間をお過ごしください」
王子たちの言葉に私は微笑みながら頷いた。そして再び軽く会釈をするとお互いの目的に向かうために分かれた。
城下町へは馬車を出してもらうことにした。
車だと少し目立ってしまうからだった。
ゆっくりと進み始める馬車に乗りながら三人でどこに向かうか地図を広げながら作戦会議をひらいた。
「時間はたっぷりあるからね。バレリアがきになるとろこから巡っていこうね」
「アンニーナ様~。ありがとうございますぅ~」
バレリアが少女のように色々と指をさしては意見をしてくれた。
そうしているうちに馬車止めまで着いたのかゆっくりと減速し始めた。
「姫!どうやら付きましたよ!」
ハルトは先に降りると私の手を引いてくれた。
「ありがとう」
「いえいえ、こちらこそ姫に触れられるいいきっかけになるので」
と嬉しそうにこちらを見た
「さてと、さっそくマルシェを覗きに行くわよ」
ハルトの言葉を聞き流して私は地図を開いた。
ハルトは少し悲しい表情をしたがそのまま私の開いた地図を一緒に覗いた。
バレリアの下調べは完璧で覗く屋台はすべて美味しかった。
もちろん初めて食べるものも多かったのでドキドキして口にいれるのだがやはりそこは私に仕える二人らしく
「これは、先に私が味を見ますね」
「この料理は知っているので僕が先に食べます」
と気をつかって毒見をしてくれた。
だから私は心置きなく料理を食べることができた。
お腹がいっぱいになったので公園らしき広場のベンチで食休みをしていると
「あっ、ここにもあるのね」
私が指さした期は赤々とした葉がぎっしり詰まった木が等間隔に植えられていた。
「そうですね。私は初めて近くで見ますが圧巻ですね」
「そうでしょ。私も初日に思わず立ち寄ってしまったのよ」
バレリアは落ちた葉を一枚広いマジマジと眺めていた。
「木から離れてしまった葉は本来の色になるそうよ」
バレリアの持っている葉は元々赤かったのかそこまで色あせているようには見えなかった。
「えっとね。確かその葉を二枚合わせて・・・」
蝶々みたいに飛ばせたはずだったんだけど・・・。
私はバレリアに浮いた葉を見せる為に試行錯誤していると
「貸してごらん?こうやるといいんだよ?」
青年は突然目の前に現れると私とバレリアの持っていた葉を器用に重ねると掌に載せたすると蝶が羽ばたくようにゆっくりと浮かび上がるとそのまま少しだけ前に進んだ。
でもあっというはに二枚の葉に戻り魔力を使い果たしたのか枯葉のようにカサリと下に落ちた。
ただし私はその一連の現象をきちんと見ていなかった。
なぜなら
蝶を飛ばした黒髪の青年から視線を外すことができなかったからだ。
最後までお読みいただきありがとうございました。




