炎る日差しにお別れを!
アンニーナ・プロヴェンツァーレ
ハルト(アンニーナの傍仕え兼側近)
カロル・アエスタース・メリーディエース(第一王女)
ナタン・アエスタース・メリーディエース(カロルの弟)
ラウル・アエスタース・メリーディエース(王様)
「カロル、いつまでハルト君を引き留めているんだい?今日は向こうでも確か送別会があったと聞いているんだけど?」
ラウル国王の言葉にカロル王女がしまった!という表情をした。
「すまない、ハルト。じゃあ、君もそちらへ向かって欲しい」
「・・・。はい失礼します」
ハルトを待っていたバレリアさんとモリーさんの三人はその場を後にした。
「さぁ、僕たちも始めよっか?」
「アンニーナ!こっちだよ!」
「アンニーナの正装を初めてみるが似合ってるよ!」
ナタン王子が私の席を指定し、カロル王女が私の少し恥ずかしい衣装を褒めてくれた。
「ありがとうございます。カロル王女の正装も機会があれば見てみたいです!」
私はニヤリと笑いながら提案してみた。
「そうそう!そうなんだよ!カロルが着るときっと母親そっくりになると思うんだ。僕も生い先短いからね。早めに見せておくれよ」
ラウル国王が私に向けてウインクをした後、カロル王女に対してシクシクと泣き真似をしながら説得していた。
「・・・。まあ、お嫁に行く時ぐらいは考えますので!」
カロル王女の言葉が意外だったのかラウロ国王が目を丸くして驚いていた。
「父上、カロル姉上、アンニーナの送別会を早く始めましょうよ!」
ナタン王子の言葉に二人は了承し早速料理を持ってきてもらうことになった。
ナタン王子はまだお酒はダメなので私、カロル王女、ラウル国王の三人がお酒を王子はジュースを片手に乾杯した。
「いや~。この国って結構平和な国なんだけど、アンちゃんのおかげでなかなか楽しい時間を過ごすことができたよ」
ラウル国王の言葉に驚き飲んでいたお酒を少しこぼした
「うっ、私何かやっちゃいましたか?」
メリーディエースでは何もやってないような気がするのですが・・・。
ちょっとカロル王女のお部屋に不法侵入ぐらいじゃないかなぁ~。アハハ。
「だって、お見合いの表敬訪問なんだよ~?もっとグイグイくるのかなぁ~とか、僕の隣の席を狙いに来ているのかなぁ~とかちょっと色々考えちゃったよ。もう~」
ラウル国王は可愛く拗ねたつもりだろうが、一国の王がカワイイ雰囲気を作るのはないなと思った。
「で、アンニーナとハルトはどういう関係なんだ?」
カロル王女がお肉をモグモグと食べた後突然聞いてきたので驚いた。
「どういう関係とは?よく動いてくれる傍仕えであり、側近ですよ?」
その言葉に、一瞬メリーディエース王族三人は固まった。
あれ?変な表現だったかな?
「アンニーナとハルトはその・・・こっ恋人同士とかじゃないの?」
ナタン王子はソワソワしながら質問してきたが、私は首を横に振りながら
「いいえ。そのような関係ではありませんね。」
「そっそか。そうなんだ」
ナタン王子は何かを考えながらデザートを口に入れていた。
「まあ、自分に正直に生きていきなさい。」
ラウル国王はニコニコと笑いながら私を見つめた。
「それにしても、若い嫁がくると思ったのになぁ~。残念残念」
「父上、少しお酒を飲まれすぎたのでは?誰か、父上にお水を!」
「え~もうちょっと飲みたいぃ~。これ良いお酒なんだよぉ~。国賓が来ないと飲めない奴ぅ~」
え~私を出しにするの止めて欲しいよ~。
こうして、メリーディエースの最後の夜は楽しく過ごすことができました。
翌日、バレリア達が荷物の最終確認をすると私は、駅まで乗る車まで案内された。
ラウル国王は二日酔いで見送れなくてごめんね。との伝言をカロル王女から伝えられた。
なんだか、最後の最後までメリーディエースっぽくて私は思わず笑ってしまった。
カロル王女とナタン王子は申し訳ないと言いながら
「今度は、アンニーナの国に遊びに行かせてもらうよ。きっとすぐに招待されそうな気がするしね」
と言いながらカロル王女は私を抱きしめた。
「そうですね。いつでもお待ちしています。今度はこちらで魔物刈りをしましょう!」
「ああ、そうだな」
「アンニーナ!本当に楽しい毎日だったよ!もし、いい人が現れなかったら僕が今度こそ立候補するからね!勉強もがんばるから!」
お勉強が苦手なメリーディエースの王族なのに急にどうしたんだろう?
と私が不思議に思っていると。
「ナタン王子、お気持ちはありがたいですがきっと、姫は素敵な相手が見つかると思いますので」
ハルトが前に出てきてナタン王子と張り合い始めた。二人とも同じぐらいの背丈なので見ていて少しおもしろかったけど・・・。
「ハルト!貴方、王族の方相手になんていう非礼なことをしているのです!」
見事にバレリアに怒られていた。
「ああ、いいんですよ!だって・・・。いてぇ!!」
ナタン王子が何かを言おうとしたがカロル王女が拳骨をわき腹に一発入れていた。
「すまないね。そろそろここを出ないと間に合わなくなるのでは?」
カロル王女の声かけにプロヴェンツァーレ側は慌てだした。
「それでは、ありがとうございました!」
私は車に乗り込みカロル王女達に手をふった。
「またね~!幸せになるんだよ~」
「いつでも遊びに来てね~!」
カロル王女とナタン王子の姿がすぐに小さくなっていった。
私は窓を閉めると、前に座っているバレリアとハルトを見て
「これで二カ国目も終わったね。次はどこだったかな?」
ハルトは微笑みながら
「次の国はオッキデンス国ですよ。実りの多い国と呼ばれています」
「そっか~。楽しみだね~。」
「アンニーナ様、実は私、その国の本も・・・・」
こうして、メリーディエースの訪問を無事に終える事ができました・・・よね?
これにてメリーディエース編は終了です。
と言いながらもおまけか閑話か何かしら入るかもです。




