おまけ ~集え!メリーディエース王族~
う~ん。おまけですが、少しだけ読んで欲しいかもです。
カロル・アエスタース・メリーディエース(第一王女)
ナタン・アエスタース・メリーディエース(カロルの弟)
ラウル・アエスタース・メリーディエース(王様)
前半はカロル視点
後半はラウル視点
「父上、ここにいたんですか?」
父上は何か考え事をする時は必ずこのプライベートビーチに足を運ぶ。
別に中庭にもくつろげる場所はいくつもある。
「ああ、カロルか」
私を一瞬だけ見るとまた夜の海を眺めた。
「何かお考えでも?」
私は、手元に魔力を集中させると石を投げるように魔力を投げた。
すると奥の方でドカーン!と大きな音を立てながら魔物が沈んでいく。
「・・・。」
ちょううど獲物は父上の視線の先だったようだ。
「一言頂戴。僕、一瞬奥さんの幻覚が見えそうだったよ」
「すみません。さっきからチラチラ視線に入ってきていたので、でも父上は討伐しようとしないからてっきり老眼だと」
老眼という言葉が父上は好ましくなかったのだろうか
「僕ね、まだ40代だから!気持ちは20代だしね!もちろん見えてたよ。でもまだ全然遠くにいたから狩らなくてもいいかな!って思ったの!」
プンプンという擬音が聞こえてきそうなぐらいプンプンしていた。
父上は少しだけ波に足を浸しながら
「いやね、ハルト君の事だよ」
「ハルトですか?」
「うん。彼、どうするんだろうね?いくら末っ子王子だからといってずっと他国に潜入してたんでしょ?プロヴェンツァーレ側は多分ハルト君の事知ってるんじゃないかなって」
「どうしてですか?」
「カロルは魔女の存在って知ってる?」
「はい。確か王族の中でも特に魔力が多い人がなるんでしたっけ?」
「そう、プロヴェンツァーレにはその魔女様がいらっしゃるんだよ。」
「へぇ~そうなんですね?」
私はあまり興味がないので聞き流そうとした。
「だから、呪いっていうか魔法陣の内容も誰がそれを掛けたかも知っていると思うだけどね~。どうしてわざわざ全ての国を巡らせているのだろうね」
「それは、アンニーナのお婿さん探しとその魔法陣の解除なんじゃないですか?」
「わざわざ、四六時中ほぼ婚約者みたいなものが引っ付いてるのに?」
確かに、父上の言う通りだな。アンニーナは気づいてないしハルトも自分から言おうとしないし。
「まさかの解除条件とかあったりするんですかね?」
「・・・。僕もあんまりそういうのは詳しくないから分からないけど、わざわざ他国でそんなことしなくてもいいんじゃない?」
「確かに?プロヴェンツァーレの中できっかけを作って気づかせればいいですね」
父上は手に魔力を込めて槍の形に変形させると「えいっ」と言いながら海に向かって投げた。
数秒後やはりドカーンという音と共に魔物が沈んでいった。
「もしかしたら、アンちゃんのお父さんかなり怒っているのかもしれないね」
「プロヴェンツァーレ国王がですか?」
「うん。同じ娘を持つ父親としての可能性だけどね」
「それはどういう?」
「父上~!カロル姉上~!もう、私だけ仲間外れにしないでくださいよ!」
ナタンが走りながらやってきた。
「また二人で〝どっちがいっぱい魔物狩れるかゲーム〟をしてるんでしょ!私だって参加させてください!」
と言いながら目を細め得物がいないか確認する。
「う~ん。暗くてあまり見えないですね!照明弾打っちゃおかな?」
「バカ、ナタン!そんなことしたら近くの住民が驚くだろうが。緊急事態だと思ってパニック状態になれば大変な事になるぞ!」
私は、ナタンの頭に拳骨を一発入れながら説教をした。
「ちぇっ、詰まんないです」
ナタンのほっぺが膨れたので私は溜息を付きながら
「はぁ~。ほら、魔力を感じるんだ。少しずつ自分の魔力を広げ行くと障害物に当たるだろ?今ならあそこにいる父上の身にまとっている魔力が反発しているはずだ。良く感じてみろ」
「はい、姉上」
ナタンは目を瞑りながら私の説明したイメージ通りの魔力の広げ方をした。うん、勘はいいからコツをつかむのはじょうずなんだよね。
「あっ、今父上の魔力を感じました。」
「えらいぞ、その魔力をそのまま海に向かって広げてごらん。魔力を持っていないものはそのまま通り抜けるから」
「はい!」
「姉上!既に2体の魔物の残骸?があるみたいです?」
「そうだね。二人で一体ずつ沈めたかな?」
「この短期間でちゃんと見極める事もできるようになってすごいぞ!」
私は、ナタンを褒めながら頭を撫でた。ナタンも嬉しそうな表情で私を見ている。
「さあ、子ども達よ。そろそろ部屋に戻りなさい。」
父上が私達に声をかける。
「父上はどうされるのですか?」
「う~ん。僕はもう少しだけここにいるよ。酔いを醒まさないとね」
そういいながらもう少し海に近づいた。
「父上!」
私は無意識に呼んでしまった。
「大丈夫、まだどこにもいかないよ」
そう言いながらしゃがみ込んでいた。
「ナタン戻ろう」 「はい、姉上」
私達は父上の言われた通りに部屋に戻った。
※※※
僕は、海辺にしゃがみ込みそっと魔力を流した。
このごろよくこのプライベートビーチに訪れるのは、魔物の出現が多いからだった。
以前から側近や軍の者たちの議題に上がっていることは承知していた。だってぼくもそこにいるからね。
〝スタンピート〟
この言葉がささやかれるようになってきている。
まあ、僕たちがいるからそこまで被害が及ぶことはないけどあまり隣国には隙を見せたくはない。
「まあ、アンちゃんがいる時に起こらなくてよかったよ」
彼女に討伐を手伝ってもらうとやはりプロヴェンツァーレに借りを作ることになるからね。
僕はできる限りの魔力を込めると闇の海にうごめくあれらにむかって一斉に力を放った。
「明日軍の人たちに片付けてもらお♪」
そして、貴族たちに怒られちゃうんだろうな・・・。
スタンビートだと思っていたのですが、スタン「ピート」だったんですね。
これにて本当にメリーディエース編は終了です。
最後までお読みいただきありがとうございました。




