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うっかり王女適当に返事をした王子が魔法で縛ってきたのでサクッと解術してもらうことにしました。  作者: 鈴木 澪人
オッキデンス国編

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オッキデンス国へのプロローグ(表)

 はい。アンニーナです。ただいま例のごとく電車に乗車ています。

何時のっても快適だよね。電車マニアになっちゃいそう。といってもこの電車は国と国を(つな)ぐ移動機関なので国の中に作るのは費用面で大変らしい。維持費(いじひ)もかかるってさ。


「ええっと、次のオッキデンス王国はっと」


私はハルトが作成してくれた資料を(なが)めながら確認していた。


「ここもオリエンス王国みたいに過ごしやすい気候なんだね」


「はいそうですね。実り豊かな国ですね」


「あっ穀物(こくもつ)の輸出が突出しているのね」


「そうですよ。ってそれは座学で学んでいるはずですが」


ハルトがジト目でこちらを見てくる。あれ?眼鏡をかけてクイッてしているように見えるわ。


「もっもちろん知っているにきまっているじゃない。オホホ」


「もう、姫はプロヴェンツァーレ王国を継ぐ方なんですよ?もう少ししっかりしないと」


「はぁ~い」


「アンニーナ様、オッキデンス国は屋台の食べ物が特に美味しいみたいなんです。ぜひ城下町に一緒にお供させてくださいね」


バレリアは嬉しそうにあの例の()()()を取り出しながら教えてくれた。

ええっとね『おもろい世界のステップの仕方』これこれ。ちゃんとオッキデンス王国編って書かれてる。

本当に全巻持ってきてるんだね。


「ちなみに、国民は(おだ)やかですが王族はあまり外に出るタイプではないらしくあまり顔は知られていないらしいです。まあ、王族色は持っていますので外にでるとすぐにばれてしまいますが」


オッキデンス国の王族は皆美しい白髪(はくはつ)らしい。白髪というか銀髪になるのかな?

ちょっとかっこいいよね。銀髪ってなんだか強いイメージがあるわ。


「そして、オッキデンス国にはお妃様が二人いらっしゃいます。これはもう有名ですよね」


「そうなんだよね!今の王様だけなのかな?」


「それが、昔からそうみたいですよ。でも、二人以上は絶対ないそうです。」


「特に恋多き王様とかではないのね」


「はい。まぁ~王族に恋多きなんて無理なんじゃないですか?」


ハルトの指摘(してき)に私は少し胸を痛めながら


「そうだよね~」


と答えた。


私はハルトの言葉を胸の中で繰り返しながら、ハルトの事を考える。

多分、意識しだしたのはオリエンス王国だと思う。そして好きなのかもって思ったのはメリーディエース王国。でも、今はどちらでもない。私の心の中にいるのはあの黒髪の人だけ。名前も知らない。色々考えたいけど、彼の事を思い出すだけで胸が苦しくなる。

だったら、私にとってハルトって一体どんな存在なんだろう。なんだか都合のいい相手のような対応をしていてそんな自分が嫌になる。


「せっかく見つけたのにな」


私は、(やわ)らぐ暑さを感じながら車窓を眺めていた。


電車が止まり駅から出ると、相変わらず国民達が歓迎してくれた。

それはとても嬉しかったのだけど


「うわぁ~」


私は思わず声を出してしまったので慌てて両手で口を隠した。


「すごく綺麗ね!!」


街中に等間隔(とうかんかく)で植えられている木が鮮やかな赤で一面染まっているからだった。


「ようこそオッキデンス王国へ。私は今から王城へ案内させていただきますこのエリア長です。」


「よろしくね。私はアンニーナ・プロヴェンツァーレよ。それよりも本当に圧巻(あっかん)ですね」


私は真っ赤に染まった木々を感心しながら眺めていると


「お城まで距離はありますが、少しこの通りを歩いて行かれますか?」


「えっいいんですか?」


私は驚きながらエリア長に確認すると


「まあ、護衛面でも大丈夫かといざとなればお力添えいただければありがたいです。」


どの国でも王族が強いという事は周知なのか王女に向かって言っていいのか迷いながらも話してくれた。


「任せてください!あっでも手を出せるのは魔物だけですよ?」


「ハハハ。そうでしたね。では対人はこちらで対応いたしましょう」


と機転のきくエリア長と楽しく話しながら少しだけ通りを歩くことになった。

私は不思議そうに真っ赤な葉を眺めていると


「やっぱり不思議ですよね?この国に訪れる方々は一様(いちよう)に同じ反応をなさります。本来だと気温差によって葉が赤く染まるのですが、ここオッキデンス王国においては充満(じゅうまん)した魔力を葉が取り込み熟したように赤くなると言われております」


「へぇ~そうなんですか」


「一時期はこの葉を加工すれば魔石のような使い方ができると考えられたのですが、やはり植物なのでちぎってしまった瞬間鮮やかな赤と魔力が蒸発してしまうという結果になりました」


「そうなんですね。」


多分この内容は国内でしか聞けない話だろう。利が無いので国を渡ってくる話ではないなと思った。


「まあでも・・・。あれをご覧ください」


エリア長の視線を追うと、子供たちが数人落ちた葉を集めていた。

そして二枚一組に加工した後〝いっけぇ~〟と言いながら手から離すとフワフワと蝶々(ちょうちょ)の様に少しだけ浮いた。


「すごいですね!」


私は思わず声を掛けると、子供たちが気づいてこちらにやって来た。


「すごいでしょ!僕は浮かせるんだ!」

「私だってもう少し長く浮かせるよ!」

「ぼくは、練習中なの・・・」


子ども達がいっぱい教えてくれた。


「まあ、住民は魔力が無いですからね。多めに魔力が籠っている葉を見つけれると長く浮くという仕組みになります」


エリア長がこっそりと種明かしをしてくれた。


「でもね!でもね!すごくいっぱい飛ばすお兄さん達がいるんだよ!」

「そうなの!この前はね・・・・」


子ども達の話を少し聞いた後私達は再び通りに戻り途中から車に乗り換えアルバス城(オッキデンスの城)へ向かった。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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